読者ライター【ソゲキング】の記事11
皆さんお久しぶりです。 未承認スロッターソゲキングでございます。 まだ覚えていただいていますでしようか。 今さらですが、本当に今さらですが・・・ 第一回「連打」。 大盛況で大成功だったようですね。 あらかじめ決まった企画を取り仕切るのですら大変なことなのに、企画を一から作り出し実行するのはほんとに凄いことだと思います。 一度も会ったことない方たちが一つの目的を持って集まるってすげー素敵な話ですね。 いつか私も参加させていただいてよろしいでしょうか? 読者投稿時代から数えて、トータルで20回にも渡って超くだらない記事を投稿しておいて顔を晒すなんぞ、この上ない羞恥プレイですが、それでも参加してみたい、雰囲気を生で感じたい、そう思わせていただいております。 私も、顔も知らない人と会ったことはあるんですけどねぇ。 でも連打みたいな素敵な話じゃなくて、ただの出会い系なんすけどねぇ。 あれは大学生のとき。 夜中、友人宅で暇を持て余していた。 何をするでもなく、テレビを見ながらうだうだしていた。 「なんかおもしれーことねーの?」 友人にぼやいてみる。 すると友人が面白いことを提案。 「出会い系使って、今から遊べる子見つけようぜ!」 なかなか面白いじゃないか。 早速二人で無料の出会い系サイトを探し、簡単な登録を済ませ投稿。 「大学生の男二人組です。 渋谷あたりで今から遊べる女の子がいたら返信下さい〜♪ 楽しく飲みましょう!」的な感じで投稿。 だが、結果的にその日会える子は現れなかった。 しかし、返信は3件ほどきた。 全部、今日は無理だけどとりあえずメールからやりましょう的な。 それでも十分にテンションが上がった。 ついさっきまで女っけなしだったのに、ほんの数十分で数人の女性とメールができる。 凄い時代だ。 早速その日からメールのやり取りが始まる。 結局数日後には一人しか残らなかったが、その子とメールのやりとりがしばらく続いた。 色々と趣味だなんだを話していると、彼女がスロットを少しだけやると判明した。 昔の彼氏の付き合いで数回やって、それからたまに一人でも打ちに行くようになったらしい。 やはり共通する話があると盛り上がるもので、彼女とだけメールのやりとりが続いたのもこのスロット話があったからだろう。 そして軽い気持ちで誘ってみる。 今度一緒に打ち行こうか、と。 彼女はその誘いに乗ってくれて、ノリ打ちで一緒に打つことになった。 これが、メールを始めて2週間後くらいの出来事。 そして、ついに連れ打ち決行日。 軍資金と、夜はあわよくば・・・というゲスい下心を持って、当日を迎えた。 場所は彼女のマイホ。 冬だったので、赤のダウンを着ているとだけ情報を聞き、電車で一時間ほど掛けて向かった。 ホールには約束の時間より早く着いたため、どんな子が来るか期待をしながらワクワクしてタバコをふかしていた。 すると前方から、赤くてデカい物体がやって来るのが見えた。 その赤い物体は、デカさを増しながらどんどん私がいる方向に近づいてきた。 そして数メートル先になると、全貌が明らかになった。 私の脳内はパニック。 それ以上近づくなよ近づくなよ。 止まるなよ、止まるなよ。 通り過ぎろ通り過ぎろ。 しかしその願いは叶わず、赤の巨体は私の前に止まり、 「ソゲキング君?」 野太い声でそう聞いてきた。 ここで「違います」と言えば試合終了だったのに、突然のことに「そうです」と答えてしまう。 近くでマジマジと見るとさらに大迫力。 超個性的な顔面。 超攻撃的なボディ。 超奇抜な服装。 私は圧倒された。 そして、野太い声でまたしゃべってきた。 「そこの喫茶店で今日の作戦会議をしよう」 そう言うと、野太い声の仮名「のぶ子」は、喫茶店へ私を誘導した。 そして座るやいなや、のぶ子はセンスの悪い、黄緑と紫のドットのバッグから、おもむろに数枚の紙を取り出しテーブルに並べ始めた。 その日は、打つ店も台ものぶ子に任せると言っておいた。 ただ、のぶ子はたまに暇つぶしに打つ程度と言っていたので、適当に好きな台を打つだけだと思っていた。 そして、私は紙を覗く。 それは、主要機種の出玉グラフと、その日の同一イベントの過去のデータが書いてあった。 「のぶ子・・・これ凄くない? たまに暇つぶしでやる程度って言ってなかったっけ?」 とっさに質問を投げかける。 そして分かったこと。 のぶ子はスロットで生計を立てていること。 彼氏の影響とか言っていたけど、彼氏がいたこともないこと。 私と同い年と言っていたが、10歳以上年上だったこと。 ここまでくるともう、驚きや呆れや色んな気持ちが交錯して、少し楽しくなってきたのを覚えている。 そしてのぶ子が、今日の狙い台の説明に入る。 私は、今日はのぶ子に任せるからいいよと説明を止めた。 するとのぶ子は、真剣な顔をしてこう言った。 「ノリ打ちする以上、自分が選んだ台の根拠を理解して納得してくれなければ一緒に打つことは出来ない。」 何だこいつとは思ったが、そこはわかったよと相手に合わせ話を聞いた。 そして一通り話を聞き、無事狙い台が決まり、すぐ近くのホールに向かった。 そのホールは抽選のため台を取れるかが不安ではあったが、客もそれほど集まっていなかったため、二人とも早めの番号を引けた。 そしていよいよ入店。 無事二人ならびで台を抑えることができ、長い一日のレバーオン。 そして、島の誰よりも早く当たりを引いたのはのぶ子であった。 しかし、のぶ子は顔色ひとつ変えない。 「少しは喜びなよ。」 私は、せっかく乗り打ちしてるのだからもう少し楽しみたいという気持ちがあったため、素直な気持ちを言ってみた。 するとのぶ子はこう言った。 「私にとってこの当たりはお小遣いではない、生活費なのだ」と。 「だからいちいち喜んでられない」と。 それを聞いて、私は来なきゃ良かったと思いながらも、ガチのパチプロを身近で初めて見たため、少し感心した。 そしてそのまま暫く稼働を続けた。 のぶ子の台の挙動は高設定のそれだったが、私の台はいまいちであった。 するとのぶ子が私の方を向き一言。 「その台、もう止め。」 私は強制的に稼働終了を余儀なくされた。 そして、再びのぶ子。 「私の台を打ってな。 私は良い台を見つけてくる。」 なんて男らしいんだのぶ子。 それからのぶ子は野良豚、いや、野良犬のようにホール中の餌を探し求めて歩き回った。 しかし、のぶ子は中々のグルメのようで、多少良い香りがするくらいの台は食べようとしない。 私はさすがに悪いと思い、打ってる台をのぶ子に返そうと思った。 しかしのぶ子は、こんなこと日常的なことだ、と。 数時間探してることもよくある、と。 …のぶ子、なぜ痩せない。 結局、その日のぶ子は餌にはありつけなかった。 私が打ってた台は終日高設定の動きをしてくれて閉店まで打ちきり、5000枚強のメダルを吐き出してくれた。 のぶ子の読みが大当たりであった。 帰りに飲み行こうと誘われたが、終電の時間もあったので断って別れを告げた。 帰りの電車でのぶ子からメールがきた。 「今日はありがとう。 とても楽しかった。 今度はパチ屋以外で会いたいと思えました。」 のぶ子、なかなか可愛いこと言うじゃねーか。 なんだかんだあったけど、結果まぁ楽しめたし、お金が増えたから良かったと思った。 そして、のぶ子に返信した。 「こちらこそありがとう。 機会があったら是非。」 そう返信し、そっと電話帳から削除した。 ソゲキングの記事一覧へ 読者ライターの最新更新一覧へ
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