[2]出禁物語ファイナル 〜ビタ、追い出される〜 [ 2014/8/5 ] |
時は1999年、私が27歳の頃です。
その年、私が勤めていた会社が不況のあおりを受け倒産。
次の仕事のアテも無く、途方に暮れていました。
そんなある日の職安帰り、気分転換にと、初めて入るパチンコ店にふらっと立ち寄りました。
その店は半年程前に新規オープンしたばかりの店で、過去一週間分の大当たり回数を一覧で全台公開していました。
データを見る限りでは、出玉にメリハリがあり、まぁまぁの店と言う印象。
そのデータを見た私は、ある法則に気が付いたのです。
それは、『3日間連続で出て無い台は、4日目にかなりの確率で出ている』ということ。
もちろん全てではありません。
その中でも、特に角から2番目の台にその傾向が強く見られました。
対象機種は4号機の名機『HANABI』。
技術介入バリバリの台です。
その日は該当する台が空いていませんでしたので一旦帰宅し、閉店間際に『HANABI』全台の大当たり回数をチェック。
翌日朝イチから回すつもりでした。
その翌日、朝から開店の列に並んだのですが、少し不安が…。
実はこの店のデータ機、表示するのはBIG&REGの回数と現在の回転数のみで、肝心な総回転数は表示されていなかったからです。
この時、私は一つの賭けをしていました。
その賭けとは、今日読みが外れて負けてしまえば就活に専念し、逆に読みが当たって勝つ様であれば暫らくこの店で様子を見ようと。
今考えれば「アホ」としか言いようの無いものでした。
いよいよ開店時間となり、狙い台も無事確保。
運命の1ゲーム目。
ここでリセット(設定変更)されていなければ、その足で職安に行くつもりでした。
すると……。
《 《 《
ガクッ ガクッ ガクッ
》 》 》
リセットされている様です。
後は、上げを信じて回すのみ。
当時私は目押しには自信を持っており、もちろん小役は完全奪取。
リプレイハズシも2コマなんて余裕でしたので、保険ハズシは一切しませんでした。
その結果………。
+20K。
本当は一日+25Kをノルマにしていたのですが、まさかの8枚交換。
しかし、私が打った台は明らかに高設定。
私は状況を整理しました。
1.設定状況……良!
2.客層&客付……良!
3.設定の読みやすさ……良!
4.換金率……激低!
どうやら低換金率の為、高設定も入れ易く、ライバルも少ない模様。
「これは、イケるかも…。」と思い、その日は閉店チェックをし帰宅。
翌日、今度はリセットの頻度を調べようと昨日と同じ台に着席。
すると……。
↓ ↓ ↓
スー スー スー
↓ ↓ ↓
据え置き濃厚です。
結局その日は、ノルマに達した時点で打つのをヤメて帰宅。
この2日間で、かなりの手ごたえを感じました。
それからは順調そのもの。
角2の台をハズしても、リールの『ガックン』さえチェックすれば良かったですし、通うにつれ、店のクセがつかめてきたからです。
しかし、『好事魔多し』とは昔の人はよく言った物で、ある日パチンコの新台入れ替えがあり、その日を境にパチスロは全台7揃いに変わってしまいました。
これでは『ガックン』が使えません。
しかし、その時私は『ガックン』が使えなくなる事を想定していて、別の対策を施していました。
その対策とは………。
『クロスカウンター打法』です。
「引っ張ってそれかよ!」なんて声が聞こえそうですが、これが当時は効果バツグンでした。
ご存じでは無い方のために、念の為手順を紹介します。
1.翌日の狙い台を、変則打ちで小役を全て取りこぼす。
2.1を4〜50G続ける。
以上です。
『HANABI』には「小役カウンター」なる物が搭載されていて、それを利用した判別法です。
翌日、小役がポコポコ落ちれば据え置き、小役が落ちなければリセットとなるワケです。
『ガックン』よりは手間もかかり、効率も悪いのですが、それでも十分ノルマをこなす事ができました。
パチスロで勝つ人間とは、地味な作業を毎日淡々とこなせる人間だと言う事を、この時学んだのです。
それから数日経ったある日、再び『魔』がやってきました。
私の座っているイスに、誰かがぶつかる頻度が増してきたのです。
私も最初の内は、「偶然ぶつかったのだろう」と、気にもしていませんでした。
しかし、さらに頻度が増してきた為注意していると、明らかに同じ人物がぶつかってきます。
最初のうちは一人だけでしたが、日を追う毎に増え、三人にまで達しました。
良くみると、ほぼ毎日見掛ける顔ばかり。
歳の頃は30代と思われる「常連客グループ」です。
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