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メシウマだよ!全員集合!



スロッターズライフは小説より奇なり [2017/9/1(金)]

カネカネカネ…

「誰だお前は」、そんな声が聞こえて来るようです。
はい、どうもヒグラシです。

今回は前々回の過去話の続きとなりますが、過去話も今回で一旦区切りを付けるという形にさせて頂きたく思います。

そして最終章という事で、いつもより文字量が多めになっていますので、早速記事の方に行っちゃいますね!

という事で、2007年にタイムスリーップ!

 



前回の過去編からの続き。

『お前と喋ることはない! 帰れ!』

上司のそんな心無い言葉に、

「やめます!!」

と、心にもない言葉を返してしまったヒグラシ。

その言葉に対しては、さすがのチーフも返す言葉を失ったのか、黙り込む。

そんな重い空気に耐えられず…

「…と、そんな話を今、店長にしてきました」

と、やや逃げの言葉を放ったことに対し、

『なんだって?』

と、予測もしていなかった、黙り込み解除。
ヒグラシの頭の回転をウエイト無しでフル回転させつつ、

「取り合えず、環境が変われば、少しばかり辞めたい気持ちも変化するんじゃないかと、異動の話を頂きましたが、まだはっきりは決まってません」

と、今の環境が耐えられないというニュアンスをさりげなく盛り込む。

『甘いよ、お前は。 それじゃあ、どこに行ったって一緒だよ』

…どこに行ったって一緒な訳がない。
設定1を誰が打ったって同じ結果にならないのと一緒だ。
時にはどんな屁理屈だって、自分を守る為には必要なのだ。

そんな事を心で思いながらも、

「色々と細かく指導して頂いているのに、いつもそれに応えられずに申し訳ございません」

と、心を閉ざした返事をしたのだった。


長いようで短かいような勤務が終わり、帰りのロッカーで携帯のメールをチェック。

そうだった。
今日は仕事終わりに彼女と会う約束をしていたのだった。

もちろん忘れていた訳ではなかったが、色々な事がありすぎて忘れかけていた。

“終わったら連絡下さい、●●にいますので。”

というメールに対し、

“今から急いで向かいます!”

という返事をしながら、今日チーフとあった出来事や、今後の仕事の事については、しばらくは彼女には黙っておこうと心に決め、足早に待ち合わせ場所へ向かうのだった。


駅に着くなり、彼女をすぐに見つける。
気分が落ちている事も相重なってか、見つけた瞬間の心の高揚はいつも以上だ。
そんな自分の笑顔につられる様に、彼女も笑みを返してくれる。

この幸せな時間を一生守りたい。

しかしながら、お金の使い方の優先順位の第1位がスロットである以上、彼女を幸せにする事は出来ないのだろう。

それならば止めればいいじゃないか。
そう思う人が8割だろう。

立ち回りをシビアにして、勝率を上げればいいじゃないか。
そう思う人は1割。

わかるぞ、わかるぞヒグラシ!!
そう思ってくれる人が1割はいると信じながら、感謝して進む荒れたオフロード。

世の中には、簡単そうに見えて難しい事が山ほどある。

本当にどうしようもない人間だと分かっていても、どうする事も出来ないし、変わる努力も出来ない。
だからと言って、助けを求める事もせず、常に嘘を付きながら、まともな人間を出来るだけ装うとしてしまう。

全てが中途半端ならば、いっその事中途半端を極める。
中途半端な私が中途半端を中途半端にだけは…

この話はもう止めよう。

そんな事など何も知らない彼女は…

『今日はどうしてもパスタが食べたい』

夢見る少女の様に可愛いらしく、そんな事を言うのだった。


なんて事のない他愛のない話をしながら、食事を終えて外に出る。

少し駅までの道を遠回りし、人通りの少ない公園に差し掛かかる所で、いつもなら普通に通り過ぎるところをこの日は違った。

『ブランコに乗りませんか?』

ブランコに乗るなんて、15年ぶりくらいだ。

「夜のブランコ楽しそうだね!」

と、大賛成の返事をする。

ただ、勢いよくブランコを漕ぎ出す私の隣で、彼女は静かにブランコに座っている。

そして、わりと本気でブランコを漕いでいる私に向かって、彼女は急に、

『一つ質問があります』

と、私がブランコの1番高いところに到達したあたりで、そう言うのだった。
これがスロットだったら、間違いなくボーナス直撃だ。

「質問?」

恐る恐る聞き返すと、

『はい… あのー… 結婚とかって考えてたりします?』

そんな急に真面目な話をされるとは思わなかったせいか、 “靴飛ばし”をしようとしてた自分が恥ずかしくなる。

「まだ社会人になって間もないし、仕事にももう少し慣れて、更には経済的にも少し落ち着いた時に、結婚とかは考えたいかな」

そんな言葉に対し彼女は、

『そうですかー。 私は結婚願望が元々強くて、出来れば早くしたいなって思ってます』

…私の身の回りの事を何も知らないのに、そうやって信用してくれる彼女は、本当にかけがえのない存在だ。
そして、そんな彼女を裏切っている自分自身が心底憎い。

休みの度にスロットに行っては、やらなくてはならない事を後回しにし、自制も効かずに大金を失っては自暴自棄になる。
寝て覚めてしまえば根拠のない自信が再び生まれ、打つためのお金を日雇いでかき集めては、それを再びスロットに注ぐ。
絶え間なく注ぐメダルの名を永遠と呼ぶ事はできないのだ。

それに、仕事の事だって…

色々な自分自身へのイラ立ちや、彼女への申し訳なさが相重なって、

「すぐに結婚したいなら、他の人を探した方がいいよ」

と、若気の至りとはいえ、光ったゴーゴーランプですら消灯しかねない程のひどい一言を、つい言ってしまったのだった。

言葉でありのままの気持ちを伝えるのはとても困難だ。
そして、これほどまでに愛しい彼女を、想いと反して、ただ傷つけてしまったのだった。

どうしてスロットなんて覚えてしまったのだろうか…
こんな人生勘弁してくれ…
いっその事、記憶喪失になってしまえばいい…

そんな自暴自棄になる私に、彼女は一言。

『今は好きだから、それは考えられないです』

と、そんな言葉を返してくれたのだった。



【それから数週間後】



チーフとの一件があったあの日から、仕事への意識が高まったのか、注意される事が極端に減った。

出来ないのか、やらないのか。
そこをはっきりさせる事は、今後の人生に大きく関わってくる故に、やればできるという事を自分自身に確かめる必要がある。
もはや、自分との戦いモードに突入した訳だ。
仕事は、ゲーム感覚でやるぐらいが丁度いい。

大切なのは、何をするべきかを明確にし、それに対しての優先順位をしっかりと見定めた上でブン回す。
たったそれだけの事だ。

時には躓いたり、スベったりする事もあるだろう。
その時は一呼吸置いて、しっかりと成立役を目押しすればいい。
そうすれば、結果は必ず付いてくるはずなのだ。


お昼休憩の時間になり、店の近くにある公園のベンチで昼寝をする。
仕事終わりにスロットに行く為の英気を、これで養うのだ。

…今すぐベンチを取り壊してはくれないだろうか。

休憩から戻るや否や、店長から突然呼び出しがあり、すぐさま向かう。
すると、何やら難しい表情で、

『異動の話なんだけど… 色々と今すぐに配置転換というのは難しいそうで、来年まで我慢出来ないかな?』

…このパターンは、取り合えず留めさせようとする、思わせぶりな演出だ。

しかしながら、すぐに辞めたいという訳ではないし…

「来年ですか… わかりました」

チーフとの関係次第ではどうなるかは分からないが、一応そんな返事をしたのだった。

ただ、この部署でも唯一幸せな時間があった。
それは、とても仲の良いパートのおばちゃんの存在だ。

息子のようにいつも可愛がってくれ、チーフの目を盗んではおいしいお菓子や、小物をよくプレゼントしてくれる。

そして何より嬉しかったのは、そのおばちゃんもスロットが大好きだった、という事だ。

それ故に、チーフの目を盗んではおばちゃんと色々な話をした。
この至福な時間を“リーチ目”ならぬ、“チーフ目”と2人で名付けてみたり、おばちゃんが切ってくれたスイカを3つ棚に並べて、

「おばちゃん、見て! 強スイカ出来たよ!」

そんな急なフリにも、

『あら、本当だわね! チーフの頭にゲンコツボーナス直撃ー!』

と、そんな下らない事を言って、いつも私を笑わせてくれたのだ。
そんなおばちゃんが私は心底大好きだった。

しかしながら…そんな大好きなおばちゃんは、その2か月後に突然亡くなってしまうのだった。
もっと、大好きな気持ちを伝えておけばよかった。

この時初めて、全ての時間の優先順位をスロットに充てていた自分が、ひどく馬鹿らしく、ひどくちっぽけに思えた。
もっともっと大切にしなきゃいけない事とか大切にしなきゃいけない時間はたくさんあるんだって、そんなメッセージを、最後におばちゃんは私に残してくれた気がしたのだった。



【2008年2月】



社会人になり、もうすぐ1年が経つ。
チーフとの関係性は相変わらずだが、慣れというのは恐いもので、ちょっとやそっと罵倒されたり嫌味を言われる位では微動だにしない、鋼鉄の心をいつの間にか取得していたようだ。

そして、この部署の環境にもようやく慣れてきたのだが、そんなタイミングで店長から、

『3月に異動が確定したので宜しく』

と、長らく待ち続けた異動のお話を頂くのだった。

仕事にも最近はだいぶ慣れ、休みの度にスロットで心のままに打ち散らかそうとも、お金に困る事だってほとんどなくなった。
そして、お金に困る事がほとんどない中でやるスロットは、生活費ギリギリでやるスロットより、とても刺激が少ない。

当たり前の事なのだが、この事実には色々なヒントが隠されていそうな気がした。



【2008年4月】



新しい部署の環境にもすぐに馴染み、通勤ルートでのマイホも確保し、生活も安定した今日この頃。

一つ気がかりなのは、彼女との将来だ。

公園でひどい一言を言ってしまったあの日から、一緒に居ても、彼女が何を考えているのかが良く分からないことが多くなった。
率直に言うと、一緒にいてもつまらなそうなのだ。

今ならば少しは、先を見据えた将来の話をする事も出来るだろうし、その必要もあるのだろう。
社会人一年記念というのを建前に、彼女の笑顔を少しでも見れるような、そんな何かしらのサプライズ付きの食事会でも考えよう。

さっそく彼女に、“来週あたり、都合の良い日で夜ご飯でもどう?”そんなメールを送ったのだった。



【それから一週間後】



彼女との約束を無事に取りつける事が出来た今宵は、彼女への日頃の感謝の気持ちを込めて、大いにもてなしたい。
そんな気持ちがあってか、サプライズの一つとして、彼女が昔から欲しがっていたネックレスをプレゼント用に購入してきた。

少し前の自分だったら、到底実行できなかった計画故に、思わずワクワクする。

いつも通りの待ち合わせの場所に少し早く着き、彼女もその後すぐに到着した。

久々に会ったからなのか、なんだか服装も雰囲気もだいぶ大人になったような気がする。
そんな彼女を、少しばかり遠くに感じたりもした。


食事の方は、他愛もない会話が途切れ途切れあったくらいで、デザートを食べ終わるなり、すぐに店を出る。

向かったのは、前と同じ公園。

「少しばかり公園で話そう」

そんな事を言いながら、前と同じブランコに乗る。

そして、少しばかりの沈黙を破り、私から話始めた。

「前にここで話した時に、ひどい事を言って傷つけてしまった事が、ひどく自分の中で引っかかっていて、あの時は本当にごめん」

でも…と私が続けようとした所で。

『いいんです。 あの時は私も少しばかり気が焦っていた事を反省しましたから』

そこで再度。

「でも、今の自分は結婚に対する気持ちや仕事に対する気持ち、あとは経済的にもたいぶ落ち着いてきたから、近い将来一緒になれたらいいなって、今は真剣に考えてるよ」

そんなプチプロポーズみたいな事を言ったのだったが、それに対し…

『…本当にごめんなさい。 あれから色々考えたのですが、今後は友達として付き合っていけたらって思ってます。 勝手で本当にごめんなさい』

と、まさかの突確ならぬ、突別を切り出される。

「えっ… でも、友達に戻るのは無理だよ。 まだ好きだし」

別れって、こんなに前触れなくやってくるものなのか…辛すぎる。

『友達なら、一番の友達になれるのに…』

そんな事を、本気で言っているのか、気遣って言っているのか、それは分からなかったが、どちらにせよ希望がない事をここで悟り…

「分かった。 今までありがとう。 これ、プレゼント」

そう言いながらその場を去り、不器用な一つの恋が終わったのだった。



【2009年〜2010年】



この間は、

■食べる

■寝る

■適度に女性と付き合う

■スロット

この4つをひたすらループしていた“ダメ男”期間だ。
機会があれば、綴らせて頂きたいと思う。



【2010年6月】



一人暮らしをしながら、スロットだけで一生遊び暮らそうと100万円を軍資金に、無職になる。
これもまた機会があれば綴らせて頂きたいと思う。

 



長きに渡って、私の過去話【2007年〜2010年を】読んで頂き、本当にありがとうございました!

色々ありすぎて、最後の方は解凍出来ないくらいに圧縮してしまい申し訳ございません。。

そんな過去話も今回で一旦終了させて頂き、次回からはリアルタイムの稼働記事などをメインに展開できればと思っております!

まだどうなるかは分かりませんが、読者様が楽しんで頂けるような記事を書き続けたいと思いますので、今後とも宜しくお願い致します!

それでは、また会える日まで(^^)



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