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【回胴小噺_楽屋裏】 第2回



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あの頃、あなたは若かった…_『だくだく/書割盗人(かきわりぬすと)』にのせて

読者皆様方のあたたかいご声援を受けまして、2度目の掲載の運びとなりました。
春川亭三七@楽屋裏でございます。

名古屋の訪問を落語の演目の「五人廻し」のサゲにひっかけて、お送りさせていただきましたが、上々の評判をいただきまして、大変ありがたく思っております。
ありがとうございました。

一点だけ、補足として。
「五人廻しってなんじゃらほい?」って方のために、簡単に五人廻しをご紹介させていただければと思います。


*********

■五人廻し
関東の遊郭には、「廻し」という制度がありましてね。
要は、一晩に何人ものお客を抱えて、時間で回っていくっていうのがその語源なわけですが。

とある日、5人ものお客さんを抱えた花魁がいたもので、間に立った牛太郎さん(お客に花魁をつけ届ける人。今のキャバクラでいうところの黒服さん。)はなかなか花魁が回ってこないお客に文句を言われてしまい、てんてこ舞い。

その時、花魁はなにをしていたかというと、一番金回りのいいお客さんにべったりなわけですが、その「5人目」のお客さんも田舎者で全然「乙」じゃないもので、てんで面白くない。
でも、金回りだけはいいわけですから、そのお客さん、「残りの4人に金払ってやるから帰しちまえ」というわけです。

そのお金を払っている様を見て、花魁がその金回りのいいお客に「わたしにもおあし(=お金)くださいな。」とおねだりします。

なんで、一緒にいる花魁にあげなきゃいけねんだとは思いながらも、お金をあげるお客さん。

花魁はそのいただいたお金をまんまそのお客に返して、

「お前さんにもお金を返すから、ぼちぼちあんさんも帰っておくれ」

*********


ってところで話がオチるんですな。

体よく二見さんから「うなぎ」をご馳走になったので、うなぎに体よく東京に返されてしまいました、というわけです。

前回、参照した落語の演目の解説を、今後も次回にて解説をつけさせていただこうと思います。

なんでって?
そしたら、次回の楽屋裏も見ないといけないでしょ?

今後も、是非ともご贔屓に。
よろしくお願いいたします。

 


さて・・・と・・・。
今週はどんなお話で皆様のご機嫌を伺うことといたしましょうか・・・。


以前、本舞台の「小噺」の方で、「業界の技術は昔に比べたら大きく進化している」なんて事を言わせていただいたことがあります。

パチスロにしてもパチンコにしても、それはそれは昔に比べたら多種多様な演出群・役物が見受けられる時代となりましたな。

ものが売れたら二匹目のどじょうを釣ろうと思うのはまぁ、人間の心理でございます。
1機種売れたら、そのベースになにを新たに加えるのか、はたまた削るのか・・・。
その結果が現在の液晶や役物だとしたら・・・

「加えるものと削るものを逆にしていたら、もっと遊技ってシンプルだったんじゃねーか」

なーんてことを考えちまうのは野暮ですかね?

今日は、そんなわたしが若かりし頃にあった、とあるぱちんこ名機のお話です。



いつ頃のことだったかちょっと覚えていませんが、確か、ぱちんこの法解釈が変わって確変が1回ループになったころの事だったと思います。

当時わたしは「大一商会」からでた「CRピンクレディ」ばかり打っていたように記憶しております。
あの、ステージに磁石のついた役物が球の動きに「遊び」を加えてくれましてね。

そして、純粋に事が起きるだけでアツかったステップアップ演出。
ステップ5まで行ったら、あとは「UFOリーチ」を祈るのみ!というね。

海には及ばずとも、シンプルなゲーム性が大好きでございました。

そんなピンクレディと確か同時期だったと思います。
違ったらごめんなさい。
まぁ、昔のお話ということでご容赦いただければと。

初めて見た時に、「なんじゃこりゃ!」「こんなことしていいのか?」ってな機能を搭載した機種が出てきましてね。

それがこちら。


CR笑点


CR笑点。
言わずもがなの、日本テレビ系列の長寿番組。

今は亡き5代目円楽を模した役物が「ステップ5」か何かで、ゲラゲラ笑うっていうね。
ハマりが深いときは実に不快な演出がありましたな。

ただ、今日紹介したかったのはそんな「円楽役物」ではなく、盤面の左下の部分。


CR笑点


これが、「タッチdeセンサー」とか何とかいって、変動をスキップできる代物だったんですな。

この台、平和から発売された機種だったと思うのですが、このCR笑点の前に1機種同機能を搭載した機種を出していたようですが、当時、わたくし自身はこういった機能を搭載したものをこの機種で初めて見ましてね。
いやぁビックリしましたよ。

液晶が黒地の白抜き画面になり、液晶の真ん中に、

「ボン」

とかなんとか・・・。
そんなのが出て、変動をキャンセルできるわけですな。

当たり前ですが、保留一個消化してですよ。
しかも、押すのではなくかざすだけでいいっていうね。

そのお気楽さも手伝って、来る日も来る日もポンポンポンポン…。
笑点を見つけて以降は、笑点ばかり打っていました。

当時の状況的に、等価交換で「20回転あれば優良店」とされていたものが、多少くぎがきつくてもスキップで時間効率を上げれば、1000円で25回転くらいは狙えた、そんな機種なので、思い出もひとしおなわけです、わたくし。


まぁ、「回ったから、面白いから」ってだけならほかにもお世話になった機種はたくさんあるわけですが、これにはもう一つ思い出深い身内話がありまして・・・。


まだ、若かりし頃、わたくしの母もたまーにぱちんこに興じることがありました。

母の場合、ぱちんこに関しては「好きな台を打つ」ってな感じでしてね。
ハマったらとことんなタイプですが、「今日は○円まで」とか決めたら、必要以上に熱くならないタイプでしてね。
ぱちんこに対する向き合い方としては実に模範的な方でした。

海物語か何かで大量に出玉得た時に、店側から「正面入り口に別積みさせていただいてよろしいですか?」と言われたのを「晩御飯の用意があるから、確変抜けたら帰るので邪魔なら流してください」っていうツワモノでした。
お茶目な方です。


そんな母ですから、たまに一緒に打ちに行くこともありましたし、わたしのバイトが午後からの時に、わたしが午前中から打ちいって、午後から母がその台を打つなんてことをしたりもしていました。

バイト終わりに覗いたら、なんか倍以上に出玉増やしていたりしてね。
お茶目な親子でしょ?


というように、母も嫌いじゃないわけですね、ぱちんこが。
なんなら好きなもので。

なので、前述の「CR笑点」も勧めたわけですよ。
面白い台が出たと。

わたしも当時はスキップがびっくりしたわけですから。
なにより、そのスキップ機能の事をアツく語っていたのでしょうな。
母も笑点打ったりしていたようです。

「ようです」というのはですね。
勧めたくせに、並んで打ったりしたことはなかったんですな。
わたしも無責任なもので。

しかも、CR笑点。
時間効率いいし、回るしってことで、多分店側が粗利取りにくかったんじゃないですかね?
途中から、くぎがギチギチにされていたような記憶があります。

「これじゃ、スキップ以前に保留がたまらんわい。」

なんて思ったもので、そもそも打てる期間が短かったってことなんだと思うんですがね。


で、そんなCR笑点が出てから、数年経って母と、「あの時のあの台は面白かった」とか、「昔はあーでこーで」とか、昔話に花を咲かせていた時にふとCR笑点の話になりましてね・・・

三七 「いやぁ、20回転前後、千円で回る時代にスキップ機能だからね、良い時代だったわ。」

母 「ほんとよね〜。 でも、あの台ってスキップって言っても、よくわからないわよね」

三七 「? いや、結構はっきりスキップ感出てなかった? 『ポン』て。」

母 「え〜? そんなことないわよ〜。 普通に変動早くなるだけじゃない?」

お気づきでしょうか?
ここで、なんとなくスキップに対して、話がかみ合わなくなってきます。

というわけで、母にどうやってスキップしていたのか確認してみることとしました。

母 「なんか、ほら。 台の左下のところでしょ? そこに『ここで、スキップ!』みたいなのがあったじゃない? そこ『押していたわよ』」

ん?
『ここでスキップ?』
しかも、『押す?』

どういうことだろう・・・。

と、ふと思い起こしてみると・・・

当時、スキップ機能のあるぱちんこ機なんて珍しいものですから、ポップで案内がついていたんですな。

なんて言うんですかね?
イメージ的にはこんな感じです。


おすすめ


こんな感じのポップが台についていたのです。
センサーの斜め上あたりに、「ここを押してね」ってな感じで。

まぁ、「おすすめ品」ではなく、「触ってね」とか、「手をかざしてね」とかだったと思いますが。

で、母はそのポップの紙がセンサーなのかと思ってそれを「押していた」ってことなんですな。

もう、相変わらずの天然ぷりに笑っちまったわけなんですが、こうして書いてみて思うのは、そんなポップを押していても「スキップ」できていたってことは、それだけ変動が早かったってことで、結局は回る台に座れていたってことなんだなぁと思うと大したものでしだと、今更ながら思うわけです。

でも、しかし・・・。

このCR笑点のスキップって、台の持つ機能のキモなわけですよ。
しょうもない、いわゆる信頼度「★☆☆☆☆」みたいなリーチ演出見せられることもなく、どうせハズレだ、と思ってキャンセルすると、通常画面に戻って「あっ。当たっている!」みたいなことがあったわけですよ。

要は、打ち手がキャンセルするであろうことを見越して台を設計されていたということですな。

そのキモの部分が本来できる形でできていなかったわけですからね。
気になるわけですよ。
息子としては。

三七 「で、面白かったわけ? できてなかったわけだけど。 結構キモの部分だよ?」

母 「ウン。 スキップがよくわからないなぁとは思っていたけど。 面白かったわよ。 でも、わたしとしては別に当時できてないと思ってないからいいのよ。 面白かったから。 ただ、押した、『つもり』なだけだけどね。」


といったところでお時間です。
お目汚し・・・

え?
そんな勝手に身内の話書いちゃっていいのかって?

まぁ、大丈夫じゃないですかね?
書いている私は、母から許可をとった、つもりですから。


お時間です。
お目汚し失礼いたしやした。



(C)NTV
(C)HEIWA



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