読者ライター【男爵】の記事20
読者諸兄御機嫌よう、男爵です。 「あの名機が再び!」 「人気機種の後継機が登場!」 「好評システム完全継承!」 このような謳い文句、スロッタ―ならば何度も目にした事ではないでしょうか。 そして同時に、期待よりも不安が先行してしまう、そんな方も多いのでは? 今回は久しぶりの稼働記事。 時代を生きたあの超人機種のご紹介をしましょう。 スロット紳士こと男爵の体験談を聞いてほしい。 AT機の純増は2枚/1G以下、しかもボーナス出玉も計算に含まれる。 パチスロ台の内規が変更され、今年はそんな台が続々とホールに登場している。 皆さんの周囲の評判はどうでしょう。 もちろん個人の好みもあるし、『番長3』のようなヒット機種も確かに存在します。 しかし全体的に言えば、「期待した程では」という感想が多かったのではないでしょうか。 ホールの状況を見ても、『北斗修羅』『まどマギ2』『バジ3』『ポセイドン』というビッグネームが期待通りの稼働を続けている店はどれほどあるのでしょう。 これは過剰導入という理由もあるし、個人的にもそれぞれ見るべきところはある機種だと思っていますが、結果としては、「期待ほど動かない」機種として認識されているのでは無いでしょうか。 「機種情報を熟知して立ち回ろう」というモチベーションがあまり湧かないことも遊技人口減少の一因。 複雑なシステムを理解してまでの見返りが無い、そんな面倒なことはしたくない、だったら絆を打つぜ、そう判断されてしまっているように思えます。 4号機から5号機に完全移行した時のようだと表現するスロッタ―が多いのも、それまでの過激な性能をもった機種に慣れきったスロッターのギャップが蔓延しているからだと感じます。 そんな時代に登場したのが彼等です。 このキャラクターに見覚えがあるという人は多いでしょう。 少年マンガの有名キャラクターであり、今なおマンガシリーズや関連グッズが展開されている超人ヒーロー『キン肉マン』です。 まぁ、肝心の主人公はパネルにいませんけど。 原作ファンでなくとも、ある程度のキャリアがあるスロッタ―ならば、一時期ホールの目玉機種として使われていた、5号機のART機『パチスロ キン肉マン』のことも記憶されているでしょう。 高めの出玉率とともに、設定6の挙動が特徴的なエクストラ仕様という要素がウケ、朝イチはまずキン肉マンからというスロッターも多かった。 ただ個人的には、競争率が激しすぎて高設定の恩恵にあずかることが全くできなかったことと、パネルに描かれた妙に生気の無いキン肉マンが気になって良い思い出も無いのですが…… 続いて、さらなるパワーアップを遂げて帰って来た、という触れ込みの『パチスロ キン肉マン 王位争奪編』。 これが厳しかった。 単純に高設定域の出玉率が下がったこともありますが、煽りまくる演出に対して出玉がついてこない。 そして、ARTにやっと突入したと思ったらマリポーサに負けて100枚すら獲得させてもらえない。 打ち手の心を折る要素が多く、前作のようなヒットは飛ばせなかった。 これも個人的な意見を言えば、演出がやたらうるさいのに全然出ないというストレス仕様に泣いて帰りたくなりました。 幼少の頃に遊んだファミコンで、友人の操るブロッケンマンの毒ガス攻撃にハメ殺されたトラウマが蘇ります。 そして、5号機として三作目となる今回の『キン肉マン 超人タッグトーナメント編』。 初打ちしたホールでは、4台導入されているものの稼動中なのは1台のみ。 新台がすぐに座れる状況というのは喜ぶべきか悲しむべきか。 しかし履歴に注目すると、いずれも一撃離脱のヤメ方でしたが、稼動中のものを含めて3台はプラス領域。 これはひょっとして「ある」んじゃなかろうかと、一番最大ハマりの少ない台に着席しました。 ホールも世相を警戒してか、導入は少なめとなっているが、なんとか奇跡の逆転ファイターとしての力を見せて欲しいものです。 今作でのATへの道のりは「タッグ役」にあります。 タッグ役とは、チェリー・スイカ・レアベル・チャンス目をそれぞれ連続して引いた場合(スイカ成立の数ゲーム後にスイカという具合)に、原作の超人同士が「タッグ!!」と叫んで前兆演出に突入するチャンス契機です。 重要なのは、「他のタッグ対応役を挟まずに連続させる」という点にあります。 例えば、スイカ→チャンス目→チェリー→チャンス目というようなヒキが数ゲーム中にあれば、多くのAT機ではアツい状態になりそうなものですが、本機ではそれほど期待できる場面ではありません。 (状態移行抽選がされているので全くの無駄では無いが) 察しの良い諸兄ならお気づきでしょうが、この仕様は好みがはっきり分かれるものだと思います。 スイカが引きたい!と願っても、先にチャンス目が成立してしまう。 ならば続けてチャンス目を!と思った矢先に、スイカが来る。 こんな状況がザラにあるので、展開によっては非常にストレスが溜まります。 ここからは、男爵初打ち時の心理状態を描写していきましょう。 今回作画はキレイだなー、ディフォルメされた超人もカワイイなー。 おっ! チャンス目でモーストデンジャラスコンビステージに移行したぞ。 ここでもう一度チャンス目が引ければタッグ役で……あぁ、レアベルか。 まぁこんなもんさ。 って言ってたら、アツそうなカットインが出たぞ。 ……スイカか、なかなかうまくいかないな。 なんか急にレア役が落ちなくなったな、超人師弟コンビの列車旅行を見守るのにも飽きてきた。 ≪ロビンマスク 「タッグ役成立確率は約1/100だ」》 ホントかよ、さっきから300Gくらいタッグ役無いぞ。 おっ! カットインだ、今度こそ頼むぞ! 《スイカ成立》 《超人師弟コンビ「ターッグ!」》 やったぜ! 演出が騒がしい、前兆っぽい動きになった! 連続演出に発展したぞ、……成功! ここからさらに迷宮のゴールを目指す連続演出だ、……成功! 《友情モード》 またモード移行かい! チャンスのチャンスのチャンス! ま、まぁAT機だし、このくらいはね、同じ会社だけにほぼ優出モードだ。 ――黄色どまりか、でもなんとかして欲しい。 《??? 「私とタッグを組みませんか」》 おっ、原作にもあったカメハメ師匠とのタッグ結成シーンだな、キン肉マンが投げとばされたぞ。 ここからキン肉マンが相手の実力を認めてタッグ結成になるのか…… 《超人師弟コンビステージ》 !? えっ、終わり? 何これ? どうなったら良かったんだ? 師匠をブチのめせば成功だったのか。 《はぐれ悪魔超人コンビステージ》 お、おお、チャンスステージだな、ここでレア役を! 《超人師弟コンビステージ》 終わるのはえーよ! 《レアベル》 いや、あと2G早く来い! むっ、カットイン! レアベル来い! 《チャンス目》 《レアベル》 《スイカ》 《レアベル》 《スイカ》 《レアベル》 《チャンス目》 《スイカ》 お前らいい加減にしろ! 《ロビン 「タッグ役は1/100で――」》 うるさいよ、おまえもう不忍池に落としてやろうか。 《レアベル》 《チェリー》 《チェリー》 ……ん? 《2000万パワーズ「ターッグ!」》 よ、よし来た! しかも最もアツい2000万パワーズタッグ! (チェリー連でのタッグ成立時のみ各種抽選が優遇されている) 友情モード中さらにチェリーを引いた、これはもう間違いないだろ、頼むぞ! タッグバトル演出に発展、相手は超人師弟コンビだ。 がんばれキン肉マン、ロビンの仮面を剥がしてケケケと笑ってやれ。(※そんな演出はありません) 《キン肉マン 「ぉうわっ」》 負けんのかよ! 《火事場のクソ力モード》 もうモード移行はやめろォ! 普通に当たれ! 《キン肉マン 「火事場のクソ力ーっ!!」》 あ、当たった、前言撤回、火事場のクソ力モード大好き! アツい手の平返し、もう当たればなんでもいい! そして準備画面で40枚も減った、コンチクショウ! 《ゴー ゴー マッスル!》 お、でもこのリール停止毎にコールが入るAT突入演出はいいね、期待が高まる! AT中は約1/40で成立するバトル目(逆押し上段ベルハズレ)成立で超人タッグバトルに発展する、上乗せ抽選もあるが基本的には終了のピンチ。 つまりはバトル目を成立させずにいれば永遠にAT状態だ、永遠には無理だろうけど60Gくらいはがんばって欲しい。 《5 G 目 バ ト ル 目 成 立》 ド畜生! なんて残虐ファイトだよ! 初期のラーメンマンか! ええいなんとか頑張れ! 《拳ボタンを押せ》 おおっ、逆転チャンスだ! ――ロングホーントレイン! うん、煽りも過剰なものは基本的に好きじゃないけれど、プロレス的な演出と相まってこの機種の演出はいい具合にマッチしている。 そこから200G、バトル目成立無しで400枚程獲得に成功。 来てる! 今日はやれる日だ! さらにタッグ役成立で魔界リングを経て『炎のキン肉マン』が流れる。 継続確定だ! オマエは残虐超人なんかじゃない、立派なモンゴルマンだよ! 数ゲーム後にバトル目成立から四次元殺法コンビとのバトル、当然勝利。 よぉし、上乗せ特化の『ガガガGUTSボーナス』に入れ! ……入らん! まぁ勝ってるからよし! そこからなんやかんやあって。 AT突入画面にカメハメ&ドクターボンベ登場!(設定3以上確定) でも写真は無い、ヤツらすぐ消えちゃうからチクショウ! ナイスだ! へのつっぱりはいらんですよ! 《23Gバトル目》 《9Gバトル目》 《13Gバトル目》 1446枚獲得終了。 オイぃ!? まぁ、枚数的なインパクトはそこそこながら、AT中はかなり楽しめました。 特に原作ファンは、各種演出や新規アニメが楽しめるので一度は触れて欲しいと思います。 ただハッキリ言うと、通常時はちぐはぐな展開に苦しむことも多く、いざATに入っても直後にバトル目引いて獲得数十枚終了、なんて流れを体験すると一発で嫌いになりそうな気もします。 良くも悪くも、内部モードはそこまで強い要素ではなく、いかにタッグ役をひけるかという部分にかかっているので、 「一発にかけたいけれど、投資やモード示唆にズルズルとひっぱられたくない」 という人には合う機種だと思います、個人的には好きです。 また、AT突入画面だけでなく通常時にも設定示唆演出(AT突入画面にキン肉マン単独)(ガチャから悪魔将軍出現)等があるため、「全台系や強い日に、周囲の状況からも高設定の判別ができる台を」という勝率重視の方も狙いやすい機種だと感じています。 難しいことはよくわからないけれど、ちょっと触ってみたいという人には、400G、800G手前の台を魔界ステージ終了まで、900G以上の台を天井まで、といった限度を定めて遊べば大きく火傷することは無いと思います。 ライバルも少な目なので、特に400手前の回転数はそこそこ拾えるのではないでしょうか。 演出も法則性があるので、興味が持てれば調べてみれば面白いと思います。 私の周囲では、まだまだ絆や凱旋が大人気で、アクロス系にも固定客が集中、稼動が落ち着いている北斗修羅やまどまぎ2の高設定らしき台に、午後から座る事も可能な状況です。 言うまでもなく一番大切なのは、新基準機に設定を使ってくれる店を見つけること。 ホール状況として新基準機コーナーもある程度のスペースがあり、粘っている人が何人かいるならば期待してもいいかもしれません。 逆に新基準機はダメだと早々に減台して、あきらめてしまっているホールも存在するので、そのあたりの見極めは必要ですね。 近々、またパチンコ・パチスロの環境も変わるという話が出ています。 繰り返された規定・規制変更によって、もうパチスロは20年前とは別の遊技ともいえます。 もちろん時代に合わせて変わっていく事は必要ですし、モーニング仕込みや爆裂AT機の時代が理想だとも思っていません。 今回はライバルの少ない新基準機で、負けるリスクを減らす立ち回りを考える良い機会でした。 私の行くホールにおいて、キン肉マンは前々作程の人気はありません。 過去の評判がたたったのか、新基準という時代に泣かされたのか、人もまばらな新基準機コーナーに入るたびに、少し物悲しい気持ちにもなります。 繰り返される栄枯盛衰の中、どこかで火事場のクソ力をみせる、ファンを驚かせるような機種の登場に期待したいと思う、紳士な私の思い出。 (C)ゆでたまご・東映アニメーション (C)YAMASA 男爵の記事一覧へ 読者ライターの最新更新一覧へ
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