ゴーストスロッター 第30話
「ピピピピピピッ」
けたたましく鳴る目覚まし。
その音に反応してムクリと体を起こし、けだるそうに目覚ましを止める優司。
そこは、カプセルホテルの一室だった。
「(そっか。 昨日は久しぶりにカプセル泊まったんだっけ。
とりあえず金の心配もなくなったし。)」
そう考えながら、枕元にある現金を手にとった。
総額約60万円。
もともとのタネ銭+真鍋との勝負での勝利金である。
「(・・・・・そうだ、早く日高に連絡入れないと。
いろいろ報告もしないといけないしな。)」
本来なら、勝負終了後すぐにでも日高に連絡すべきだったが、真鍋と日高とのわだかまりを解消して
やれなかったことが負い目となり連絡できずにいた。
小島に「明日必ず連絡を入れる」と伝えて帰ってしまったのだ。
本当にあのまま真鍋を帰してしまってよかったのか?
説得する方法は他にもっとあったんじゃないか?
こんな思いが頭を駆け巡り、罪悪感がどんどん膨らんでくる。
「(・・・・・・・はぁ。 くそっ・・・・・・・
でも、このまま悩み続けててもしょうがないか。
とりあえず電話しに行こう・・・・)」
浮かない表情のまま、カプセルホテルのチェックアウトの準備を始めた。
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「もしもし、夏目か!?」
勢いよく聞こえてくる日高の声。
優司は、公衆電話から日高の携帯に電話をかけていた。
「あ、ああ。 よ、よくわかったね。」
「今どき公衆電話からかけてくんのはお前くらいだっつーの!
ったく、連絡おせーよ!」
「わ、わるい・・・・ ちょっと疲れててさ。」
「まあいいや。
とりあえず今日の夜7時からいつもの店で飲みだから!
お前も絶対来いよな!
そこでいろいろ話聞くよ!」
「ああ、わかった。 7時ね。」
「おお! じゃあ待ってっから!」
「うん、それじゃあ。」
そう言って電話を切る優司。
「(はぁ・・・・・
今の明るい声からして、真鍋のことをなんか期待されてたりするんかなぁ・・・・)」
妙な日高のハイテンションが気になった。
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約束の時間をちょっとオーバーした19:20。
優司は、憂鬱な面持ちでいつもの居酒屋へ向かっていた。
普段は楽しい気分で向かうはずの店なのに。
「(日高は、俺のことをしっかりと考えてくれてた。
でも、俺はそんな日高に何もしてやれなかったんだよな・・・・・)」
申し訳ない気持ちでいっぱいになり、自分の不甲斐なさをつくづく痛感していた。
冴えない表情のまま約束の店へ到着する優司。
変な緊張感を感じながら日高たちを探した。
「おーい! ここ! ここ!」
不意に聞きなれた声が聞こえてくる。
声のする方を向いてみると、そこには4人の男がいるのが見えた。
日高にヒデに小島。
それともう一人・・・・
「えッ!?!?」
もう一人の男を見て、この上なく驚く優司。
「よお! 遅かったな!」
「ま、ま、真鍋・・・・・・ッ だよね・・・・・!?」
「あん? 確認するまでもないだろうよ!
昨日の今日で早速俺の顔忘れちまったってのか?」
なんとそこにいたのは、昨日まで勝負していた相手、真鍋遼介だった。
まったくもって状況が飲み込めない優司。
そんな様子を見て、日高が口を開く。
「何固まってんだよ!
とりあえず座れって!」
「・・・・・い、いや、でもさ、なんで真鍋がここに・・・・・?」
この質問に、真鍋が上機嫌で勢いよく答える。
「なぁに細かいこと言ってんだよ!
そんなことはどうでもいいじゃねぇか!!
まあ座れよ! 飲もうぜ!!」
「・・・・・・・・」
ここで、日高が口をはさむ。
「びっくりしただろ?
でも、それは俺も同じだよ。
昨日の深夜、いきなり遼介から電話がきてな。
『細かいことは忘れて、また一緒に飲もうぜ!』なんて言ってきやがってよ。
ったく、もっと早くそこに気づけってんだよな!」
嬉しくてたまらない、といった様子の日高。
日高の言葉をキョトンとしたまま聞いている優司を見て、真鍋が軽快に話しだす。
「まあ、そんな深く考えることじゃねぇよ。
結局は、お前が最後に言った言葉が心に刺さってさ。
『大人になるって面倒くせぇ、ガキになった方が楽だ』みたいな言葉がさ。」
「あ、あれが・・・・?」
「おう。 まあ、お前の言う通りだよな。
細かいこと気にしてても面倒くせぇよ!
どうせ人なんて100年足らずで死んじまうんだしな!
無駄な意地張っててもしょうがねぇんだって!! ハハハハッ!!」
能天気な笑顔を見せる真鍋。
それを受け、日高・ヒデ・小島の3人も心からの笑顔を浮かべて楽しそうにしている。
嬉しさ・驚き・意外さ、いろんな思いが絡み合い、いまだ席に座ることなく立ち尽くしながら言葉を
絞り出す優司。
「な、なんなんだよみんなして・・・・
俺が一人で悩んでたのがバカみたいじゃんよ・・・・」
ネガティブな言葉に聞こえるが、表情は意外に明るい。
そんな優司を見ながら、真鍋が笑顔で話しかける。
「まあまあ、とにかく一件落着したんだし、いいんじゃねぇ!?
ほら、座れって!
今日は俺がオゴるからよ!
好きなだけ飲めよ夏目!」
屈託のない笑顔で優司に酒をすすめる真鍋。
「(・・・・・まあ、いいんだけどね。)」
優司はそう心の中で呟き、思わず笑みをこぼしながら空いている席へと座った。
【第2部 完】
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