[2]ペガビアン・ラプソディ [ 2016/3/18 ] |
― 2016年2月 某ホール ―
初当たり1/240の北斗強敵で単発まみれになり、マイナス2000枚。
合算の良いサンダーVを発見して打てば、BIG:1/550、REG:1/150みたいな内訳になりヘタレヤメ、マイナス1500枚。
前週のそんな稼働内容に頭を抱える。
狙いは悪く無い、しかし結果が全くついてこない。
わかっている、試行回数を増やせば自然に確率は収束する。
しかし、高設定とおぼしき台の不発はやめるにやめられず、収支はもとより、精神的なダメージも少なくない。
頼む、普通の確率でいい、出してくれ。
ああそうだ、数年前に北海道で会ったおじいちゃんも言ってたな、大切なのはやる気だって。
もちろん相手はパチスロ機、機械にやる気なんて無いだろう。
「オレはこの台のやる気を感じた、台の声が聞こえたんだ!」
などと言おうものなら、良くてオカルト野郎、悪けりゃ病気扱い。
パチスロ漫画のキャラクターでもなければ成立しない思考だ。
だが、勝てるならオカルトでも病気でもなんでもかまわない。
追い詰められた私は、自嘲気味にノーマルタイプのシマを見まわす。
「目を見ればわかる」か。
声なんて聞こえるわけは無いが、各キャラクターの目を思い浮かべながら、戯れに設置機種を脳内アフレコしてみる。(キャラクター付けは適当です)
ドンちゃん 「てやんでい、オイラと勝負でい!」
う……正直HANABIには惹かれるが……
コンドル 「オレっちと遊んでいきなよ、上段青7テン見たいだろ?」
たしかにクラコレも面白いんだけど……
サンダー 「オレに決めろ、ボーナスBGMでシビれさせるぜ!」
あのメロディラインは聴きたいが、先週のトラウマが……
ピエロ 「僕を選べば安心だよ。」
安心かなぁ、キミはすぐ豹変するから苦手なんだよな……
クレア 「おにいちゃん、アタシと遊ぼっ!」
ああ、久しぶりにクレアと遊ぶのもいいかもな、絶対設定1だけど……
??? 「男爵くん、またボクと遊ぼうよ。」
あー懐かしい、久しぶりに見たわー。
…
……ペガッパ!?
生きとったんかワレ!!!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
※ペガッパ(エマ)※
2005年1月に登場したボーナスストックタイプの4.5号機。
メジャー機種と言えるほどは設置が伸びなかったが、浅い天井と狙いどころがわかりやすいゲーム性でカルト的な人気があった。
スーパーペガッパモードという爆連モードがあったが、なんでもその突入率は100億分の1とか1兆分の1とか言われている無茶な確率だった。
何を思ってか「よっちゃんイカ」とコラボした台と言えば思い出す人もいるだろうか。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「久しぶりだね男爵くん、好きでしょエマの台、ボクに決めてよ。」
いや、本当に懐かしい、確かに初代は好きだし興味はある。
今は便利な時代になった。
ホールにいながらスマホで情報収集ができるのだ。
とりあえず打つ前に公式サイトを覗いてみようか。
……
……の、載ってない!?
エマ公式サイトトップは『めんそーれ』の新パネル告知、機種一覧にもペガッパは掲載されていない。
なんだろう、限定販売機なんだろうか。
P-WORLDで設置状況を調べてみる。
全国設置店 20 店舗 (2016年2月)
…希少台じゃないか。
あ、ちなみに5号機はノーマルタイプなんだね。
「ボーナスフラグを引くだけだよ、早く回してランプを光らせてよ。」
うーん…
この店は1台設置機種に設定入らないんだよなぁ。
「ボクも4号機時代は一日で7万枚出したとも言われた機種なんだよ、夢があるよ。」
おい、その話はやめてさしあげろ。(興味のある諸兄は各自で調べて下さい)
「男爵くんは珍台好きでしょ、この前も『サイレントメビウス』をわざわざ打ちに行ってたじゃないか。」
ああ、あの台は生まれてくるのが遅かった台だったなぁ。
終日勝負ならいざ知らず、短時間での勝負ならうまくいけば遊べるだろうか。
その前に確認しておこう、ペガッパ、やる気はあるかい?
いや、やれるのか、オイ!
「もちろんだよ、REG時の珍妙なサンバのリズムも健在さ。 さぁ、7万枚出すよ。」
だからそれやめろ。
まぁいいか、不思議なやる気を感じるし、打たずに撤去されたらまた後悔しそうだ。
言うまでもないが、上記の会話は全て一人のオッサンの妄想、オカルト病気男爵だ。
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