[3]パチスロ昔話フィクションVer.〜体感器攻略編〜 [ 2021/7/3 ] |
事務所に入ると店長らしき男性。
店長らしき男性(以後店長)は私にこう声を掛けました。
店長 「まぁ、掛けて下さい。」
と、穏やかな口調でイスを薦めてきます。
逆にその穏やかな口調が恐怖を助長します。
店長 「体感器使ってますね?」
私 「体感器……ですか。 使ってないです。」
店長 「ホンマですか?」
私 「……はい。」
店長 「じゃぁ、首元にチラッと見えるのは何ですか?」
私はドキッとしました。
低周波治療器のパッドを肩に貼っていたからです。
服で隠していたつもりがちゃんと隠れていなかったのでしょう。
しかし、私は隠していても見つかるコトはあると想定していました。
ですので、あえて肩に貼っていたのです。
その理由は「肩コリがヒドいから」と言い訳が出来るから。
私は用意していた通りに答えました。
私 「コレは低周波治療器です。 肩コリがヒドいからです。 だから体感器とちゃいます」
すると店長は鋭い目つきで私に問いかけます。
店長 「肩コリ? 見たトコロまだ若く見えますが?」
私 「肩コリです。」
私が自身タップリに言いきったので店長は少し怯んだ様に見えました。
しかし、相変わらずの穏やかな口調でこう続けました。
店長 「分かりました。 でも今日のトコロはコレで帰って下さい。」
私 「えぇ〜、何でですか?」
店長 「今まで出した分は交換して構いませんので。」
私 「だから何でですか?」
店長 「体感器を使ってたからです。」
私 「だからコレは体感器じゃないですよ。」
店長 「それは分かりました。 ですから今まで出した分は交換して結構です。」
私 「じゃぁ、交換したらまた打っていぃ〜んですね?」
店長 「それはアキきません(アカンってコトです)。」
私 「えぇ!? 意味がよぉ〜分からんのですケド。」
店長 「ウチは体感器等の使用は禁止です。」
私 「だ・か・ら・」
店長 「“等”です。 低周波治療器は“等”に該当しますので。」
私 「そんなん、後付けですやん。」
店長 「確かにそうかもですね。 ですから、譲歩して今まで出た分は交換して良いと言ってるんです。」
私 「………。」
店長 「なんなら、出玉没収で出入り禁止でも結構ですよ。 店内の注意書きにも体感器“等”とありますから。」
私 「……分かりました。」
店長 「ウチは基本、攻略法は黙認してますが、体感器や類似するモノは禁止です。」
私 「………。」
なんとか投資分は捲れていた様でしたので私は了承しました。
メダルを流し終えた私の台には『調整中』との札。
状態中でしたので、他の方が打つコトを避けたのでしょう。
以上のコトから、攻略法を黙認している分、他はかなり厳しい店と見てとれます。
想定より換金率が良かった為、収支はほんのりプラス。
ですが、「もぉこの店に来るコトは無いな。」と店を出ました。
〜数日後〜
母から嬉しいニュースが。
叔父に子供が産まれたと言うのです。
落ち着いた頃を見計らい、お祝いを届けるのも兼ねて叔父宅へ訪れました。
私、子供大好きなんです。
私 「奥さんに似てるなぁ〜。」
叔父 「せやろ。」
私 「兄ぃ〜ちゃんに似んでよかったな(笑)。」
叔父 「そーそー、オレに似てたら……って、なんでやねん!」
私 「産まれたトキの体重ってどれぐらいやったん?」
奥さん 「3500gぐらい。」
私 「大っきいなぁ〜。」
叔父 「オレのノリツッコミは無視かい!?」
奥さん 「お乳もスゴイ飲むねん。」
私 「おぉ〜、そ〜なんや。」
叔父 「もしも〜し。」
奥さん 「何なん!? さっきから(怒)」
私 「ホンマやで。 スベったからイジらんとってあげてんのに。 優しさやんか。」
叔父 「そんな優しさ要らんワ。」
私 「そ〜言えば産まれた日って確か……」
奥さん 「2月29日やで。 予定日より3日早かってん。」
私 「ミラクルやな。」
奥さん 「そんな日に合わせて、わざわざ早く産まれてこんでもなぁ〜(笑)。」
私 「全然えぇ〜やんか、元気やったら(笑)。」
奥さん 「でも、このコが大きくなったら誕生日っていつしたらえ〜んやろ?」
叔父 「そ〜やなぁ〜。 4年に一回ってのもなぁ〜。」
私 「3月1日でえ〜んちゃうの? 2月28日はまだ産まれてへんのやから。 2月29日がある年だけ29日でえ〜んちゃう?」
奥さん 「そ〜やな。」
ここで、違和を感じるもその正体に気付かず。
子供の顔を見ていると、あまりの可愛いさに深く考えようとはしませんでした。
私 「じゃぁ、そろそろ帰るワ。」
叔父&奥さん 「また来てや。」
と、帰路に。
その帰りの道中、早くも来年の誕生日プレゼントを考える私がいました(笑)。
と、ここで再び違和感。
今度はじっくり考えてみるも、やはりその正体は暴かれず。
「まっ!その内ヒラメクやろ」と考えるコトをヤメました。
〜数日後〜
この年はオリンピックの開催年でもあるコトからテレビでは連日オリンピック関連の報道が。
私、ゴルフと競馬以外のスポーツは「まぁ、好きっちゃ好き。」でヒマならテレビで観る程度。
しかし、オリンピックやサッカーWカップ等の数年に一度しか開催されない超大きな国際大会がある年は『にわか』と化します(笑)。
この年のオリンピックは海外での開催。
「また寝不足になるなぁ〜」なんて考えていました。
「寝る時間をズラせればなぁ〜」とも考えたのですが仕事がそうはさせません。
が、ここであるワードでヒラメキ。
そのワードとは「時間をズラす。」
このヒラメキは以前感じていた違和に一筋の光明を射しました。
「(オリンピックはうるう年に開催されるねんな)」
「(うるう年は4年で1日分の時間が余るから調整され2月が1日増えて29日まで)」「…………。」
「!!!!」
「(て、コトは!!??)」
そして、その光明は私に更なる圧倒的ヒラメキを与えてくれました。
まるで道筋を示す様に。
「(じゃぁ、アレをこ〜してこ〜すれば)」
「(でも、コレじゃぁムリか……)」
「(イヤ!そんなんせんでも逆にもっとシンプルにしたら!!)」
その瞬間、光の向こうにゴールが見えたのです。
〜次の休日〜
私は『ボルテージ』設置店に朝から並んでいました。
件の「体感器等の使用禁止」の注意書きがあった店です。
もぉ、来るコトは無いと思われたこの店。
訪れた理由は店長の「攻略法は黙認しています。」の言葉。
そう……
再び『ボルテージ』攻略へ挑戦する為です。
それも体感器は“等”を含めたモノも使用せずに。
当時としても攻略法を認めている店はかなりレア。
そんな数少ない店をスルーするワケにも行きません。
パーラーとしては、攻略法を使うと予想以上に出されてしまいます。
建前上は「認めています」と謳っていますが、些細なコトでも禁止事項となり出玉没収。
さらには出禁となるでしょう。
出玉没収&出禁とまではなりませんでしたが、先の私の例のように後付してまでも。
この店は「体感器等」の使用を禁じています。
ならば、体感器(準ずるモノ含む)を使わなければ、攻略法の使用は可能となります。
私は、その方法を思いつきましたのでこの店に訪れたのです。
低周波治療器のトキと違い時間制限もありません。
なにより、後付けで打ち止めにされた悔しさもあり、「開店から閉店まで粘って爆出ししてやる!!」と朝イチから並びました。
開店となりスロットコーナーへ。
裏返った『ボルテージ』には設定差がありませんのでドコに座っても同じ。
ドコに座っても同じですが、体感器を使用した攻略法を駆使する場合、少しでも目立たない様にとカド台は避けるのがセオリー。
しかし、私はあえてカド台へ。
爆出しするのですから、別積みされるでしょう。
その別積みされたドル箱の山を眺めながら、爆出ししてやるとの目論見です。
目立っても全く問題ありません。
例え、店から「体感器を使っているのでは?」と疑われてもです。
ナゼなら、体感器(“等”を含む)は使っていないから。
体感器を使っていない以上、攻略法を使用してもこの店は認めざるを得ないのです。
「この前の体感器で回収出来なかった分を倍以上回収してやる!!」と回し始めます。
それから1〜2時間が経過した頃。
私の頭上にはカチ盛りのドル箱が3つ。
最初に自力でチェリーを引くまでは少々手こずりましたが、攻略法の効果で程無く状態突入。
一撃カチ盛り3箱で状態はヌケてしまいました。
もちろん続行するのですが、このタイミングで私の肩を誰かがポンッ。
振り返ると店員でした。
体感器等は使用していませんが、攻略法は使用しています。
この攻略法は周期を狙いますので、打ち方も必然的に通常とは少し異なります。
当然、店員によるチェックは行われていたでしょう。
ウ●モノですので、一撃ドル箱3箱カチ盛りなんて当たり前。
むしろ少ない方。
しかし、不自然な動きから店員は私が攻略法を使っていると判断したのでしょう。
イコール、体感器を使用している、と。
案の定店員は私に向かいこう言いました。
「ちょっと来て下さい。」と。
そう言った後、案の定事務所へ向かう店員。
言われた通りついていく私。
しかし足取りは前回と比べ重くはありません。
むしろ軽いぐらい。
もちろん、攻略法を使用していますので事務所行きぐらいは覚悟していました。
てか、事務所に連れてってくれと密かに思っていたぐらいです(笑)。
その理由は、攻略法使用可の念押しの為。
つまり、攻略法の使用を認めさせ、何の気兼ねもなく爆出ししてやろうと考えていたからです。
その背景には、体感器等を使用せず攻略法を駆使しているトコロにあります。
しかも、アレコレと後付けも出来ないであろう方法との自信があったからです。
事務所に入ると、前回と同じ店長と思われる人物が。
前回と違うトコロは、開口イチバン「体感器使ってますね!」と少々不機嫌そう。
前回と違い、今回はカチ盛り3箱により収支はすでにプラス。
故に少々不機嫌なのかと思われます。
私 「使ってないです!」
店長 「ホンマですか?」
私 「ホンマです。」
店長 「店員から報告を受けて、僕も注意深く観察していましたがアナタ、打ち方が少しおかしいですね。」
私 「打ち方がおかしい?」
店長 「体感器を使っている独特な打ち方をしています。」
私 「だから、体感器なんて使ってませんよ!」
店長 「なら、ナゼあんな打ち方をするんですか?」
私 「打ち方って…… じゃぁ、パチスロにはこうやって打たんとアカンって決まりはあるんですか?」
店長 「なんやて?」
店長は少しムッとしたようでした。
が、すぐに冷静ななり。
店長 「決まりは……ないです。 打ち方は自由です。」
私 「だったら、え〜ですよね。」
店長 「ですが、体感器を使っていればハナシは別です。」
私 「だ・か・ら・使ってないですって。」
店長 「だったら、なんであんな打ち方をしてたんですか?」
私 「イヤ、だから……」
このままでは埒が明かないと思い、正直に話しました。
私 「このままやったらハナシが進みませんから正直に言いますね。 ぶっちゃけ攻略法は使ってます。 でも体感器は使ってません!」
店長 「攻略法は使ってるけど、体感器は使っていない?」
私 「はい!!」
店長 「ホンマですか?」
私 「まぁたソレですか? 疑うんやったらボディーチェックどうぞ。」
店長 「では、ボディーチェックを。」
と、ボディーチェックを始めました。
それも入念に。
しかし、何も出てきません。
当然です、何も使っていないのですから。
が、次に店長が発した言葉に驚きました。
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