朝8:00。 とんでもない目覚ましの音に殴りつけられるように起きる。 煙草を手に取り、全ての支度を済ませる。 ラピュタのドーラさんに言いたい、40秒もかからんぞと。 ナイキのバスケットパンツにTシャツ、パーカーという戦闘服を身にまとい、お気に入りのAraiのフルヘルメットを被る。 Monsterのグローブを付け、ご機嫌なバイクにまたがってホールへと向かう。 駐輪場に着くと、いつものように真っ黒なCB400revoが止まっていて、こっちを向いてたたずむ男性。 顔なのか真っ黒クロスケなのか解らない程に髭が生えているけれど、これが剃ってから3日目だというから、この人の体の防衛本能はどうなっているんだろうか。 この人物こそが、僕をこの世界にひきずりこんだ先輩Aである。 二人で商店街沿いに朝から並んでいる。 平日は60人ほど、土日で100人ほど、旧イベントの日で250人ぐらい並ぶこの店に、週6日ぐらい並んでいた。 僕は初めの頃、朝のまぶしい太陽に照らされながら、出勤や登校の生徒たちからの冷たい視線、いや、むしろ見て見ぬふりをされるあの感じに、ややメンタルをやられていた。 「俺たちは日なたを歩いちゃいけないんだよ」 いつも、こんなことを考えながら抽選を迎えていた。 抽選は、左右の箱から選ぶシステム。 つまり、自分の番の時に右にも左にも一桁がないパターンもある、意味不明な抽選だった。 僕らはいつも右を選ぶ、何とかの一つ覚えのように。 抽選が終わったら二人でフレッシュネスバーガーに行き、開店時間を待った。 先輩とは年も離れているし、物凄い仲良しな訳ではなかった、と思う。 この黒い塊みたいな人は、オカルトを嫌った、超現実的な人だった。 座った台が6だと思ったら、まず否定的な要素を探せと教わった。 そして周りの台の見方や、この店のどんな所が強いのか、そんな事も教わった。 前回、「やるべき所でやる」をテーマにと言ったけれど、起源はこの真っ黒な塊だった。 「マジカルチャレンジはレア役を引くもので、バーなんて揃えてもしょうがない」 「選択式チャンスゾーン、一撃以外は選ぶな、レア役引けば勝てるから」 「お前なに選んでんの? 裏挑戦以外必要ないけど?」 「二択? 全部レア役ならそもそも選ぶ必要ないじゃん」 僕にとっては名言としか思えない言葉を言い放つこの男は、顔も良いけど、男らしかった。 そんな「ただ引けばいい主義」。 …養分じゃん。 いつも勝てるわけないじゃん。 きもい。 うざい。 そんな風に思う読者の方々も多いだろう。 ぼくは、いつも目の前で繰り広げられる、この人のヒキに魅せられていた。 まさに、「夢」を見せてくれていた。 高設定らしき挙動の台に座ることが多く、しかもやれる、本当の夢をいつも見せてくれていた。 もちろん、低設定で大ハマリ連発して結果的にマイナスとなることもあった。 でも、ぼくはどこか「夢を見ることができる」パチスロにはまっていった。 先輩Aの背中を追いかけて、台が壊れるぐらいの引きをしてやろうと思う気持ちはどんどん大きくなっていった。 この人の隣りで、「引き」という名の美技に魅せられていた。 ただこの先輩は、絶対にノリウチをしなかった。 「自分のため以外に引きを使うな」 「金銭はトラブルになるし、いつもと違う行動をしかねない」 こうして、ほぼ毎日一緒にいるけれども、一度もノリウチをしたことはない。 「119%打とうよ、どうせなら」 いつも言っていた。 憧れの気持ちは、いつしかこの人に凄いと思ってもらいたい、僕がこの人に魅せられたように、この人を超えたいという気持ちになっていた。 「引き」は執念のようなものだと思う時がある。 勝ちたい執念と、投資がいくらになっても諦めない心がいつもドラマを生んでいた。 「ヒキなんて存在しないし、大きな確率の物をただ単に引いているだけ」 そう思う人が多いことは分かっている。 だがその一方で、僕は、確率と言う概念は収束しないと思っている。 もし、確率通りに小役やフラグが落ちたとしたら、スロットという遊技自体が面白くないし、ここまでのものにならなかったと思う。 ヒキ、という名称が正しいかもわからないが、異常な偏りが起きる事は実際にあり得る。 これが、逆に言えば「夢」の発生点だと思う。 いつしか先輩は、僕と一緒に打ちに行くことを楽しい、と言ってくれるようになった。 こんなに嬉しいことはなかった。 この頃から、決めるところでキッチリ決めてやるという思いが強くなった。 一度、どん底から這い上がるような勝ち方を収めると、この落差を上回るような展開で勝たないと満足できないような気持ちもあった。 こうして約3年間、毎日のようにこの人とホールに通った。 東京にもよく言った。 今思いだせば、本当に激動の時間だった。 短期間で連敗して泣きそうになったこともある。 それでも、どんな時も逆転できると思っていたし、この人のおかげで心が折れることは無かった。 年間で収支も上を向いた。 それよりも、1日1日が楽しかった。 「じゃあまた明日!」 勿論、ずっとこんな生活が続くことはないとわかっていた。 その日も、朝8:00。 いつもと同じように起きた。 でも、40秒で支度はできなかった。 なんとも、心が落ち着かない。 もたもたしつつも、いつものように抽選を引いた。 僕は1番を引いた、先輩は4番だった。 並びは120人程度。 幾度となく、コテンパンにされたまどマギを狙っていた。 3日間連続でへこんでいる角3の台。 おさえる。 気の入りようが違った。 いつもならガシガシぶん回しスタイルに入るのだが、1ゲーム1ゲーム、どこか急げない自分がいた。 時刻はお昼、投資は2万5千円、持ちメダルは500枚程度。 良い要素といえば、通常ART当選一回のみ。 僕は、こんなもんかと自分に絶望していた。 今日は自分の全部を出し切らなければいけないんだ。 もう執念にも近い。 こんな焦った気持ちになったのは、現役の選手としてスキーをしていた時以来だ。 迎えた本日8度目のマジカルチャレンジ。 カットイン1回目→外れる 弱チェリー→プラス1回 スイカ→枠がレインボー ケン 「んっ!!!!!」 これは! レア役解除扱いだろう! 0.01%か0.04%のどちらかの関門を潜り抜ける。 そしてエピソードボーナス1/3を引き当て、まどかボーナス! この達成感は、恐らく生涯超えることのできないものだろう。 このアルティメットが90連、万枚へとつながった。 正直な話、万枚達成も嬉しかったけれど、この「やってやった感」はどんな枚数よりも嬉しかった。 この特別な日に、ちゃんと展開できたことが、なによりだった。 まさに夢。 設定も恐らく良くない。 フリーズでもない、必要な小役はスイカ。 夢があるってのはこういう事だと、この時心から思った。 この日を最後に先輩は仕事が決まり、遠くへと旅立った。 引退してしまった。 最後の方、いつも言っていた。 「もう、夢見れないよ。 昔はよかったんだ。」 「ケンもあと十年早く生まれていたら、軽く車でも変えたんじゃない?」 そんなことないですよ、とは言えなかった。 そうですよね、も言わなかった。 次の日、一人で朝から並んで、終日打った。 心から湧いてくるあの気持ちはなく、抜け殻のように淡々と消化する僕がいた。 「ほらっ!」って見せることもないし、驚きや喜びを共有できないと、こんなにも楽しみは半減するものかと思っていた。 でも、いつまでも落ち込んではいられない。 「引き強魔人」になってやろう。 新基準機だろうが、5.5号機だろうが6号機だろうが、まだまだ夢が見れるって。 だからまた一緒に行きましょうって。 そう言えるように、レバーオン魔人になろうって。 これが、僕がパチスロを打ち続ける理由な訳なのです。 どこか、憑りつかれているレベルですが。 いや、なんの前触れもなくいきなりこんなことを語りだしてしまいすみません。 ここらでふと、自身のパチスロへ強い想いを読者様に伝えさせていただきたかったのと同時に、自分の中で再確認したかったということがございまして… そういったわけで、「パチスロはまだまだ捨てたもんじゃないんだぞ!」って伝えられるように、これからも頑張っていきたいと思います! 【 レバーで綴る夢日記 】 メニューへ
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