読者ライター【ナラ シカオ】の記事４
先日、同僚の20代女性に趣味を聞かれ、「パチスロ」と言ったところ、音速で「あ、無理」。 皆さんの周りに、パチスロ・プレイヤーはどれくらいいますか？ 私の職場には、20～50代の男女が40人くらい働いていますが、スロ・プレイヤーは「ゼロ」。 パチンコをする人は3～4人いますが、全て40代以上です。 当サイトの人気ライター、花火さんが心配しているように、「遊技人口の減少」「若者のパチンコ・パチスロ離れ」は、確かに進んでいるようです。 ホールは、タレントをＣＭに起用し、楽しさ、安全さ、親しみやすさ、をアピール。 メーカーは、冬ソナ、浜崎あゆみ、ＡＫＢ、人気アニメなどとタイアップし、新規客を獲得。 昔に比べ、ずいぶんイメージアップしたパチンコ・パチスロですが、敬遠する人はまだまだ大勢いるようです。 どうも。 42歳の転勤族サラリーマン。 ナラ シカオです。 私は某メーカーの営業をやっています。 日頃は、量販店（イオン他）やドラッグストアなど、担当の販売店を回り、新製品を紹介したり、売り場を作ったりしているのですが、私の大事な仕事のひとつに「販売店の売り出しのお手伝い」があります。 多くの販売店が定期的に、お馴染みのお客様（会員様）に向けて、売り出し（セール）を行います。 ひとりでも多くの会員様に来店いただけるよう、私たち営業マンは、販売店と企画を考え、ダイレクトメールを作成し、セール当日は、販売のお手伝いをするのです。 7年前、東京、八王子での出来事です。 化粧品を多く取り扱う、某ドラッグストア。 年１回開催されるセールの企画について、男性店長と相談していました。 Ⅹジャパンが大好きな、30歳の小柄な熱血店長。 「ナラさん、今年の感謝セールだけど、ちょっとアイデアがあるんだよ」 「アイデア？ なんですか店長？」 セールでは、日頃お買い上げいただいている会員様に喜んでいただくため、プレゼントを準備します。 ターゲットは、化粧品をメインで買っていただいている主婦やＯＬの会員様。 この販売店では、お買い上げ金額に応じて「トイレットペーパー」や「商品券」を、毎年差し上げているのですが、「ガラガラ抽選会」や「スクラッチくじ」を使って、お客様に楽しんでもらっていました。  「スロットマシーン、使ったら盛り上がるんじゃないかな。」 「スロット？ ああ、面白いですね、店長。」 「７が揃ったら5000円商品券、とかさ。」 「スロットタイプの抽選機ですよね。 いいと思います！ 今までやってなかったですね！ でも店長、その抽選機、どこかでレンタルするんですか？」  「いや、アテがあるんだよ。」 「わかりました！ 抽選機はお任せします！ じゃあさっそくダイレクトメール作りますね！」 『ドラッグストア○○ 年に一度の大感謝セール』 『3000円お買い上げ毎にスロットゲームにチャレンジ！』 ダイレクトメールを作り、会員様に郵送。 プレゼントの商品券、高級米、ボックスティッシュ等々を仕入れ、売り出し当日を迎えました。 売り出し当日。 準備のため、私は開店1時間前に店に到着。 店頭のシャッター前には、店長による手書きのポスターが張られていました。 ～～～～～～～～～～～～ 『3000円お買い上げ毎にスロットチャレンジ！』 ・７ ・・・5000円商品券 ・バー ・・・コシヒカリ5キロ ・王冠 ・・・500円商品券 ・リプレイ・・・お菓子 ・はずれ ・・・ボックスティッシュ ～～～～～～～～～～～～ なかなか立派なポスターです。 「おはようございま～す！」 シャッターを潜って店内へ。 レジ横に設置された… そこには…  ば、ば、ば、 ばくれつおう！？ 4号機初頭の、文字通り「爆裂パチスロ」がドラッグストアの店頭に鎮座しておりました。 あまりにトンガッた出玉性能と、攻略法発覚であっという間にホールから消えた花火のような機械です。 私も1回しか触ったことがありません。 「て、店長！ スロットタイプの抽選機じゃなかったんですか？」 「ナラさん、おはよ～。 今日はよろしくね。」 「あ、おはようございます…じゃなくて！ 店長！ これ、抽選機じゃなくてパチスロですよ！」 「いや、抽選機さあ… レンタル代、思ったより高くってさあ。」 「店長… これ、どっかのディスカウントショップで買ったんでしょう？」 「うん、ドンキで。」 「安かったでしょう？」 「うん、1000円だった。」 「…ですよね（笑）」 時代は、4号機が完全に撤去された5号機時代。 同じ4号機でも、北斗や番長ならともかく、お世辞にも「人気台」とはいえない爆裂王。 1000円でも売れたドンキはラッキーだったでしょう。 ちなみに爆裂王とは…こんなパチスロです。 ●通常時は1/84でビッグボーナスが成立＆ストック。 ●チャンス目、リプレイ4連などでストック放出。 ●「7」図柄には、赤、青、白の3色がある。 ●ストック放出時には、「7」の色の組み合わせ＆6択の押し順がナビされる。（72択！） 例：「右！赤！・左！青！・中！白！」 ●強烈な連チャン性がある。 「店長…パチスロ…やったこと…あります？」 「ないよ。」 「ですよね（笑）」 「店長、レバーオンとか、ボタンストップとか、お客様自身にやってもらうんですよね？」 「もちろんだよ。 そうじゃないと楽しくないじゃん」 「パチスロって、狙わないと7図柄って揃わないんですよ…」 「え？ そうなの？」 「おまけにこの台だと、7図柄の色まで狙わないといけないんで、初めての人は絶対ムリですね。」 「…色まで？ 狙うの？」 「ナビされた押し順も守ってもらわないといけません。」 「…押し順って…何？」 「このパチスロって、いわゆる４号機なんですけど、ビッグボーナスが成立しても、すぐ放出されないんですよ。 いったん内部ストックされて、チャンス目やリプレイ4連で放出されるんですが…」 「…ナラさん。」 「はい？」 「…何言ってるのかわかんない」 「ですよね（笑）」 しかし店長も、よりにもよって、なんてヤヤコシイ台を…。 せめてジャグや沖スロなら…。 その後、「前兆」やら「ホッパー作動時の爆音」やら「ビッグ後のボーナスゲーム」やらを店長に説明したのですが、一切理解してもらえず… 開店時間の迫った店長の出した結論は… ナラ シカオ、終日スロット担当に任命！されました！ 一日、爆裂王に張り付いて、お客様のサポートをすることになりました。 パチスロに全く知識がない（と思われる）主婦やＯＬの皆さん ＶＳ 猛爆パチスロ「爆裂王」。 いよいよ開幕です！ 開店してほどなく、お客様が来店。 30代の主婦らしき女性です。 販売スタッフの接客後、お目当ての化粧品をお買い上げいただき、いよいよスロットコーナーへ。 お買い上げは9000円でしたので、コインを9枚お渡ししました。 「ここにコインを3枚入れて…」 私の説明を受けた女性は、恐る恐るコインをイン。 レバーオン。 「このボタンを押すとリールが止まりますので。」 第一停止…第二停止…リプレイがテンパイ。 「キャー♪ 緊張する～♪」 第三停止…ハズレ。 「やだもう～～♪」 「惜しかったですね！ 残念賞は、こちらのティッシュです。」 次ゲーム。 ベル（王冠）がテンパイ。 「キャー♪ ドキドキして押せない～♪ お兄さん、代わりに押して！」 「いえ、適当に押しても勝手に揃いますよ。 さあ、止めてください。」 第三停止…ベル！ 「あ、揃った、揃った！ キャー♪」 販売スタッフも一緒に大喜び！ 「おめでとうございます！ 500円商品券です！ もう１回どうぞ。」 主婦やＯＬの皆さん ＶＳ パチスロ、大成功です！ 何しろベルやリプレイが揃っただけで、大盛り上がり。 「7」図柄が「テンパイ」しようものなら、店中の人が注目するお祭り状態です。 普段、1ゲームを4秒で消化している私にとっても、初めてパチスロに触った頃を思い出させてくれる、新鮮な光景でした。 時刻は夕方。 回転数はおおよそ200回転くらいでしょうか。 朝からこれまで、ビッグ＆レギュラーはゼロ。 3人組の上品な老婦人が来店されました。 3人は仲の良いお友達で、揃って上得意さまです。 このセールを楽しみにされていたらしく、販売スタッフに勧められるまま、次々と化粧品を購入しています。 1人目の老婦人が清算を済ませ、スロットコーナーへ。 お買い上げ金額は6万円（！）。 60枚のコインをお渡ししました。 1ゲーム目。 不慣れな手つきでレバーオン。 第一停止でドットに爆裂王子（？）！ 本日初のチャンス目が降臨しました！ 第三停止でリールが暗転。 ドカーン！ 轟音と共に爆裂ランプがビカッ！ フリーズする老婦人。 「お、お客様、おめでとうございます！ ボーナス確定です！」 フリーズしたままの老婦人。 「…7を狙わないといけませんので、私が回しますね。」 『右！赤！・中！白…』 ナビに従い…  ビッグボーナス！ 「おめでとうございます！ 1等、商品券5000円です！」 ロングフリーズ継続中の老婦人。 …気絶しちゃったんでしょうか？ 手を叩いて喜ぶ老婦人のお友達。 販売スタッフも、大騒ぎ。 お客様が喜んでいる姿を見て、店長もご満悦。 「ナラさん、盛り上がってるじゃん！ 来年もやろうよ！」 「そうですね！」 ボーナスゲームは私が消化。 出てきた300枚くらいのコインは回収し、続行です。 その後老婦人は、たどたどしい手つきでゲームを進めますが、何やら演出が騒がしくなっています。 明らかに今までと違う挙動に、お友達の老婦人ふたりも、販売スタッフも固唾を飲んで見守っていました。 数ゲーム後。 ドカーン！ ボーナス確定！ ビッグ！ ドカーン！ またボーナス確定！ ビッグ！ ドカーン！ またまたボーナス確定！ ビッグ！ ボ、ボーナスが、止まりません！ 店長が私のそばに駆け寄ってきました。 「ナラさん、なんかスゴイことになってるけど、どうしたの？ 壊れちゃったの？」 「こ、壊れたわけじゃありません。 パチスロには連チャンっていう機能があって…」 「レンチャン？ 何それ？ なんだかわかんないけど、そろそろ止めてよ！」 「止まりませんよ！ パチスロって、ああいうモノなんです！」 1人目の老婦人は、最終的に商品券を25,000円獲得。 引き続きチャレンジした2人目、3人目の老婦人にまでも連チャンは残っており… 2人目…商品券25,000円 3人目…商品券20,000円 一撃ビッグ14連の猛爆でした！ 「店長！ 喜んでもらえて良かったですね！ 来年もやりましょう！」 「絶対やらないよ！ 大赤字だよ！」 店長は、5000円商品券のプレゼントを、3～4枚と想定していたのですが…。 最終的に20枚以上の大盤振る舞いになりました（汗）。 『爆裂王』のあまりの爆裂に、セール自体は微妙な結果に終わりましたが、お客様の中には、「面白かったわ～今度パチンコ屋さん、行ってみようかしら♪」という方も。 八王子の、とあるドラッグストアでパチスロ遊技人口を増やした（かもしれない）一日でした。 全国のパチスロメーカー、ホールのみなさま、参考になりましたでしょうか？（冗談） 次回予告！ 「北陸ぶらり旅・某スロットの舞台を訪ねて」 完全に遊び企画です！ ナラ シカオの記事一覧へ 読者ライターの最新更新一覧へ
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