<とある飲み会にて> 専業スロッターA・Bの2人、一般の週一スロッターのC、そして私の4人で酒を飲んでいた時の事。 新基準機の是非が話題になりました。 C 「新基準機は好きになれないなぁ。 せっかくARTに入っても、ボーナス引けなきゃ全然出ないんだもん」 A 「純増枚数もあって2枚とかだから、出るまでに時間はかかるよね」 B 「確かにそういう面はあるけども、俺は新基準機もアリだと思うよ」 専業スロッター2人の意見が割れました。 AもBも、月に300kは当たり前の腕前を持った実力派。 どちらかの意見が一方的に正しい・間違っているという事はないはずです。 2人がどこに注目してそう言ったのか、話を進めていきます。 <出玉性能を決めるのは> お通しと一緒に運ばれてきたとりあえずのビールは、あっという間に半分以上なくなり…… B 「これは某立ち回り系マンガにも同じ事が書いてあったけど、パチスロの出玉性能は1Gあたりの純増枚数で決まる訳じゃないでしょ」 私 「Bが言っているのは、機械割が同じであれば、新基準機もそれ以前の台も差枚数は同じようになるはずだって事だね」 B 「ARTの純増枚数が少なければ、その分ゲーム数が多くなりやすい。 あるいはART初当たりまでの投資枚数が少ないといった形でバランスが取られているはずでしょ」 C 「だとしたら、機械割が同じであれば、新基準機でもそれ以前の台でも同じって事?」 B 「そういう事だけど、現状、新基準機の方が設定狙いのライバルが少ない分有利だと思うよ」 ゾーンを考慮しなければ、パチスロでいくら勝てる、あるいは負けるの期待値を左右するのは機械割に他なりません。 機械割が同じであれば、出玉性能は変わらないというBの主張ももっともです。 しかし、それに対してAから待ったの声がかかります。 A 「機械割が同じであれば出玉性能は変わらないというのは当然の事だけど、機械割が同じという前提がそもそも現状のホールでは成り立たないと思うよ」 私 「どういう事?」 A 「例えばゴッドの強い店で、ハーデスも凱旋も同じ確率で設定6が狙えるとしたらどっちに座る?」 C 「ハーデスの方が相性が良いかな」 A 「時給が1,500円も違うんだぞ。 俺なら設定6の機械割が高い方に座るよ」 ちなみに、ハーデスの設定6の機械割は116.3%、凱旋は119.5%。 A 「それはまどマギの強い店で、初代を打つか新基準を打つかでも同じで、新基準機に設定6の機械割が119%を超える台がない以上、絆や凱旋よりも優先して狙う理由はないでしょ」 確かに、新基準機の多くは設定6でも機械割が110%〜112%くらいです。 ポセイドンの設定6が116%なんて噂もあるにはありますが、あくまで噂に過ぎません。 C 「まだまだ絆やゴッドをメインに営業しているホールの方が多いし、Aの言う通り無理して新基準機を狙う事もないかもね」 私 「その分、絆は特にライバルが多いから、結局は、設定6をツモれる確率とツモった時の期待値を掛け算して、より期待値の大きい方を選んでいくって事になるんじゃない? Bの言う通り、新基準機の方がツモりやすさは上だと思うし」 二人のプロの意見の違いは、通っているホールの設定状況やライバル客の挙動によるところが大きいのでしょう。 期待値を計算した結果は違えど、ツモりやすさとツモった時のリターンで期待値を計算して、それが最大になるように行動すべきという点は全員一致でした。 <期待値を決めるもうひとつの概念> パチスロ馬鹿が4人も集まると、話はテンポ良く進んでいき次の話題へ。 私 「ハイエナ稼働という面では新基準機はどうかな?」 C 「新基準機の方は結構拾えるイメージだけど」 私 「新基準機の話が出始めた頃は、ノーマルタイプが主流になって、ゾーン狙いの概念もなくなるかもしれないなんて誤解もしたけどね(笑)」 A 「蓋を開けてみれば、まだまだ期待値稼働は続ける事が出来そうだね」 B 「特に劣化絆スペックの機種は、どこかしらにART抽選が優遇されているゾーンがあるから、それを如何にして他人より早く気が付くかで収支は大きく変わってくると思うよ」 劣化絆スペックとBが呼んでいるのは、リアルボーナスの確率が1/100前後で獲得枚数は50枚程度。 そのリアルボーナス時に抽選でARTに突入し出玉を増やすタイプの機種の事。 弱虫ペダルやジョーズ、狂竜戦線、エヴァ勝利などの機種がそれに当たります。 A 「確かに、モンハンのモードシステムはまんま絆だし、弱虫のゲーム数やジョーズの特別なスルー回数のカウント、勝利への願いのリセットも知っているか知らないかで全然違うね」 C 「そういう意味では、益々ライトユーザーには厳しい時代になったと?」 私 「一撃によるマグレ勝ちがしにくくなって、とにかく初当たりを積み重ねるしか勝ちへの道がなくなっていくと考えるとそうかもね」 A 「ハイエナという面で見ると、確かに新基準機は拾いやすい。 それはそうなんだけど……」 私 「けど?」 A 「ハイエナは新基準機よりも、純増3枚の機種を優先した方が良いと思う」 C 「期待値が同じならどっちでもいいんじゃないの?」 Aは次のような例を出して、どちらを選ぶか問いました。 〜〜〜〜〜〜〜〜 ■例1■ ・1,000円あたりの回転数 25回 ・ART中の1Gあたりの純増枚数 3枚 ・初当たりまでの平均投資額 5,000円 ・初当たり時の平均獲得枚数 600枚 〜〜〜〜〜〜〜〜 ■例2■ ・1,000円あたりの回転数 34回 ・ART中の1Gあたりの純増枚数 2枚 ・初当たりまでの平均投資額 5,000円 ・初当たり時の平均獲得枚数 600枚 〜〜〜〜〜〜〜〜 例1は凱旋のようなスペック、例2の方は劣化絆の新基準機をイメージしたスペックの機種だとお考えください。 C 「20円の等価であれば、どちらも期待値は7,000円って事だよね。 だったらどっちでもいいんじゃないの?」 B 「例えば、同じ日当10,000円のアルバイトをするなら、拘束時間が3時間のやつと、6時間のやつ、どっちが良い?」 C 「それは3時間の方でしょ…… あっ、そういう事か!」 例1の場合だと、初当たりまでのゲーム数が25回×5k=125回転、ARTゲーム数が600枚/純増3枚=200回転。 合わせて325回転。 着席してから打ち終わるまで、時間にして30分程度の計算になります。 一方、例2について同じ計算をすると、470回転、45分といったところでしょうか。 B 「期待値の上では同じとしても、時給換算だと例1は14,000円で、例2は9,333円」 A 「閉店取りきれずのリスクもあるから、期待値が同じであれば新基準機は分が悪いよね」 好きな台を長時間楽しめた方がお得という方も中にはいるかもしれませんが、専業2人は時給を意識する気持ちがとても強いように感じました。 <〆に> 気付けば終電までの残り時間は僅か。 〆のお茶漬けをオーダーする時間になりました。 私 「遅かれ早かれ、ホール内から絆やハーデス、沖ドキ等は姿を消して、新基準機になる訳だけど、パチスロの勝ち方は変わると思う?」 A 「今の新基準機を見る限り、スペックの変化による影響はそこまで大きなものではないと思うよ」 B 「情報とそれに従う自制心さえあれば、やる事は変わらないかなと」 新基準機の方が良い部分・悪い部分はそれぞれあるものの、新基準機でもまだまだパチスロは勝つ事ができる。 専業2人は、確かな手応えを感じているようでした。 スペックが変わっても、期待値という真理に身を任せる事に変わりはない。 専業が専業として勝ち続ける所以に触れる事ができた夜でした。 【 6の付く日はお先に失礼します 】 メニューへ
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