残暑お見舞い申し上げます。 23回目の登場、春川亭三七です。 とうとう、個人的な節目を迎えることが出来ました。 今回のコラムにて、花火氏から続く業界コラム枠の連載が通算100回目を迎えることと相成りました。 そもそものお話ですが、まったくもって毛色の違う業界コラムでありながら、こうして書く場を与えていただけている状況には感謝の言葉しかありません。 読者の皆様にも。管理人様にも。 厳しいお言葉も頂戴していますし、ありがたいお言葉も頂戴しております。 すべてをひっくるめて自身の血肉とし、今後のコラムに展開していければと思います。 今後ともよろしくお願いいたします。 さて。 記念すべき通算100回目なのに、暗い話題になっています。 お盆休み前にネット上で噂の上がった「タイヨーエレックの解散騒動」。 こちらの真偽について、裏が取れましたので、お知らせさせていただきます。 「わざわざ、なんで貴様が!?」と思う方もいらっしゃろうかと思いますので、まずはそちらのお話から。 結論から言いますと、まず今回の騒動は「解散」ではありません。 「解体」からの「事業集約」というのが正しい言い方でしょう。 つまり、タイヨーエレックというブランドは残るわけで、今後もセガサミーグループの一ブランドとして機械をリリースしていくことを前提にした「解体」であり、「タイヨーエレック」自体が存在をなくすわけではないので、今回のことでセガサミーグループから公式発表は行われないのです。 というわけで、余計なお世話よろしく、こちらのコラムにて「事の真相」と「解体→集約に至った経緯」をお話させていただければなと思います。 【解散と騒がれてしまったわけ】 今回、実際問題としてタイヨーエレックに出向していたサミー所属社員にとっても「寝耳に水」の騒動になったのには、もちろん理由があります。 4月に報道のありました「マルホン工業の民事再生」と「奥村遊機の倒産」報道が起因しています。 マルホンにしても奥村にしても、共通しているのが、突然起きた「社長講話が今週あるらしい」という通達でした。 一般的に社長講話というのは、「期初や期末」とか「長期の休暇前」とかに行われるのが普通です。 それが何の前触れもなく発表され、その内容が「民事再生や倒産」だった。 そして同様に今回の騒動でも、タイヨーエレック社内で「本日の午後に社長講話があります。」とアナウンスされたのが8月3日の事でした。 通例であれば8月7日の長期休暇直前に行われていたものが、8月3日となったのです。 この時点で、「普通の講話じゃないな…。」となったのは想像に難しくありません。 そして、突然の講話があったとメーカーと付き合いの深い取引先に伝わり、「マルホン・奥村」の事もあったので、「突然の講話→ネガティブな何か→解散!?」といった印象になり、それが、取引先からホール関係者からなにから諸々に伝言ゲーム的に「尾ひれ背びれ」がついて、「タイヨーエレック解散!全社員解雇へ!」と噂話だけで先行して話が大きくなっていったのが実情です。 「マルホン・奥村」のネガティブインパクトの背景が、タイヨーエレックの噂を大きくしてしまったと言えます。 これまでサミーグループの名古屋拠点として、サミー本体と並行して開発に従事していたタイヨーエレック。 今回の騒動に至るまでにも、何度もこういう話があがっていたのも事実です。 「いつかは『マルホン・奥村』のようなことになる」と。 しかしその都度、サミーの動きからその悪い噂は黙殺されてきました。 では、このタイミングで解体に向かわせた理由は何なのでしょうか? 【サミーがタイヨーエレックに期待したこと】 まず解体に至った理由の前に、サミーがタイヨーエレックに投資して期待したことはなんなのかを簡単に説明しておきましょう。 以前の「マルホン・奥村」の報道の時にも軽く触れましたが、基本的に名古屋地区のメーカーというのは、名古屋地区の外注のみで「企画→設計→開発→量産」を完結させる傾向にあります。 企画の段階から外注に依頼し、メーカー社内で評価。 そして問題があれば、それをフィードバックしてまた外注展開。 問題がなければ、設計へ。 その設計もまた外注展開。 ・・・と、基本的に「メーカー」としてすべきことは「量産へ向けた評価のみ」というのが実情です。 それ自体が悪だとは言いませんが、それではメーカーに「知識」や「技術」としての財産は残らないようになってしまいます。 メーカーの代わりにそれを代行する会社が、名古屋地区には多数存在しますから。 それを良しとしなかったのが、関東メーカーの「ユニバーサル」であり、「大都技研」であり、そして「セガサミーグループ」です。 これらの大手関東メーカーは、基本的なベースの設計は社内にて行っています。 例として「大都技研」の「ぱちんこ・吉宗」をあげておきましょう。 「吉宗」のぱちんこ枠の設計は、「社内設計」のはずです。 ン億というお金をかけて、あの筐体のベースを社内にて展開したのは感嘆の一言です。 対して、「サンセイR&D」の「牙狼〜金色〜」は外注設計です。 あのデータランプ隠しちゃう顔が出てくるやつですね。 ああいうのを作ってメーカーに持ってくる会社が、名古屋には大小合わせてたくさん存在します。 話を戻します。 何から何までの外注展開を良しとしなかったセガサミーグループは、長い目でグループとしてのタイヨーエレックを、中から改善しようと試みたわけです。 そのために、定期的にサミー本体から人を出向させ、タイヨーエレックの意識改革と構造改革を行っていたのです。 社内設計から始まる開発を名古屋でもできるように、人を通して「知恵」と「技術」を広く展開していたわけです。 筐体面は一緒でも、東京・サミーとは違う色をタイヨーエレックで出す。 北斗の拳に依存するだけではない、サミーの柱を作ろうと投資し続けていたわけです。 実際問題、昨年までは「製造ライン」のあり方を改善し、購買機能を東京に集約し、生産においてのコストダウンや製造の効率化をかなりのレベルで向上させてきました。 そして、今年からは「開発レベルの向上」が目標でした。 その矢先の「解体」の運び・・・。 諸々の状況を考慮しての判断かとは思いますが、きっかけとなったのはサミー本体としての四半期決算・遊技機事業の減収報告でしょう。 【サミー本体としての苦悩】 今期(4月以降)に入ってから、サミーのブランドにて出されたものはぱちんこの小ロットタイトルのみで、パチスロに関しては1タイトルも出せていません。 申請ありきの事業ゆえ、計画通りに進まないのはいかんともしがたいことですが、それが故の開発事業集約です。 サミーは言わずもがな、業界においてはトップグループに属する上場企業。 なので、赤字計上のまま「北斗をリリースするから上期(4月〜9月)は大丈夫でしょ?」と言えない。 数字をあげるために「何か」を改善する方向に向かわないといけないわけです。 そうなると、「不採算事業」を縮小し、集約する方向に持っていかなくてはならない。 昨年度「セガ」の縮小を発表した以上、他のグループに対しての示しをつける意味でもこうした忸怩たる思いを抱えて、グループ解体に向かう必要があったと。 そして、なんとも皮肉なことですが、この解散報道直前にエレック製番がいくつか検定通過を受けることになりました。 ●ぱちんこ「ペルソナ4」 ●パチスロ「龍が如くof the end」 ●パチスロ「銀と金」 他にもガメラの甘デジなど、スペック替えのエレック名義のものがいくつか販売を予定されています。 そして、その結果として「希望退職者」に対してある程度の「早期退職手当」を出せることになりました。 ここが、「マルホンや奥村」とは決定的に違うところです。 どうにもならなくなってからどうにかするのではなく、最低限できることをやれる状況での決断。 せめてもの上場企業としての努力を見せたのではないでしょうか? このようなことから、解体→集約に向かう運びとなってしまいました。 今後の開発においては名古屋→池袋、製造においては瀬戸工場→川越工場となるようです。 なので、今後は製番の違いは申請の合否に依存するのではないでしょうか? これまでの「サミーの別ブランドとしてのタイヨーエレック」の色はなくなってしまうのだろうなぁと思うと物悲しくもなります…。 【縮小傾向の業界の未来は?】 タイヨーエレックの解体騒動と時を同じくして、「SNKプレイモア」も中国のソフト開発会社に買収されました。 ゲームのソフト企業に買収されたという事は・・・。 おそらく「SNK」もパチスロ事業からは遅かれ早かれ撤退するでしょう。 回顧主義に依存していては進歩はないかとは思いますが、4号機初頭からパチスロを打ち始めた私ですらさみしく思う状況は、もっと前から知っている人からしたら、より一層の哀愁を感じるのではないでしょうか? これまで行政は、「メーカー」に対して「遊技機」としての性能に関しての規制を強めてきました。 何度も言っていることですが、それはメーカーが「売れるから」という大義名分のもと調子に乗ってきたツケを払わされているわけです。 極端な話、法令を遵守していればこんなことにはなっていないわけですから。 しかし、今後あるべき姿を取り戻すためには、「提供」する側の性能だけではなく、「運用」する側の「あり方」も同時に見直すべきではないでしょうか? 某大型チェーンから始まった「一物一価」という交換方法。 運用側からすれば、それが結局大きな足かせになっているように見えて仕方ありません。 「運用」のあり方を精査した上での、メーカーとしてのスペックの決定があるわけです。 ある開発者が言っていました。 「等価の現状じゃ、ぱちんこの釘にしてもパチスロのスペックにしてもあれ以上やりようがない」と。 今後、行政からぱちんこ・パチスロ業界に「アメ」を与えられる機会があるとすれば、そのキーポイントとなるのは、「ぱちんこのMAX機規制」と「パチスロの5.5号機時代」に他なりません。 行政が求める基準での運用方法においてそれが市場に受け入れられれば、それは業界の活性化につながるはずです。 その時にまた「外資系」なり「メーカー子会社」なりが帰ってきてくれることを期待したいと思います。 といったところでお時間です。 ご拝読ありがとうございました。 【 回胴小噺 】 メニューへ
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