「人に歴史あり」という言葉があるように、どんな人間にも人生を彩る歴史が存在する。 もちろんそれは私にも当てはまるのだが、そのちっぽけな歴史を語る上で欠かすことのできないもの…それが私の場合「スロット」であった。 私の今に至るまでを、自己紹介も兼ねて簡単に語らせていただきたいと思う。 私とスロットの初めての出会いは、もう10年以上昔。 振り返ると、まさに輝かしい青春のど真ん中と言える大学1年生の頃だった。 そこには特別なドラマなどなく、友人の「簡単に勝てるから!」という最もありふれた誘い文句につられ、少ない軍資金を握りしめて怯えながら触ったのを今も覚えている。 デビュー戦の結果は、運良く勝利となったわけだが、今思えばこの日が私の運命を大きく変えた。 元々、熱くなりやすい博打好きの性分であったことに加え、無駄に研究熱心だったことが災いし、わずか数か月後には、私は解析バリバリの真面目系スロッターとして生まれ変わっていた。 そして、それは同時に、青春あふれる輝かしい大学生活が早々に終焉を迎えることを意味していた… それから5年… ちょうどスロット業界では大きな転機となる「5号機」が登場し始めた頃、私は通算6年目の大学生活に突入していた。 2度目の留年である。 社会の風当たりは、朝一からパチンコ屋に並ぶ人間にはひどく厳しい… もちろん私の両親は神仏の類ではないため、実家での立場は目も当てられない。 現実に目を向けざるを得ない状況に追いつめられ、私は卒業、そして就職へと向かうこととなる。 当たり前である… しかし困ったもので、スロットばかりやっていた人間に「なりたい職業は?」など、聞く方が野暮である。 日課のスロットを打ちながらぼけーっと考えた結果、ひとつの結論が出た。 「これだけスロットを打ってきたことだし、面白いスロットを作る開発者になろう!」 ひどく安易な考えで、私はスロットメーカーへの就職を決意した。 結果として、とあるメーカーから無事内定を貰い、開発者としての私の人生はスタートしたわけだが、こうして冷静に文字列に起こしてみると、私の人生のハンドル捌きは中々に適当で残念なものだと痛感せざるを得ない… しかしながら、もう10年近くこの業界で開発者としてやっていけているのも、ひとえにスロットが好きであったからこそであろう。 そういう意味では、案外いい選択だったのかもしれない。 さて、当コラムでは、(しがない)イチ開発者として、ちょっとした開発の裏話や業界話などをさせていただこうと思う。 また、皆さんにとってコラムの小話が高設定となれるよう願掛けし、私は設定六郎と名乗らせていただく。 狙うは、もちろん最高設定である。 では、長々と自己紹介が続いてしまったので本題に入ろう。 何をテーマにしようか迷ったものだが、第1回目ということで、キャッチーな話題である6号機について話していきたいと思う。 6号機については、すでにネットなどである程度情報が出回っている。 情報にある通り、かなり厳しい規則改正が入る見込みだ。 特に短時間での出玉規制が厳しく、AタイプのBIG300枚なんてことは当たり前の話であったが、今後はそれすらもできなくなる。 改正内容を簡単に言うと、「長い時間かけてダラダラ減らして、ダラダラ増やせ」ということだ。 最近の新基準機のダラダラとした出玉に嫌気のさしていたユーザーの中には、6号機に一縷の望みをかけていた方も当然いるだろうが、きっと絶望しているに違いない。 心中お察しする。 だが、一つ忘れないでほしい。 皆さんの絶望と同等か、それ以上に絶望している人間がいるのだ。 それが、我々メーカー開発者である。 正直苦しい。 控えめに言ってもひどくしんどい。 では、どう苦しいのか…? まぁ、業界の景気動向が直接影響するのが我々なので、苦しいのは当たり前と思われるかもしれない。 もちろんそうなのだが、それはあくまで会社としての話である。 イチ社員としての苦しさは、目の前の仕事に現れてくる。 自分の今作っている機械に影響が出るのだ… これが非常にやっかいだ。 機械の開発は普通1年以上かかるので、事態は深刻である。 それぞれのプロジェクトの開発状況に応じて、どのような苦悩が開発者にあるのかを説明していきたい。 ≪@開発終了直前のプロジェクト≫ 開発終了間際での規則改正は、一見他人事のように思える。 あとは規則改正前に型式申請試験さえ通ればよいだけなので、余裕に思えなくもない。 が、現実は違うのだ… このような状況になると、各メーカーが慌てて駆け込みで型式申請をしてくる。 なぜなら、今後出てくる機械は軒並みスペックが落ちるので、今の新基準機でも適合さえ取れれば売れるのである。 となれば、1機種でも多く機械を適合させておきたいと各メーカーが考えるのは当然だ。 この現象は、4号機から5号機への転換期にも全く同じことが起きており、本来はお蔵入り予定だった機械なんかも、ガンガン申請してきているはずだ。 お盆明けの現在、60件近く申請されているよう(通常であれば20〜30件程度)なので、まさにその通りの状況になっている。 この大渋滞に対し、どのように申請の順番が決まるかといえば、ズバリ抽選である。 この申請を突破できて、初めて型式試験を受ける権利が与えられる。 もちろんその後に控える型式試験とて、一発では中々受かるものではない。 この状況は、スロットで例えると、型式申請の抽選はCZの抽選にあたり、無事当選すれば型式試験というCZに挑戦することができる。 CZに中々当選できずにハマリ続けると、そのまま天井到達してお蔵入りなんてことも十分あり得るので、こうなるとプロジェクト側では祈ることしかできない。 実際、あまりにもヒキが悪いと本当にお参りしたりもする。 ≪A開発中盤のプロジェクト≫ 間に合わせるために盛大な期間短縮を行うケースが多い。 この状況では、休みはあってないに等しい。 苦しいマラソンの始まりである。 ただし、間に合ったとしてもその弊害がある可能性は十分ある。 例えば期間が足りない分、作りこみなどに手が行き届かないことも多く、後悔が残るケースなどがある。 開発者として製品を出す以上、稼働しなくてもいいと考えている人間はいないので、精一杯作りこめないのはかなり悔しいのだ。 一方、完全に間に合わないと判断しての撤退も苦しい。 ここまで良いと思って作ってきたものを、別のスペックに作り直さなくてはならない。 さらに、映像は作るのに一番時間とお金がかかるため、スペックが変わるからといって簡単に作り直せない。 そのため、演出を、本来予定してない使い方をしたりしなければならなくなる。 ちょっと前に新基準に切り替わった際に、打っていて「この台、なんでAT機で作らないんだよ!」と感じたなら、実はAT機で途中まで作っていた可能性が高いだろう。 私は打ちながら、そのような台を何台も発見してしまい、密かに涙したものだ… どちらにしろ、飲みに行ったときに盛大にグチっぽくなってしまうのがこのケースだ。 ≪B開発序盤のプロジェクト≫ 完全に路頭に迷う状況である。 基本、プロジェクトは一旦停止する。 4号機から5号機の時もそうだが、やはりシステムにあたりをつけるまでは時間がかかる。 というのも、正直今の段階では何ができるのかサッパリなのである。 しばらくは、各メーカー探り探りといったところであろう。 ポジティブに捉えれば、新システムを開発するチャンスではあるが、ネガティブに言うと出口の見えないトンネルでもある。 …とまあ、簡単に3つほど説明させていただいたが、このような状況である。 どの段階にいたとしても、やはり規則改正は中々に頭が痛い。 苦しいのは打ち手だけではないのである。 我々も頑張るので、皆さんもどうか懲りずにスロットを打って頂きたい。 今後6号機が出るまでにさまざまな機械が出てくると思うが、その際に、打っていてどうにも違和感があるようなことがあれば、今回のコラムを思い出し、ぜひプロジェクトがどんな状況で、開発者がどんな気持ちなのかに想像を巡らせてもらえば、ハマっている時のちょっとした暇つぶしになるかもしれない。 うん、ならないか… 以上で、今週のコラムは締めさせていただく。 もしもコラムで聞いてみたいことや質問などがあれば、ガンガン頂ければ答えていきたいと思う。 次回もよろしくお願いします。 【 メーカー開発者の独り言〜今宵もオフレコで〜 】 メニューへ
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