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この中に、人の見た目をした狼がいる? 人狼が村人を喰らい尽くし、村が全滅するのが先か。 それとも村人が人狼を見つけ出し、村に平和が訪れるのが先か。 村人達の生存を賭けた戦いが今はじまる! <まごころを、君に> 2007年、ホールに導入された「新世紀エヴァンゲリオン〜まごころを、君に〜」は、ノーマルタイプの5号機としては空前の大ヒットを記録した。 「エヴァまご」の愛称で親しまれたその台は、どこのホールに行ってもメイン機種扱い。 人狼の紛れ込んだこのホールにも24台が設置されていた。 24台のエヴァまごには、「シンジ」「レイ」「アスカ」「カヲル」の4種類の札が6台ずつ挿されている。 同一の札の6台はオール設定。 設定1〜設定6までが6段階の設定が1台ずつ投入されている事を意味していた。 「じゃあ、6人で同じ札の台を打てば、誰かは必ず設定6を掴めるって訳か……」 この情報を私に回してくれたのは、軍団時代の後輩「加藤」。 加藤の話を聞いて私がそう呟くと、加藤は「そういう事です」と頷いた。 「ただ、6人目のメンバーが足りなくて…… 誠さん、俺達とノリませんか?」 話を聞いてみると、加藤の仲間達は総勢5人。 札台を独占するには1人足りずに困っていたところで、私に白羽の矢が立てられたという事だった。 エヴァまごの設定6の機械割は111.4%。 終日ぶん回したとして、機械割通りに出れば、勝ち額は6万円ほどになる計算だ。 それを6人で割るのだから、日当は1人1万円。 そこだけ見ると物足りない数字のようにも思えるが、実際にはいくつもの利点があった為、私はこの話を引き受ける事にした。 利点の1つ目は、加藤の持ってきたこの情報が公に発信されているものではなく、「知っている人だけが知っている」という類の情報だった事。 即ち、札毎にオール設定という事を意識して立ち回るライバル客は少なく、朝一並ばずとも台を取る事ができるというものだ。 そして2つ目は、加藤が私に提示してくれた乗り打ちの条件。 軍団時代のルールでは、朝一自分の座った台が高設定だった場合には、その人が責任を持って終日ぶん回さなければならなかった。 つまり、高設定をツモると終日労働になる訳だが、今回の条件では私はそれをしなくてよいと加藤は言ってくれた。 よって、私は6台全体の設定が見えるまで打てばそれでよく、自分の台が高設定だった場合には、低設定台に座ったメンバーが交代して終日ぶん回してくれるという条件だった。 朝の並びもなく、拘束時間も設定が見えるまでの3〜4時間。 それで日当1万円なら悪くはない。 なにより、この話の最大の利点は、エヴァまごという設定判別要素の豊富な台に高設定が使われているという点にあった。 通常の機種のオール設定イベントであれば、「なかなか設定6が判別できずに低設定台もだらだら打たされてしまう」なんて事が起こり得るが、エヴァまごであればそのリスクは格段に小さい。 今回のような形で乗り打つには、エヴァまごはもってこいの機種のように思えた。 <エヴァまごの設定判別要素> 決戦前夜、私は自室の片隅に無造作に積まれた攻略誌の山から1冊を引き抜くと、エヴァまごの主な設定判別要素を復習した。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ●通常時の小役確率 ベル、チェリー、スイカ、それぞれに設定差があり、高設定ほど確率が上昇。 ●RT中のハズレ出現率 設定1と設定6では2倍弱の設定差があり、高設定ほど確率が上昇。 ●ボーナス中の小役確率 スイカは設定6のみ、設定1〜5の1.5倍の出現率。 チェリーは設定1と設定6で1.5倍弱の設定差があり、高設定ほど確率が上昇。 ●ボーナス比率 赤BIGと青BIGの比率が… ・設定1,3,5は2対1で、赤が揃いやすい。 ・設定2,4は1対2で、青が揃いやすい。 ・設定6は1対1で、赤も青もイーブン。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ざっくりと言ってしまえば、エヴァまごの設定判別は、小役で大まかに設定の高低を判別して、赤BIGと青BIGのボーナス比率で偶奇を判断する。 そして、複数ある設定判別要素を組み合わせれば、ピンポイントで設定を予想する事もそう難しい事ではない。 エヴァまごはそういう台のはずだった…… <VSエヴァまご 初日> 「今にも泣き出しそうな」という形容がぴったりの曇り空。 今になって思えば、このどんよりとした空模様は、これから行う実戦の行く末を示唆していたのかもしれない。 その薄暗い駅前通りを足早にホールへと進むと、なんとか雨の降り出す前に目当てのホールに辿り着く事ができた。 時刻は開店3分前。 しかし、並びの客のほとんどは近所のお年寄りばかりで、そのほとんどは開店と同時にパチンココーナーへと消えていった。 エヴァまごの熱い店と言えば、カチカチ君を手にした若いスロッター達で朝一から埋め尽くされるイメージであったが、このホールはそういった状況とは一切無縁。 エヴァまごのシマへ向かう者は私達をおいて他に誰もいなかった。 「ホントに大丈夫なのかな?」 あまりの客付きの悪さに不安になる私をよそに、加藤の友人達は次々と「アスカ」の札台を押さえていく。 加藤に促されて、私は最後のアスカの札台へと向かい、下皿に赤と青、2つのカチカチ君を置いた。 赤はボーナス中の小役カウント用で、青は通常時の小役カウント用。 今でこそ携帯アプリがあれば、小役の成立回数はもちろん、それぞれの確率まで自動計算されるようになったが、当時のカチカチ君は今のように高機能ではなかった。 小役確率は自分で計算するしかなかったし、ボーナス中と通常時の小役を別々に数えようと思ったら1台のカチカチ君では不可能で、2台のカチカチ君を用意しなければならない時代だった。 〜3時間後〜 私は総投資14kで引いた2回目の赤BIGの出玉が全てなくなったところで、一息入れる事にした。 開店から2000Gちょっと回したところで、私の台は、赤BIG2回、青BIG0回の奇数挙動。 2つのカチカチ君を並べて見るが、通常時もボーナス中も小役はいずれも低設定域の値を示している。 「この台はダメだな」 サンプルは少ないものの、私の台の挙動は典型的な設定1。 私が加藤にその事を伝えると、加藤の友人達も含め、満場一致で私の台は見切りをつける事が決まった。 「誠さん、お疲れ様でした。 後は任せてください。 夜に結果をメールしますね」 加藤は軍団の中でもしっかりと立ち回る実力者。 加藤に任せておけば間違いはないだろうと、私も信頼しているメンバーの一人である。 「それじゃあ、お言葉に甘えて、お先に上がらせてもらうわ」 私は加藤の友人達にも一声ずつ挨拶をすると、ホールの中を一周してから駅に向かった。 土砂降りの中を、ホールで貰ったビニール傘一つでびしょ濡れになりながら進む。 その帰り道で私は、この日の稼働状況を振り返る…… 昼過ぎにはエヴァまごのシマの客付きも7割ほどになっていたし、アスカ以外の札台にも設定6の可能性がありそうな台がいくつかあった。 加藤の情報に間違いはなさそうだし、手堅く凌げる良いホールかもしれないな…… <初日の夜> 23時を過ぎたあたりで、加藤から私にメールが入る。 その内容を見て、私は苦笑いを浮かべてしまった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ●私の台 回転数:2000G BIG比率:赤2青0 小役:× 投資:14k、回収: 0 ●加藤の台 回転数:3000G BIG比率:赤3青1 小役:△ 投資:10k、回収:17k ●加藤の友人A 回転数:6000G BIG比率:赤2青5 小役:△ 投資:20k、回収: 8k ●加藤の友人B 回転数:6000G BIG比率:赤3青6 小役:△ 投資: 7k、回収:13k ●加藤の友人C 回転数:6000G BIG比率:赤1青7 小役:◯ 投資: 8k、回収: 0 ●加藤の友人D 回転数:8000G BIG比率:赤6青9 小役:◯ 投資: 3k、回収:57k ■トータル■ 投資 : 62k 回収 : 95k 一人頭 : +5.5k 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 A・B・C・Dのいずれも、青BIG先行の偶数挙動。 小役も突出した台がなく、なかなか設定6を見極められなかった結果、A・B・Cの台を止める事ができなかったという事だった。 「まぁこういう事もあるさ。 また明日頑張ろう」 この日の稼ぎは一人頭5,500円。 もともと期待していた日当の半分の額ではあったが、パチスロを打っていれば期待値通りにならない事など日常茶飯事。 私は加藤にそう返信すると、この結果を深く考える事なく眠りについたのであった…… <何も知らない私達に狼の影が忍び寄る> VSエヴァまご、2日目の実戦。 誰を選んでも同じであるが、この日私達は「カヲル」の札台を独占した。 実戦を進めていくと、私の台は昨日と同じく赤BIGが先行。 3,000G回して、小役は昨日よりもまだマシといったレベルであったが、おそらくは設定3。 あっても設定5だし、設定1の引き強の可能性も十二分にあり得る事から、この日も私は早引けする結果となった。 〜そして、その日の夜〜 昨日と同じく23時にメールが届く。 だが、同じなのはメールの届いた時間帯だけではない。 「推定設定6の台を終日打ち切れたのは良かったが、設定6を確信するまでの過程で、偶数挙動の台が4台残ってしまった。 結果、設定2であろう台を夕方まで打たされてしまった」 加藤のメールはそんな反省の文言で締められていた。 「偶数挙動が4台……」 現場を加藤の判断に任せた以上、結果に対しての不満はなかったが、何かが気になった。 「偶然なのだろうか? 何かが引っかかる……」 そう考えはしたものの、時計を見れば既に時刻は日付の変わる24時。 夜更けの私の頭には、それを突き詰めるだけの余力は残されていなかった。 「パチスロだから仕方ない」 こうして、その小さな違和感は、安直な言い訳に掻き消されていくのであった。 〜2日目の結果〜 ■トータル■ 投資 : 73k 回収 : 98k 一人頭 : +4.2k <2度ある事が3度あったらそれはもう偶然ではない?> 「シンジ」を選んだ3日目の実戦。 この日の立ち上がり、私の台は100G、300Gで立て続けに青BIGを引いた。 3日目にして初の偶数挙動。 ノリ打ちなので、誰が打っても同じと言ってしまえばそうであるが、自分自身の台が設定6かもしれないという状況は、何度経験してもやっぱりドキドキできる心地の良いものであった。 その後、トータル1,000Gを越えたところで初めての赤BIGがついてきて、3,000Gを越した頃には小役も軒並み高設定付近の数値に上昇。 「今日はこの台で間違いなさそうだ」 最後の確認として、私は自分以外の5台の挙動を確認した。 すると…… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (3,000G時点) ●私の台 BIG比率:赤3青4 小役:◯ ●加藤の台 BIG比率:赤5青0 小役:△ ●加藤の友人A BIG比率:赤1青2 小役:× ●加藤の友人B BIG比率:赤0青4 小役:◯ ●加藤の友人C BIG比率:赤2青1 小役:△ ●加藤の友人D BIG比率:赤1青3 小役:◎ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 やはり青BIG先行の偶数挙動の台が、私の台も含めて4台ある。 特に、加藤の友人Dの台は小役が抜群に優秀。 赤BIGの確率が設定6には追い付いていないものの、絶対に設定6ではないかというと、この時点でそこまで言い切る事はできないという結論に私達は至った。 続行するのは、私の台と加藤の友人Bの台と加藤の友人Dの台。 偶数挙動の台を続行する分には、設定1のリスク無しで、設定6を取りこぼさない。 この時点ではそれがベストと判断して、私達は続行を決定した。 その4時間後。 それぞれの台を6,000Gまで回してはみたものの、終わってみれば加藤の友人Bの台も加藤の友人Dの台も、小役の確率は徐々に低設定のそれに収束していくのみだった。 そして、なによりボーナスが引けない。 2台の持ちコインは全てなくなり、気付けば、その2台の収支はマイナス圏へと転落していた。 そして、閉店を迎える23時には…… 結局、この日は私の台が設定6。 それを終日打ち切りはしたものの、全体としては2台のマイナスが痛かった。 2台で背負った負債を、私の設定6は捲りきる事ができなかったのだ。 こうして、3日目にして初めて私達の収支はトータルでもマイナスとなったのだった。 〜3日目の結果〜 ■トータル■ 投資 : 68k 回収 : 56k 一人頭 : +2.0k <疑い> 私の台が設定6であったとしても、終日打ち切る作業は他のメンバーにお願いできる。 その約束はあったものの、この日は特に予定もなかった為、私は終日設定6を打ち切った。 13時間稼働の後の疲れた体を引きずり電車に乗ると、私は携帯電話を取り出し、3日間のデータを比べてみた。 「やはり、偶数挙動の台は設定6を除いて3台ある……」 エヴァまごの赤青BIGの確率は、設定2だと、赤が1/2340で、青が1/1008。 1/1000のフラグなどそう簡単に収束しない。 そう言ってしまえばそれまでかもしれないが、果たして3日も続けて、3台あるはずの奇数設定台のうちの1台が偶数挙動を示すものなのだろうか。 そう考えた時、ある仮説が脳裏を掠める。 「誰かが判別を間違っている??」 24台のシマに挿された4種類の札は、6台ずつ並びになってる訳ではなく、ランダムに配置されていた。 それ故、自分以外の台の挙動を全て目視できる訳ではなく、自分以外の台の設定判別はお互いを信頼し合うよりない状況だった。 だが…… 「この状況は本当に偶然なのか?」 偶然ではないとすれば、早くその原因を突き止めなければ、いつまでも今日のように負け続けるだけだ。 その原因が「誰に」あるのか。 私の思考は次第にその一点へと誘導されていく。 「この中に、人の見た目をした狼がいる?」 私は加藤の仲間達を疑い始めていた。 〜続く〜 【 6の付く日はお先に失礼します 】 メニューへ
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