枠上クランキー 2018年1月
ええっと・・・ 以前の一人飲み枠上の延長線上にある記事みたいな感じになってしまって申し訳ないのですが・・・ 一人飲みが終わった後って、なんだかもう一軒行きたくなるんです。 しかも今度は逆に、人と喋りながら飲みたくなるんですよね。 ええ、面倒くさいヤツですよね。 元々一人飲みの予定だったから、もちろん誰も誘っていない。 平日の夜から急に誘ってすぐに来れるような人などそうそういない。 ということで先日、初めて「スナック」を攻めてみようかなと思い立ちまして。 どういうシステムかぼんやりとしかわかってなかったのですが、酔った勢いで突入してみることに。 いやぁ、以前まではそんな大胆なことなんて微塵もできなかったんですが・・・ 40歳に到達したからか、もっと若い時に違うところで発揮すべきだった「当たって砕けろ」が、今頃変な形でできるようになってまいりまして・・・ そんなおじさんパワーそのままに、近所にあったシブい感じのスナックのドアをガチャリ。 「新垣結衣と新垣結衣を足して2で割ったような女性が出てこないかなー?」なんて思いながら呑気に入店すると、そこには、60代とおぼしきお姉さまと70代と思しきお姉さまのお二人が待ち構えているという容赦ない現実が。 なるほど、これがスナックか。 前情報一切なしの飛び込みなんだから、ある程度こういう事態も予測はしていたけど・・・ 一瞬、「修行?」というワードが頭をよぎるものの、そんな無粋かつ失礼なことを考える僕はまだまだ未熟者なんだと思います。 こうして、おばあ・・・もとい、お姉さまとともに席につき、世間話スタート。 僕の席についてくれたのは、70代の方のお姉さま。 スナックという自営業をやっていく上でのビジネスの厳しさをこんこんとお話いただけました。 同じく自営業の僕には身につまされます。。。 すると突如、70代というアドバンテージを活かしてか、「お腹減ってない? 何でも作れるわよ!」というお申し出を頂戴します。 悩みました。 素直に食べたいものを言った方がいいのか。 若干無理めなものを言ってボケた方がいいのか。 「何でも作れる」というワードが、僕の悪ふざけ心を鬼のようにくすぐってきます。 いや、ここでボケるのは飲食店側としてはウザいはず。 それは重々承知。 でも、忘れてはいけません。 僕はこの時点で結構酔っているんです。 ということで、やっぱりチャレンジしてみました。 「アワビとかってあります? 踊り焼きが好物でして!」 「北京ダックって美味しいですよね! 置いてません?」 「シメに刀削麺とか最高だなと思うんですけど、ダメですかね?」 ええ、もちろん全部ダメでした。 いや、これだけ見ると、僕が「ただの無茶ぶりするうざいヤツ」みたいに見えちゃうと思いますが、僕が迷っている時に、お姉さまからは「本当に何でもいいからね!!」って何度も念押しされたんですよ。 だったら、これくらいは言いたくなるじゃないですか。。。 逆に、「焼きそばで」とか普通なことを言うと失礼な気もするじゃないですか。。。 でも、70代・・・いや、もう面倒なんで「70さん」と書かせていただきますが、この70さん、やっぱり百戦錬磨です。 僕の「アワビは?」「北京ダックは?」「刀削麺は?」という悪ノリに対して、やや修羅と化し、「本当に払えるの? なら作るよ?」というオフェンスに出られまして。 もちろんビビリな僕は、すぐさま「ええっと・・・・・・やっぱり焼きそばとかがいいです」と直折れ。 すると70さん、すぐさま笑顔になり、「うん、いいよ♪ 最初からそう言えばいいのに♪」とゴキゲン。 なるほど、そういうものなのか。 ママの「なんでもいいよ」は「焼きそば」のことだったのか。 難しいぜスナック。 いやぁ、それにしても無茶ぶりを3つでやめといてよかった。。。 もう1つ2つ言ってたら、ひっぱたかれていたんじゃなかろうか。 挙句、「出ていきな! 全く、やい60さん、塩蒔いときな!」ってなったんじゃないだろうか。 まあとりあえずは無事乗り切ったので安心安心。 すると今度は、60さんが僕の正面に座ります。 僕もかなり酔っていたので、大抵の話には楽しく対応できると思っていましたが、話題の5割が健康と病気、残り5割が自分の過去の栄光、という配分に、60さんに代わってから15分でやや帰りたくなっている僕がいました。。。 「1週間で4人にコクられたことがある」という40年前のエピソードをキラキラした目で言われても・・・ しかも60さんから「コクられる」という表現が出てくる違和感たるや・・・ そんなこんなで時間が過ぎていき、「ある意味いい人生勉強だった!」と割り切って帰ろうと立ち上がったところ、、、 「兄ちゃん、もう帰るの?」 こんな声が聞こえてきました。 見ると、50〜60代くらいの温和そうなおじさま。 せっかくお声掛けいただいたので、「帰るわけないじゃないですか、これからですよ」と言いながら座り直します。 酔っ払いは、「もう帰るの?」的なことを言われるのが嫌いな生き物です。 で、そこからこのおじさまといろいろ話していくと、どうやらこのビルのオーナーさんなんだとか。 スナックやら焼き鳥屋やら小料理屋やら、7〜8店舗くらいが入っているビルです。 僕が「こんな大きいビルのオーナーさんだなんて、憧れますよ〜!」とわかりやすく太鼓を持っていると、そこからはオーナーさんの愚痴ラッシュ。 まだまだ空室があって埋めるのに苦労してたり。 テナントとして入ると固く誓っていた知人が風のように消え去ったり。 テナントで入ってる店が儲かっていないと、店主から「飲みに来てよ〜 このままじゃテナント料払えないから出ていくしかないかも・・・」なんていう脅しをかけられ、しぶしぶ飲みにこさせられたり。 ・・・あれ? 今日はそのパターンでここに・・・?? そして僕が自営業だと知ると、「あ、そうなの!? じゃあテナントで入ってよ〜! 家賃下げるからさぁ〜」と熱烈アピール。 ビルのオーナーさんもやっぱり大変なんだなと、身を持って学ばせていただきました。。。 でも、こういう出会いが、スナックの面白いところなのかもしれませんね。 ビル持ってる人の話なんてそうそう聞けないですし。 こうして、軽く滞在するつもりが2時間近く居てしまい、「世の中って楽しい事しかないよねっ♪」みたいな酩酊状態で帰宅。 記憶が飛んでもおかしくないくらいの酩酊状態ながら、家に帰ってからも超ゴキゲン極まる感じで振舞っていたこと、そしてその様子を見た嫁が「ここ数年でワーストうざい」と言い放ったこと、この2つだけは妙にくっきり覚えております。。。 2018年1月の一覧へ戻る 枠上一覧へ戻る
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