[2]スロ吉れっどと規則改定語り [2018/11/14(水)] |
「ペナルティ禁止」とは、そのままの意味で、全ての遊技状態において遊技者がどのような打ち方をしても出玉性能に何も影響を及ぼさないようにすること。
「出玉率の下限55%を維持」とは、型式試験で最も出玉率が低くなる打ち方をしても、出玉率の下限55%を維持しなければいけないということ。
従来のAT機のシステムでは、押し順小役で「第一停止左リール正解」というパターンの抽せん値数(確率)を低くし、第一停止中or右リール正解の抽せん値数を高くすることで、通常時のベース(1000円当たりの回転数)を下げ、その区間で出玉を回収し、AT状態になったらその吸い込み分を吐き出す様にしたことでメリハリのあるAT機が出来ていました。
当然、変則押しをするとベースが上がる為、通常時はペナルティを課して、左からしか押させないようにしていました。
この仕組みのままAT機がペナルティ禁止となると、変則押ししまくりで高ベースで打ててしまい、ある意味攻略できてしまいます。
なので、どこから押されても優位性が出ない(攻略できない)ように、押し順小役の抽せん値数(確率)を全押し順で均等にする必要がでてしまいます。
また、型式試験の下限値55%維持のせいで、これまで試験で通用していたAT機が条件をクリアできなくなり、必然的に低ベース高純増のAT機が作れなくなってしまったのです。
結果的に、この通達が来たときの各メーカーの想いとしては、
「従来のAT機が殺された!」
で一致していたと思います。
ここで開発者として一番痛いのが、これらの通達が、
「従来のAT機の仕組みのまま開発をしている途中」
に来てしまった時と言えます。
開発の初期段階なら、まだシフトチェンジして出玉システムの見直しやゲーム性の再構築などが可能です。
しかし逆に、開発の大詰め段階に差し掛かっており、間もなく申請準備も出来ているといった終盤の段階で上記の通知が来てしまったら最悪。
さすがにゼロから作り直すのは開発コストが痛いので、なるべく通達内容をクリア出来る様なスペックを迅速に考え直し、演出などは基本そのままというシフトチェンジが余儀なくされます。
今は6号機の時代に突入しつつありますが、5.9号機から6号機に移行する際には、事前にそのような通達的な内容は各メーカーに予め知らされていたので、心の準備も出来ていた状況だったと言えます。
なので、6号機を見据えた開発は出来ていたでしょう。
しかし以前には、最も怖い
「前触れも無く突然来る通達」もありました。
とは言え、通達の原因を作っているのは各メーカーであるのも事実。
規則の裏をかいたり、試験通過の抜け道を探したり、お上さんが意図しないような事ばかりやってきたのが原因とも言えます。
遊技者を満足させるようなスペックやゲーム性作りの為にやっている事が仇となってしまうのは、何とも言えないですが。
6号機になったばかりで、今後も様々な規則改定や内規の取り決めが行われていくでしょうし、6号機もこれからいろんな進化を遂げていくことでしょう。
「メーカーとお上の鼬(イタチ)ごっこ」は今後も続いていくことでしょうし、ある意味パチスロ業界の伝統行事とも言えますね。
「恐怖の通達!! それでも足掻くスロ業界!」
今回のコラムはここまでにさせて頂きます!
それでは皆さん!
レバーに魂を込めて…Good Slot Life!
■ ライターへのコメント/ご意見/ご指摘などはこちらから ■
【 元開発者はかく語りき 】 メニューへ