[3]猫とハイエナのバラッド [ 2016/10/24 ] |
■『ストリートファイターU』 (アリストクラート 2005年4月)
現在はエンターライズ製で稼働しているストリートファイターシリーズだが、ホールデビューはアリストクラートからの登場だった。
上記の海物語と同時期に登場したこの機種は、BIG中に技術介入を搭載した機種であり、ストック機能非搭載、当時としてはやや変わったスペックだった。
ゲーム原作にも関わらず液晶非搭載(ドット演出はある)であったり、一撃で数千枚出すという台ではなかったため派手さを欠いた感はあったものの、設定6の安定感が抜群だったため、上級者に好まれた機種だ。
新台導入され打っていた私は、高設定ではないと見切りをつけ、ボーナス消化後0ゲームで隣の台に移動した。
すると、先ほどまで打っていた台にタバコが投げ入れられニット帽の男が座り、私の顔とデータランプを交互に見ている。
ほどなくして現れた仲間と思われる二人に「ストU0Gヤメ台ゲット♪」と自慢げに語っていた。
見ると、当時の私よりさらに若い、まだ10代と思われる3人組であった。
騒がしいホール内だが、隣にいると会話も断片的に聞こえてくる。
「ボナ後はチャンスっしょ」
「マジかよ、新台だしオイシイな」
「バカだよな、知らないんだろ」
ニット帽の男はチラチラこちらの様子をうかがっていた。
知識の無いオッサンだとなめられていたんだろう。
「ボーナス後は128GまでがRT解除振り分け率が高い」
当時はこんな台がスタンダードだったためよく勘違いされていたのだが、ストUはそもそもストック機ではない。
ヤメ時は0ゲームというのは、台の仕様を把握していれば理解できるものだった。
好奇心は猫を殺す
数十分後、ノーボーナスで260G程回した3人組は首をかしげながら席を立った。
猫はキミ達だよ、いや、この場合は好奇心とは違うか、慌てる乞食は貰いが少ないと言うべきかな。
若かった私はフンと鼻をならし、彼らを見送った。
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今では当たり前のように存在するバラエティコーナーが増えだしたのもこのくらいの時期だった。
みなし機の撤去や高額になっていく新台購入費用の削減といった負の事情もはらんでいたと思われるが、マイナー機や一昔前の機種に触れる機会が多くなり、それこそ好奇心旺盛に様々な機種を打っていた。
この時期私はご多聞に漏れず、雑誌やwebで知識を身に着けており、それなりに収支も良かった。
自称中級者といったところだが、往々にして危険なのは自分の力を過信するこの自称中級者である。
トレジャーハンティングという題材はその相性から、しばしばパチスロにも採用されてきた。
「ピラミッド」「エジプト」「財宝」
そんなキーワードから諸兄が思い浮かべる機種は何だろう。
『秘宝伝』
現行機では最有力候補か。
『ネオファラオゼッツ』
4号機後期機種、個人的には結構好きだった。
『スフィンクス7』
まさかのパル工業、大先輩ではないか。
『おしおきピラミッ伝』
紳士、圧倒的紳士。 パチンコのシマで男爵と握手。
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