[2]パチスロ昔話フィクションVer.〜体感器攻略編〜 [ 2021/7/3 ] |
もうもうとタバコの煙が立ち上がる様はまさに鉄火場。
打っているお客も皆、少々ピリピリしている様子でした。
かなりの確率でウ●モノ化されているでしょう。
「チョット運試し。」
「2〜3回チェリーを引くまでは。」
と、空き台に着席。
何度かチェリーを引くも状態へは突入せず。
まぁ、そうカンタンではありません。
メダル持ちも極悪なコトから、ウ●モノである確率が大幅UP。
さらに隣りの方が何やら挙動不審。
一旦席を立ち、その隣りの方を遠目で観察していると耳にはイヤホン。
さらにそのイヤホンを付けたりハズしたり。
この時点で、裏返っているコトに確信と同時に、あるコトが気になり店内をぐるり。
すると、私の予想通りソレはあったのです。
「体感器等の使用禁止」なる注意書きが。
隣りの方は、店にバレない様イヤホンを付けたりハズしたりしていたのでしょう。
コレにより、この店の『ボルテージ』は裏返っているコトが確定。
投資もかなりの額になっていた為、私はそのまま店を出ました。
〜数日後〜
ボケーっとテレビを観ていると、あるニュースが目に飛び込んできました。
「大手家電メーカーP社の低周波治療器に不具合」なる報道。
続けて観ていると、その低周波治療器はなんだか見覚えが有る様な無い様な。
気になった私はさらに詳しく観ていると以下の様な内容でした。
1.P社製低周波治療器 品番ABC−001に不具合が発生
2.不具合は○○年製造品のみ
このニュースを観た私は母に尋ねました。
私 「お母んの使ってる低周波治療器ってコレ(報道されている)と同じじゃなかった?」
母 「さぁ〜? でも、だいぶ使ってるケド、ナンともないから違うんちゃう?」
私 「……」
続きを観ていると、原因と不具合の内容が明らかに。
要約すると、原因と不具合は以下の通りでした。
【原因】
製造ラインにP社純正品ではない部品が混入
【不具合】
端末(パッド)が熱をもつ
端末が熱を持ち低温ヤケドの恐れがあるとして、長時間の使用は控えて下さいとのコト。
短時間での使用は問題ないが、P社としては低温ヤケドの恐れがある以上放置しておく訳にもいかず、注意喚起に至ったとのコトでした。
私 「長い時間使うなやって。 なんか見覚えあるし、お母んの(治療器)確認した方がえぇ〜んちゃうん?」
母 「だぁ〜いじょうぶやって。」
私 「確認ダケするからチョット見せて。 ドコにあんの?」
母 「チョット待ってや。」
母が持ってきた低周波治療器を見るとP社製。
バッチシあてはまる品番。
次いで、製造年を見ると見事にビンゴ!!
私 「コレ、そやで。」
母 「ホンマ!?」
私 「パッドが熱くならへんかった?」
母 「う〜ん、分からん。」
私 「もぉ〜使わんほぅがえ〜んちゃう?」
母 「えぇ〜、気に入ってたのに……」
私 「ヤケドしたらど〜すんの!?」
母 「長い時間使えへんかったらえ〜んやろ。」
私 「………」
さらにニュースは続き、P社担当へインタビューしていました。
インタビュアー(以降イ) 「部品が混入した原因は?」
P社担当(以降P) 「現在調査中につき回答は控えさせて下さい。」
イ 「○○年製全てに不具合が発生したのでしょうか?」
P 「はい。」
イ 「長時間との事ですが具体的にはどれぐらいでしょうか?」
P 「連続使用でおよそ5〜6時間で熱を持ち始めます。」
インタビュアーが「くれぐれも長時間の使用は避けて下さい。」と締めインタビューは終了。
最後にP社への問い合わせ先が画面に流れニュースも終了しました。
私 「そう言えばI兄ぃ〜ちゃん(叔父)ってP社で働いてたんとちゃうん?」
母 「そ〜言えばそ〜やったな。 でもあのコは全然違う部署やで。」
私 「なんか知ってるかもしれへんから、使っても大丈夫か一応聞いてみるワ。」
と、電話で聞いてみる事に。
やはり叔父の部署は全く違ったのですが、仲の良い同期が該当部署であった為、愚痴まじりに色々と聞いたそうです。
ソレによると。
1.部品が混入した原因は我々にも知らされていない
2.P社はそこそこのパニックになっている
3.パニックの主な原因はイタズラが多発した為
4.発表されていない不具合アリ
でした。
「使って良いかと尋ねられれば、立場上使うなとしか言えない。 だが、報道でもあった通り短時間での使用は問題無いらしい。」と付け加えられました。
もちろん気になったのは4.の項目。
叔父もそのコトが気になったので詳しく聞いたそうです。
すると、「正規品に比べリズムたたきモードのリズム間隔が崩れる。」とのコトでした。
未発表の理由は、リズムが崩れるダケで特に支障はないからとのコト。
叔父はさらに仲の良い同期から聞かされたハナシを続けました。
叔父 「リズム間隔が崩れるって言ってもほんのチョットだけらしい。」
私 「ふ〜ん。 チョットだけ間隔が崩れるぐらいやったらケガとかせぇ〜へんモンな。 だから未発表やったんかな?」
叔父 「たぶんそうちゃうかな。」
私 「まぁ、さらに混乱するかもやからソレが賢明やったかもな。」
叔父 「そーやな。 ホンマに気にならへん程度しか崩れへんみたいやから。」
私 「気にならへん程度ってどれぐらいなん?」
叔父 「なんか、リズム間隔が10段階あるらしいねんけど、全段階10%ダウンするみたいや。」
私 「ふ〜ん。」
叔父 「でも、10%っていっても体感では誤差なんか全く分かれへんみたいやって。」
私 「そらそやろな。」
叔父との会話はココで終了。
が、電話を切った途端私にヒラメキが。
私 「お母ん、説明書ってある?」
母 「説明書? 何の?」
私 「コレ(低周波治療器)の。」
母 「あのコ(叔父)何か使ったらアカンようなコト言ってた?」
私 「ニュースで報道してた通りしか言ってなかったワ。 で、説明書は?」
母 「あぁ〜、あるで。」
しかし、説明書には私が知りたい情報は書かれていませんでした。
そこで、再び叔父に電話。
私 「さっき話してたI兄ぃ〜ちゃんの同期の人って機械のコト詳しいん?」
叔父 「まぁ、オレよりかは遥かに詳しいで。」
私 「そら、チョットアレな兄ぃ〜ちゃんと比べたら何でも遥かに詳しいやろ(笑)。」
叔父 「そーそー、アレなオレと比べたら何でも遥かに……って、アレってなんやねん!!」
私 「その人にチョット聞いて欲しいコトあんねんケド。」
叔父 「オレのノリツッコミはスルーかい!」
私 「スベってんで(笑)」
叔父 「まぁ、えぇ〜ワ。 で、何を聞くんや?」
私 「お〜、そやそや。 ○○○での△△△の□□□は●●●の▽▽▽か?って聞いて欲しいねん。」
叔父 「??? そんなん聞いてど〜すんねん?」
私 「まぁ、えぇ〜やん。 チョット気になったダケやから。」
叔父 「ふ〜ん、そうか。 まっ、聞くダケやったら。」
私 「ありがとう。 頼みます。」
と、電話を切りました。
〜数日後〜
叔父から電話がありました。
色々と雑談をした後本題に。
叔父 「ビタ、この前言ってた件やけどな。」
私 「うんうん、で、どうやった?」
叔父 「『3』らしいワ。」
私 「『3』?」
叔父 「そう、『3』やって。」
私 「『3』ね、オッケー。 ありがとう。」
次の休日、私は『ボルテージ』設置店へ向かいました。
「体感器等の使用禁止」の貼り紙があった店です。
モーニングの有無を確かめる意味もあり朝イチに。
到着すると、お客はそれ程並んではいませんでした。
コレによりモーニングは期待薄。
当時のモーニングは店が意図的にボーナスを仕込むのが一般的でした。
しかし、ウ●モノにはリセットモーニングと言うモノも存在しました。
現在でもリセットによる恩恵がある機種も存在しますが、ウ●モノをリセットするとその恩恵は現在の機種と比べるとケタ違いに大きいです。
リセット=ボーナス終了状態なワケですから、機種によっては状態中からスタートする機種もあったのです。
『ボルテージ』は状態中でしかボーナスは当選しませんので、リセットされると状態中からスタートします。
ですが、どうやらこの店はその様なサービスは行っていない様でした。
まぁ、ソコまでサービスする店では無かったってコトですから、なかなかのボッタ店ですね(笑)。
開店時間となりスロットコーナーへ向かいます。
朝並んでいた他の方々の多くは私と同様スロットコーナーへ。
テキトーに着席。
打てる時間は長くても6時間。
6時間もあれば十分です。
ナゼなら攻略法を実践するから。
そう……
体感器攻略を、です。
体感器と言ってもメトロノームは使用しません。
メトロノームにイヤホンを繋いでいるとすぐにバレてしまいます。
先日見掛けた方の様に、バレない様に付けたり外したりするとその都度イチからやり直さなければなりません。
メンドくさがりの私には不向きです。
そこで登場するのがP社製の低周波治療器。
母から借りた不具合の起こる低周波治療器です。
低温ヤケドはイヤなので、打てる時間は長くても6時間ってワケですね。
「???」
「その低周波治療器で周期が掴めるのか?」
と、お思いでしょう。
その通りですね。
しかし、私は体感器の代用ができると確信していました。
なぜなら。
まず、私が最初に注目したのは、未発表の不具合である「リズムたたきモードのリズム間隔が10%ダウン」です。
リズム間隔が10%ダウンするのであれば、1秒で刻んでいたリズムが0.9秒刻みになるのではないか?と。
となれば、0.9秒×4拍=3.6秒で『ボルテージ』のチェリー周期が狙えるのでは?と思ったのですね。
が、その前に不具合のない正規品の低周波治療器のリズムたたきモードに、1秒刻みのリズムが存在するかを確かめなければなりません。
説明書を読んでもその様な記述はナシ。
そこで、私は叔父に機械に詳しい同期の方に尋ねて欲しいと依頼したのです。
「正規品でのリズムたたきモードの1秒刻みのリズムは10段階の内ドコにあてはまるのか?」と。
もし、正規品に1秒刻みのリズムが無ければ諦めました。
しかし、叔父から返ってきた答えは『3』。
つまり、正規品でのリズムたたきモードには1秒刻みのリズムが存在し、ソレは10段階あるウチの『3』であると言うのです。
即ち、不具合が起こる母の低周波治療器のリズムたたきモードの『3』は0.9秒刻みとなります。
しかも、イヤホンとは違い、服で隠せるトコロに取りつけるコトが出来ますので、付けたり外したりする必要も無いのです。
さっそく低周波治療器のスイッチをON。
リズムたたきモードを『3』にセットし打ち始めます。
が、最初の壁にブチあたります。
自力でチェリーが引けないのです。
コレばっかりはどうしようもありません。
メダル持ちが極端に悪い為、すでに投資はかなりの額に。
しかし、暫く回したトコロでようやく訪れるチェリー。
ホッと一安心。
さぁ〜、いよいよココからが体感器の効力を発揮する場面。
一体何枚出るのかワクワクしながら打ち続けます。
しかし、一向に状態に突入しません。
体感器の効果でチェリーの出現率は大幅にUPしています。
UPしているのですが、今度は二つ目の壁に阻まれました。
状態突入条件である「チェリー成立時の1/11」。
その1/11が引けないのです。
が、軍資金が底を尽きかけた頃にようやく状態突入。
まずは、捲るコトを目標に。
最初に出てきたボーナスはREG。
コレは歓迎するトコロ。
REGでは状態は転落しないからです。
その後REGを4回挟みBIG。
ナント、そのBIGイッパツで状態ヌケ。
なかなか引けなかった1/11なのに、なんでこーゆーのはアッサリ引くかなぁ(怒)。
獲得したメダルは700枚程。
捲るドコロか全く足りません。
しかも、BIGでリセットされてしまいましたので、イチからチェリーの周期を探らなければなりません。
さすがに心が折れそうでしたが、持ちメダルだけと決め続行。
全てノマれかけたトコロでチェリーGET。
今度は、なんとか数度のみのチェリーで状態突入。
持ちメダルはギリギリでした。
出てきたボーナスは初っ端からBIG。
「もしかして、またイッパツ状態ヌケちゃうやろな…」の不安をヨソにボーナス連打。
その後は裏返った『ボルテージ』のポテンシャルを存分に発揮。
「何とか投資額分は回収できたかな?」と思ったトコロで、私の肩にポンッと衝撃が。
振り返ると店員が立っていました。
店員 「ちょっと来て下さい。」
私は「ヤバい!」と思いました。
「体感器がバレたのか?」と。
案の定事務所へ向かう店員。
重い足取りでついていく私。
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