[1]ゴイケン・シャッフル [ 2017/2/21 ] |
読者諸兄ご機嫌よう、男爵です。
周囲の声に耳をかたむけることはとても大切です。
有用な情報を教えてくれたり、間違いに気づかせてくれたり、時には励ましの声をいただくこともあるでしょう。
ホールも営利企業ですが、ただ回収設定の台を並べておくだけではなかなか客はつきません。
かといって高設定を大量設置するような体力もない。
そこでホールは、別のサービスを模索するのですが……
今回の話は、そんな周囲の声にまつわるサービスの一例、スロット紳士こと男爵の体験談を聞いてほしい。
フカフカの絨毯が敷かれ、きらびやかにライトアップされるシマ。
端々に置かれる大型の液晶ディスプレイにかこまれたきらびやかな店内。
最近のホールは、本当に綺麗になった。
板張りの床に根性焼きされた筐体、それをパンチパーマの店員が面倒くさそうにメンテナンスする、そんな光景は昭和と共に終わったのだと実感する。
お?
お、おぉ……
あぁ、もう5千円か……
私は『クランキーセレブレーション』を打ち、決められた予算を30分も待たずに溶かしていた。
オーソドックスなコンドル狙いハサミ打ちが織り成す出目を楽しんだものの、せめて一度はボーナスを引きたかったなと肩を落として離席する。
住み慣れた街を離れた私は、新しい仕事と共に新たなホールの開拓を続けていた。
バーサスを打った時に設定1否定演出は何度か見たけれど、全体的にはちょっと物足りないか。
それにしても、出玉状況に不釣り合いな程に軍団打ちしている人が多いな。
そんな印象の街のホールを歩いて、休憩コーナーに向かう。
通路ですれ違う体格の良い男性店員が、自分体育会系ッスと主張せんばかりの大声で「シャッセー!」と言ってくる。
最新設備も接客も結構だけど、まず設定を入れてくれ。
お決まりの文句だが、とりあえず言いたくなるのはスロッタ―の性だろう。
もっとも、5千円しか使ってないわけで、設定云々は店の状況から推察しているに過ぎないが。
缶コーヒーをすすりながら、ホールの一角に設けられた「お客様の声」のコーナーを眺める。
備え付けの用紙に意見・要望を記入して投函すれば、後日店側から返答が来るというものだ。
食品スーパー等でもよく見かけるものであり、客が望むサービスや改善点を知ることができるという店側のメリットは大きい。
さらには「お客様の声に耳をかたむけてますよ」というアピールにもなるだろう。
ただこれは、基本的によほど伝えたいことがある人が書くもので、ホールに向けた声となるとおだやかではない内容も多いことは想像がつくだろう。
店側が取捨選択できるので、掲載にふさわしくないものは事前に削除されていると思うが、厳しい意見も公開しているホールは多いので、ある程度店側も歩み寄りをしようとしているのかもしれない。
ここからは、そんな店の歩み寄りと苦悩がうかがえる一部始終について、実際の投稿を取り上げながら諸兄と考えていきたい。
【ご意見・ご要望】
「冷房が効きすぎ、サムイ!」
まずはシンプルかつわかりやすい要望ですね。
「サムイ!」は設定状況の感想でないことを祈るばかりですが。
さて、店長の回答やいかに。
【店長より】
「申し訳ありません、店内温度の調整をよりこまめにチェックする体制といたしました。 空調設備付近等やや影響をうけやすい場所もありますが、まずはお近くのスタッフまでご相談下さい。 貸し出し用のブランケットもご用意しております。」
要望に応えようとする丁寧な姿勢に好感が持てますね。
こうした部分から改善ができれば客の満足度も上がることでしょう。
【ご意見・ご要望】
「ナイトオブマハラジャが打ちたい」
テンゲン販売のマイナー機の導入要望です。
バラエティコーナーに活路を見いだせるのか。
【店長より】
「申し訳ありません、現在導入の予定はありません。 ただ、こうした要望はお寄せいただければ可能な限り対応していく所存です」
残念ですが、稼働が見込めなければ一人の客のために導入するのはリスクもありますしね。
今後の展開に含みを持たせるあたりで、落としどころを探っているのが伝わります。
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