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ビタのパチスロ昔話〜ノリ打ち編【後編】〜 [ 2015/11/15 ]

私がネグラとしているのは某地方チェーン店
パチスロ6枚交換

皆様、毎度ありがとうございます、ビタでございます。

 


【前回までのあらすじ】
羽根モノを打てば勝つ事ができるが、その甘えから他の機種ではテキトー打ち。
もちろん、テキトーに選んだ台では勝つ事は出来ず。
羽根モノを打とうと思うも、勝てる台はそう簡単に見つけられるはずも無く、給料日前には必ず金欠に陥っていたビタ。

そんなある日、高校の同級生Oと出会いパチスロのモーニング狙いへ。
超ボッタ店独特のハウスルールを逆手にとった、必勝とも思われるモーニング狙い。

順調に勝ちを収めたある日、1人の強面の男性に声を掛けられる2人。

場所は逃げ場の無い、狭い通路の奥。
ビビリまくる2人に対し、男性の発した言葉は…。

 


男性は私達を睨みこう言いました。

男性 「おい! お前ら、さっきちょっと話聞いてたけど、これから飲みに行くんやって?」

私 「は、はい。」

男性 「……そうか。」

私&O 「………。」

男性 「それやったら、俺も一緒に連れてってくれへんか?」

と、ニッコリ。

私&O 「えぇっ!?」

男性 「いや、俺も一緒に飲みに連れてってくれへん?」

O 「なんでですか?」

男性 「ちょっと話がしたいねん。」

私&O 「………。」

この時、Oも私も同じ考えだったと思います。
「ちょっと怖いし、面倒くさそうだから断ろう。」と。

しかし、次に男性から放たれたマジックワードに、私達はやられました。

男性 「オゴるから。」

この言葉に、心が揺るがない人類はいるのでしょうか。

私 「話って何ですか?」

男性 「飲みながら話すから…なっ! ええやろ?」

私&O 「………。」

男性 「ほな、行こか。」

と、半ば強引に飲みに行く事に。


その席で、男性はMと名乗りました。
私達も軽く自己紹介。

M 「なんでも好きなん注文しぃや。」

私&O 「はぁ…。」

その後、暫らくは食べたり飲んだり。

少しお酒が回ったのか、Oがしびれを切らし尋ねました。

O 「Mさん、話って何ですか?」

M 「おぉ〜、そうやったな。 実は自分らに頼みがあってな。」

この時、私は「ヤバイ事言ってくるんじゃ…。」と、イヤな予感がしたのですが、Mから出てきたのは意外な言葉でした。

M 「自分ら、今日H店でコイン分けてモーニング狙ってたやろ?」

O 「は、はい…。」

M 「それ、俺も入れてくれへんか?」

私 「えぇっ!?」

M 「開店前に並んでる時チラッと聞いてんけど、そのやり方、絶対負けへんやん。」

O 「まぁ……。」

M 「だから、それに俺も入れてくれへん? 人数が多い方が効率はえ〜やろ。」

O 「…確かに…。」

私 「………。」

M 「O君はモーニング入ってる場所、大体分かってるみたいやし。」

私 「えっ! そうなんですか!?」

M 「普通分かれへん人は、ビタ君みたいに次の台に移動する時、隣か一番近い朝イチ台に移動するやろ?」

私 「そうですね。」

M 「けど、O君はバラバラに移動しててん。」

私 「マジで…。」

と、Oの方を見ます。

Oの話では、50台設置中モーニングが仕込まれている台数は5〜6台。
この2日間共に、モーニング狙いの人数は私達を含め同じく5〜6人。
一人あたり1台のモーニングを獲得できる計算です。

その中でOはたった2日間のみとはいえ、複数のモーニングを獲得していたのですから、私には読めているとしか思えませんでした。

O 「そんな事ないで、あの辺に入ってそうやな〜って、テキトーに移動してるだけや。」

M 「そのテキトーが当ってるねん。」

私 「そういや今日3台も取ってたな。」

O 「たまたまや。」

M 「そのテキトーでいいから、俺とビタ君に教えてくれたら効率はかなり良くなるんとちゃう?」

O 「けど、外れる事も多いですよ。」

M 「それやったら、なおさら人数が多い方がえぇやろ? だから俺も入れてくれへん?」

Mと名乗る男性の目的は、私達との『ノリ打ち』だったのです。

確かに人数は多い方が、より多くの朝イチ台を回せる訳ですから、複数のモーニングを取れる確率は上がります。

しかも、投資金額は1000円のまま。
仮に騙されたとしても、その被害は1000円で済みますので、私は悪く無いと思いました。

M 「実は俺、開店プロ(注)みたいな事やってて、新装開店の情報とかも教えるから。」


(注)
開店プロ=当時の新装開店は、全台大解放の『お祭り』状態。
その為、釘読み技術等があまり必要のない新装開店のみを狙う人達をこう呼んだ。
技術は必要ないが、情報収集力は飛びぬけて必要となる。
〜Vitapediaより抜粋〜


私 「どうする?」

O 「………。」

M 「次は俺が1000円出すから。」

O 「う〜〜〜ん。」

私 「とりあえず、1回だけやってみる?」

O 「…そうやな。」

M 「おぉ〜ありがとう。 で、明日イケるか?」

私 「明日は休みやから大丈夫です。」

O 「俺も大丈夫です。」

M 「よっしゃ! 明日は確か12時開店やったな。 じゃぁ11時集合で。」

私 「えぇ〜? あの店やったら10分前で大丈夫ちゃいます?」

M 「まぁ今日を見る限りやったら……。 それじゃぁ30分前で。」

私&O 「分かりました。」

と、この日は解散となりました。


〜翌日〜


私は約束の時間より少し早くH店に到着。
そこにはOの姿がありましたが、Mはまだ来ていない様子。

私はOの元へ向かい、昨日少し疑問に思った事を尋ねました。

私 「モーニング入ってる場所、ホンマに読めるん?」

O 「いや、ホンマになんとな〜くやで。」

私 「へぇ〜、そうなんや! すごいな…。」

O 「けど、昨日も言った様に外れる事も多いし…。」

私 「ふ〜ん。」

そうこうしている内にMがやってきました。

私達はOからモーニングが入りそうな場所を聞き、開店と同時にその台を目指します。

その結果、私は見事1台目でモーニングをGET。
OとMは共に3台目でGET。

この日は、私とOが共に2台のモーニングを。
Mが1台のモーニングをGETと、計5台ものモーニングを取る事ができました。

これって凄い事だと思いませんか?

H店に入っているモーニングは通常営業時で5〜6台。
この日は新装開店2日目という事で、普段よりも多めにモーニングが仕込まれていたと思います。

が、そこは超ボッタ店。
多めと言っても1〜2台でしょう。

その中で5台ものモーニングを取れるとは…。
いくら超ボッタ店でライバルが極端に少ないとはいえ、Oの読みはかなりの精度だったと思います。

それに、なぜか私達以外は借りた1000円分のコインを全て消化してから台移動をしていました。
一般的なハウスルールが浸透していて、H店独特のハウスルールを理解している客が少なかったのも要因の一つだった思います。

ですが問題はこの後。
時間はまだ午後1時前でしたので、時間はタップリあります。

Oも私もこの後、テキトーな台をテキトーに打ち、負けて帰っていました。
この日もお互いこのまま帰るなんて選択肢はありません。

私達がMに別れを告げ、振り向いた時です。
Mが私達に声を掛けてきました。

M 「おい! 自分ら、これからどっか行くんか?」

私 「いえ、特に決めてないですけど…。」

M 「そうか、それじゃあこれから飲みに行かへんか?」

私 「!!!!!」

O 「えぇ〜? まだ昼過ぎですよ。」

M 「時間なんてえ〜やんけ、勝った分でチョイ飲みしようや。」

私 「い〜ですねぇ、行きましょう。」

O 「マジで!?」

M 「よっしゃ! 行こ行こ。」

この時、Oはイヤそうな顔で私に「なんでやねん!?」と、尋ねてきます。

私 「まぁ、えぇやん。 テキトーに打ちに行って負けるよりかは全然いいやろ?」

O 「…そうやけども。」

と、Oも諦めた様子でした。


ここで皆様は「え〜若いモンが昼間っから酒なんて…。」と、お思いでしょう。
私もそう思います。(笑)

ですが、この時私は嬉しくてたまりませんでした。

その理由は、当時私が大好きだった田山幸憲氏の日記そのもの。
氏も打てる台が無くなると、例え何時であろうと飲みに行っていたのです。

私も田山氏と同じ事が出来ると興奮していました。


その酒の席で、Mは自分の事を色々と話してくれました。

仕事は自営業の為、比較的時間の融通は利く事。
その為、近隣の新装開店にはほぼ顔を出し、場合によってはかなり遠い場所まで足を運んだりする事。
詳しくは教えてくれませんでしたが、新装開店の情報を回す連絡網みたいな物がある事。

そして次にMが話した内容に、私は最も興味を引かれました。

「たまに攻略法の情報も回ってくる事もある。」です。

情報の多くは攻略誌にすでに掲載済のものだったのですが、ごく稀に掲載前の情報も入ってくるとの事。

実は何を隠そうこのMこそが、後に私が師と仰いだ人物。
攻略誌に掲載前の攻略法を知る事が出来たのは、全てMからの情報だったのです。
Mに出会わなければ、私はいろんな店で出禁になる事は無かったと思います。(笑)


それからと言うもの、私とOとMの3人は頻繁に『ノリ打ち』をする様になりました。

私とOが休日の日は朝イチからH店のモーニング狙い。
その後、私のテリトリーで羽根モノ狙い。
打てる台が無ければ飲みに行く。

さらに平日は、当時私もOも電車通勤だった為、沿線での新装開店があれば、場所をMから教えてもらい集合。(午後6時開店の店がほとんどだった為)
この時ばかりはヒラ打ちでしたが、あまり負けた記憶がありません。

新装開店情報収集に長けたM。
モーニング狙いの精度が高いO。
羽根モノの釘読みには自信があった私。

まさに『勝ち』を求めるには最強のメンバー。

Mの出現により、テキトー打ちをしなくなったので負ける訳がありません。
まぁ、その分飲みに行く事が増え、フトコロ事情はあまり変わりませんでしたが…。(笑)


そんなある日、突然H店が定休日でも無いのに休みに。
私達は「俺らがモーニング荒しすぎて潰れた?(笑)」なんて冗談で話していました。

ですがその後、1週間経ってもH店は開店する気配は無く。

10日が経とうとした頃には、「H店は完全に潰れた。」とウワサが流れました。


それから数週間後。
Mから私の元にH店が再開するとの情報が入りました。
再開日はちょうど次の休日。

新装開店同様、午後6時開店だと思っていたのですが、通常通りの午前10時開店。

私は、「あぁ、相変わらずボッタくるつもりか…。」と思ったのですが、私達にはさほど影響はありません。
なぜなら、私達には必勝かと思われるモーニング狙いがあったからです。

私はOに声を掛け、H店再開日に集合する事にしました。


H店再開当日。
私達は開店10分前に集合。

並んでいる客は私達を含め、6〜7人。
おそらく全員がパチスロのモーニング狙いでしょう。

暫らく休みが続いたので、この日ばかりはOも読みに自信が無いとの事。
テキトーに散って、1台でも多くの台を回そうと打ち合わせました。

いよいよ開店時間となり、私達は一目散にパチスロコーナーに向かいます。

が、なんとパチスロコーナーがあった場所には何も無い。
いえ、正しくは当時としては大変珍しい、広々とした休憩スペースがそこにはありました。

これには私達はおろか、他のモーニング狙いの人達もボーゼン。

O 「何やこれ!?」

M 「やりよったな!!」

私 「やられましたね。」

O 「マジで俺らがモーニング荒しすぎた?」

M 「そんな事ないやろ。 俺らは休みの日にしか来てないし…。」

O 「……そうですよね。」

M 「けど、パチスロ全台撤去は、いくら何でもやりすぎやろ?」

私 「いや、この店やったらあり得るかも…。」

M 「……もうこの店には来る事ないな。」

O 「はぁ〜、そうですね。」

私 「………。」

H店が長期間閉店していたのは、店舗の改装の為だったのです。
それも大幅な減台。

後で聞いた話ですが、パチスロは全台撤去では無く、6〜7台のみひっそりと残っていたらしいです。
もちろんモーニングは1台も入っていないとの事でした。

 


今回のお話は、先日元H店の近くを通り過ぎた時「あぁ、昔はここでモーニング狙ってたのに、今は住宅になってんなぁ」と思った瞬間、記憶が全て繋がりました。

実はこの様な昔話は、私には結構あったります。
ですが、いろいろあるが故に、記憶が混濁していて結びつかないのです。

今回の様に繋がった時には、また書いてみたいと思います。

と、言う訳で、私がその昔『勝ち』に拘り『ノリ打ち』をし、ボッタ店に莫大なお金を掛けてまで減台させた(かも知れない)お話でした。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。



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