[2]ビタのパチスロ昔話〜ノリ打ち編【後編】〜 [ 2015/11/15 ] |
その席で、男性はMと名乗りました。
私達も軽く自己紹介。
M 「なんでも好きなん注文しぃや。」
私&O 「はぁ…。」
その後、暫らくは食べたり飲んだり。
少しお酒が回ったのか、Oがしびれを切らし尋ねました。
O 「Mさん、話って何ですか?」
M 「おぉ〜、そうやったな。 実は自分らに頼みがあってな。」
この時、私は「ヤバイ事言ってくるんじゃ…。」と、イヤな予感がしたのですが、Mから出てきたのは意外な言葉でした。
M 「自分ら、今日H店でコイン分けてモーニング狙ってたやろ?」
O 「は、はい…。」
M 「それ、俺も入れてくれへんか?」
私 「えぇっ!?」
M 「開店前に並んでる時チラッと聞いてんけど、そのやり方、絶対負けへんやん。」
O 「まぁ……。」
M 「だから、それに俺も入れてくれへん? 人数が多い方が効率はえ〜やろ。」
O 「…確かに…。」
私 「………。」
M 「O君はモーニング入ってる場所、大体分かってるみたいやし。」
私 「えっ! そうなんですか!?」
M 「普通分かれへん人は、ビタ君みたいに次の台に移動する時、隣か一番近い朝イチ台に移動するやろ?」
私 「そうですね。」
M 「けど、O君はバラバラに移動しててん。」
私 「マジで…。」
と、Oの方を見ます。
Oの話では、50台設置中モーニングが仕込まれている台数は5〜6台。
この2日間共に、モーニング狙いの人数は私達を含め同じく5〜6人。
一人あたり1台のモーニングを獲得できる計算です。
その中でOはたった2日間のみとはいえ、複数のモーニングを獲得していたのですから、私には読めているとしか思えませんでした。
O 「そんな事ないで、あの辺に入ってそうやな〜って、テキトーに移動してるだけや。」
M 「そのテキトーが当ってるねん。」
私 「そういや今日3台も取ってたな。」
O 「たまたまや。」
M 「そのテキトーでいいから、俺とビタ君に教えてくれたら効率はかなり良くなるんとちゃう?」
O 「けど、外れる事も多いですよ。」
M 「それやったら、なおさら人数が多い方がえぇやろ? だから俺も入れてくれへん?」
Mと名乗る男性の目的は、私達との『ノリ打ち』だったのです。
確かに人数は多い方が、より多くの朝イチ台を回せる訳ですから、複数のモーニングを取れる確率は上がります。
しかも、投資金額は1000円のまま。
仮に騙されたとしても、その被害は1000円で済みますので、私は悪く無いと思いました。
M 「実は俺、開店プロ(注)みたいな事やってて、新装開店の情報とかも教えるから。」
(注)
開店プロ=当時の新装開店は、全台大解放の『お祭り』状態。
その為、釘読み技術等があまり必要のない新装開店のみを狙う人達をこう呼んだ。
技術は必要ないが、情報収集力は飛びぬけて必要となる。
〜Vitapediaより抜粋〜
私 「どうする?」
O 「………。」
M 「次は俺が1000円出すから。」
O 「う〜〜〜ん。」
私 「とりあえず、1回だけやってみる?」
O 「…そうやな。」
M 「おぉ〜ありがとう。 で、明日イケるか?」
私 「明日は休みやから大丈夫です。」
O 「俺も大丈夫です。」
M 「よっしゃ! 明日は確か12時開店やったな。 じゃぁ11時集合で。」
私 「えぇ〜? あの店やったら10分前で大丈夫ちゃいます?」
M 「まぁ今日を見る限りやったら……。 それじゃぁ30分前で。」
私&O 「分かりました。」
と、この日は解散となりました。
〜翌日〜
私は約束の時間より少し早くH店に到着。
そこにはOの姿がありましたが、Mはまだ来ていない様子。
私はOの元へ向かい、昨日少し疑問に思った事を尋ねました。
私 「モーニング入ってる場所、ホンマに読めるん?」
O 「いや、ホンマになんとな〜くやで。」
私 「へぇ〜、そうなんや! すごいな…。」
O 「けど、昨日も言った様に外れる事も多いし…。」
私 「ふ〜ん。」
そうこうしている内にMがやってきました。
私達はOからモーニングが入りそうな場所を聞き、開店と同時にその台を目指します。
その結果、私は見事1台目でモーニングをGET。
OとMは共に3台目でGET。
この日は、私とOが共に2台のモーニングを。
Mが1台のモーニングをGETと、計5台ものモーニングを取る事ができました。
これって凄い事だと思いませんか?
H店に入っているモーニングは通常営業時で5〜6台。
この日は新装開店2日目という事で、普段よりも多めにモーニングが仕込まれていたと思います。
が、そこは超ボッタ店。
多めと言っても1〜2台でしょう。
その中で5台ものモーニングを取れるとは…。
いくら超ボッタ店でライバルが極端に少ないとはいえ、Oの読みはかなりの精度だったと思います。
それに、なぜか私達以外は借りた1000円分のコインを全て消化してから台移動をしていました。
一般的なハウスルールが浸透していて、H店独特のハウスルールを理解している客が少なかったのも要因の一つだった思います。
ですが問題はこの後。
時間はまだ午後1時前でしたので、時間はタップリあります。
Oも私もこの後、テキトーな台をテキトーに打ち、負けて帰っていました。
この日もお互いこのまま帰るなんて選択肢はありません。
私達がMに別れを告げ、振り向いた時です。
Mが私達に声を掛けてきました。
M 「おい! 自分ら、これからどっか行くんか?」
私 「いえ、特に決めてないですけど…。」
M 「そうか、それじゃあこれから飲みに行かへんか?」
私 「!!!!!」
O 「えぇ〜? まだ昼過ぎですよ。」
M 「時間なんてえ〜やんけ、勝った分でチョイ飲みしようや。」
私 「い〜ですねぇ、行きましょう。」
O 「マジで!?」
M 「よっしゃ! 行こ行こ。」
この時、Oはイヤそうな顔で私に「なんでやねん!?」と、尋ねてきます。
私 「まぁ、えぇやん。 テキトーに打ちに行って負けるよりかは全然いいやろ?」
O 「…そうやけども。」
と、Oも諦めた様子でした。
ここで皆様は「え〜若いモンが昼間っから酒なんて…。」と、お思いでしょう。
私もそう思います。(笑)
ですが、この時私は嬉しくてたまりませんでした。
その理由は、当時私が大好きだった田山幸憲氏の日記そのもの。
氏も打てる台が無くなると、例え何時であろうと飲みに行っていたのです。
私も田山氏と同じ事が出来ると興奮していました。
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