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回胴小噺



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最近の業界の動きを徒然に [2017/2/20(月)]

皆さん、こんにちは。

まずはアレですね。
挨拶もそこそこに。
この場を借りてお詫びから。

「一宮は名古屋じゃねぇ!」と思われた、一宮市民の皆さん。

ごめんなさい。
そうです。

前回記事で思い切り「in 名古屋」って書いている愚か者の三七です。
大変失礼いたしました。

パルサーくんが記事中に書いていた「東海連打」が正しい書き方ですね、もしくは「愛知連打」。

なんか、二見さんが選別したってだけで、名古屋だなぁなんて思っていましたけど、一宮を名古屋と「一緒くた」にするってね…。
違うわなぁと思いましてね。

この場を借りて深くお詫び申し上げます。


というわけで、早速ではございますが、本日のテーマと参りましょう。

とは言ってもですねぇ…。
正直、まとまりませんでね。

サクラを募集していた大阪のホール店長の問題なんかは、掘り下げたところで、すでにサクラを募集していた店長は解雇されていますし。
それに風営法違反というわけでもないですし、掘り下げにくいんですよね。
ある意味、当該ホールも被害者ですしね。
いや、もちろん従業員教育責任というものはついて回る前提ですけど。

というわけで、今週は2本立て。
「ぱちんこハーデスの販売中止問題」と、今週も続報となります「広告宣伝規制」について掘り下げてまいりましょう。

 


【ぱちんこハーデスの販売中止問題の詳報】
まぁ、結果的に「プレスリリース」を出した後に販売中止になっているので、一度は保通協の検定を通っていると考えれば、「販売自粛」が正しい言い方かもしれない。
販売予定にあがっていたユニバーサル(販売名義はメーシー)のハーデスのぱちんこバージョンが販売中止となったのだ。
(※正式名称は異なるが公表前の販売中止なので、「ハーデスのぱちんこバージョン」で統一させていただく。)

事の経緯を時系列で追っていくとこうなる。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
■1月23日
プレスリリース(記者発表会)同日のプレス発表では、試打やスペックの詳細は不明。
この発表以降、ユーチューブ等でハーデスの「ティザー広告」があがるようになる。

■1月27日
このティザー広告の内容に疑義を持った保安課から、メーシー販売幹部をお呼び出し。
もちろん、日工組も知ることとなる。

■2月2日
ことを穏便にすませるために、今回は発売を中止することになる。
案内の流れとしては、日工組からの技術上の規格の問題として指摘。
その結果を受けての販売中止、ということになる。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

では、その問題となった「技術上の規格」は何だったのか?

ざっくり言ってしまえば、設計上、最大払い出し個数を超える出玉を得られる可能性を有していたということになる。

今現在、認められている最大払い出し個数は「2400個(16R×10c×15個)」となっているが、それを超える払い出し個数を得ている(ように見える)ティザー広告があがってしまっていたことが問題となったのだ。

現状、風営法で定められている技術上の規格は、「おおむね10cを超えない」となっているが、今回のハーデスのぱちんこバージョンに関して言えば、それを超える入賞が起こる「可能性」があることをプロモーションの段階で謳っていたのだ。

警察庁が問題視したのは、想像するにそこ。
「一度の大当たりで獲得できる個数を最大値以上にするって何これ?舐めてんの?」ということだろう。

ここからは公表されていないので、聞いた話、調べて得た部分でしか書けないので想像の域を超えないが・・・

ハーデスと聞いて想像しうるに、まずは「ジャッジメント」だろう。
それを「ランクアップ形式」にし、そこで得られるラウンド数を決定。
その時のアタッカーの開放タイミングを見定めて、球を打ち出すことにより、「オーバー入賞」が可能になる設計だったのではとわたしは推察している。

もし世に出ているようなことになれば、ガリバーくんにとっては垂涎もののぱちんこになったであろう。
「ハーデスうまっwww」となっているのが目に浮かぶ。

正直、ティザー広告にまで目を付けた警察庁に驚きを隠せない。
市場に出ても、おそらく10人が10人その「うまみ」には気づかなかったような性能だと個人的には思う。
はっきり言って「技術介入性」において、もはやそこまでシビアに打っている人間が多い遊技人口ではないからだ。

別にメーカーをフォローしたいというわけではないが、一応記しておくと、今回のぱちんこハーデス、「保通協の試験は通っている」のだ。
何ならプレスまで出しているのだから、公安委員会の認定も取れている状態。
要は、販売していいですよというお墨付きはいただいていたわけだ。

それが、広告の作り方で販売を差し止める必要があったのだから、こればかりはメーカーのミスであろうとは思う。

だがしかし…。

オーバー入賞を強調するようなアタッカー設計にしているのは、何も今回のユニバーサルが初めてではない。
他のメーカーでもやっていることでもある。

ただ、そこに関してはぱちんこの遊技の特性上致し方ない部分であるし、だから技術上の規格も「おおむね」とわざわざ言ってあるのだ。

そのオーバー入賞をことさらに強調してしまっては、今回のような事態になりうるということが表ざたになったということ。
要はここでも、「射幸心の煽り」が問題視された格好。

今回のケースを受けて、もしかしたら保通協の試験において、アタッカー入賞割合を細かくみられるケースが起きるかもしれない。
さらに言えば、現在は遊技くぎの状態は試験持ち込み時とイコールである、すなわちホールにて調整は行われていないものとされているわけであるから、余計に神経質になる必要があるかもしれない。

とまぁ、これら想像の域を出ない話ではあるが、今回はユニバーサルが日工組の為の人柱になったのだろうなぁというのが個人的な感想。
特に日工組に恩を売って得をすることもないが、警察庁からの指導があったとはいえ、日工組からの通達で販売中止にしたというところがコトを大きくしないようにしたと考えれば、それはユニバーサルの英断だったなぁと勝手に思っておくこととする。

 


【広告宣伝規制の余波。群馬県警の暴走とパトランプ撤去要請】
ここのところ毎度書いている、広告宣伝規制での営業停止や指示処分の乱発について。

前回記事で、全国展開の兆しと書かせていただいたが、この2週間の間に滋賀・群馬・福島で各監督庁から指導が入った。

滋賀の件については「命くぎのピッチ」の問題であったので、ここでさらにフォーカスするほどのことでもない。
問題は、群馬と福島だ。

まずは、群馬県。
ここにきて、ホールに対する態度が硬化してきている。
いや、元々甘い地域ではないそうだが、それにしても顕著になってきている。
変更申請(=新台入替)に際して、諸元表ゲージ(メーカー発表数値)通りのゲージになっていなければ、新台入替させないという事態が起きているのだ。

これだけなら、ここ最近の方向性通りの物言いなのかと推察もできるが、事ここに至って、群馬県警下の各所轄はそのゲージを図るために市販のゲージ確認の器具を所持し、ホールにてそのゲージを確認し、さらにもし、一度でも諸元表のゲージと違っていれば、ホールに諸元表通りに釘を叩かせているというのだ。

そもそもこれまでの遊技くぎの問題は、「保通協申請ゲージと市場ゲージが違う」=「警察の目を盗んでメーカーもホールも射幸性をあげる遊技機に『無承認改造』している」というところに問題があった。
しかし、その問題になったくぎを元に戻させるために叩かせているというのだから、業界の管轄上位庁としての警察は苦しい。

ぱちんこに関して言えば、そもそもが叩く必要のない方向にもっていきたいのが警察庁の狙い。
それを、諸元表と違うのだからという理由で釘を叩かせているのだから、「釘は変わりますよ」と言っているようなものだ。

もちろん、諸元表通りになっていないのだから、「変更申請を認めない」というのは立ち合いを行う所轄からしたら正論。
しかし、その後の打ち直しまではどう考えても勇み足だろう。

しかもこれ、起きたことはいちいち全部警察庁保安課に話を上げるというのだから、群馬県警の鼻息の荒さが見て取れる。

そして、福島のケース。
こちらは、福島県遊協から派出された文書が絶句ものだ。

内容としては、「店内パトランプの撤去」と「そのパトランプを設置した理由説明の提出」を福島県警から求められたということだ。

県遊協から派出されたということは、遊協加盟ホールについてはすべてパトランプの撤去とその理由説明をしなくてはならないということ。
もし要請に応じない場合は、「営業停止命令」まで下されるというのだから、まぁ厳しい。

今時分パトランプなんて、ジャグラーの「GoGoランプ」と接続させているところも星の数ほどある。
それを全撤去なのだ。

なんで今更こんなことを言ってきたかというと、当コラム「第45回」で触れた品川区のホールの影響。
そのホールがやっていた「ランプ台をロック」なんていうこれ見よがしなパトランプの使い方があったものだから、そもそもパトランプなんてつけているからいけないのだ、ということになり、ならば、速やかに撤去、さらに設置していた理由も提出となったわけだ。
おそらく、福島県下のホールからしたら寝耳に水の内容だろう。

パトランプをなくすことが、それそのまま射幸心の抑制になると思っているのならば、適正な広告宣伝の緩和が行われるのは遠い話かもしれないなぁとがっかりしてしまう。

群馬のケースにしても福島のケースにしても、所轄の言い分としては「疑われるようなことはするな」が本音だろう。
しかし、こんなケースまで取りざたされる広告宣伝規制の「法的根拠」をきちんと明確にしてから、改めて運用すべきだろうと憂慮したところで、この稿はここまでとしよう。

 


【終わりに】
これ書いていて思い出したんですけども。

この原稿がサイトに載る数日前に、仕事で千葉の方に行ったんですね。
そしたら、いつも通るホールっていつ通っても「メーカー」やら「販社」から届いた大きな「花輪」が飾ってあったんですよ、ずらーっと。
別に毎週毎週グランドオープンでもないのに。

なんですけど、先週通ったときはその花輪全部なくなってたんですね。
もしかしたら、そういう装飾物とかも「射幸心」の対象になっているのかもしれませんねぇ…。
別にそんな花輪があるからって、行く行かないの指標にはならないと思いますけどね…。

ちょっと意味は違いますけど、この業界って昔は「ブラックスワン」ばっかりだったわけですよね?
逆に、普通の白鳥の方が珍しいみたいな。
そんな業界だったと思うんです。

で、今は白に「なろうとしている」最中なんですよ。
だから、グレーなのも致し方なしだとは思うんですけど。

なんでもかんでも規制の網にかけていくのはいかがなものなんでしょうね…。

この息苦しさが、強いてはエンドユーザーにまで波及しているような、そんなせつない気持ちになったところでお時間です。
お目通しありがとうございました。



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