[3]あの頃、あなたは若かった…_『だくだく/書割盗人(かきわりぬすと)』にのせて |
まだ、若かりし頃、わたくしの母もたまーにぱちんこに興じることがありました。
母の場合、ぱちんこに関しては「好きな台を打つ」ってな感じでしてね。
ハマったらとことんなタイプですが、「今日は○円まで」とか決めたら、必要以上に熱くならないタイプでしてね。
ぱちんこに対する向き合い方としては実に模範的な方でした。
海物語か何かで大量に出玉得た時に、店側から「正面入り口に別積みさせていただいてよろしいですか?」と言われたのを「晩御飯の用意があるから、確変抜けたら帰るので邪魔なら流してください」っていうツワモノでした。
お茶目な方です。
そんな母ですから、たまに一緒に打ちに行くこともありましたし、わたしのバイトが午後からの時に、わたしが午前中から打ちいって、午後から母がその台を打つなんてことをしたりもしていました。
バイト終わりに覗いたら、なんか倍以上に出玉増やしていたりしてね。
お茶目な親子でしょ?
というように、母も嫌いじゃないわけですね、ぱちんこが。
なんなら好きなもので。
なので、前述の「CR笑点」も勧めたわけですよ。
面白い台が出たと。
わたしも当時はスキップがびっくりしたわけですから。
なにより、そのスキップ機能の事をアツく語っていたのでしょうな。
母も笑点打ったりしていたようです。
「ようです」というのはですね。
勧めたくせに、並んで打ったりしたことはなかったんですな。
わたしも無責任なもので。
しかも、CR笑点。
時間効率いいし、回るしってことで、多分店側が粗利取りにくかったんじゃないですかね?
途中から、くぎがギチギチにされていたような記憶があります。
「これじゃ、スキップ以前に保留がたまらんわい。」
なんて思ったもので、そもそも打てる期間が短かったってことなんだと思うんですがね。
で、そんなCR笑点が出てから、数年経って母と、「あの時のあの台は面白かった」とか、「昔はあーでこーで」とか、昔話に花を咲かせていた時にふとCR笑点の話になりましてね・・・
三七 「いやぁ、20回転前後、千円で回る時代にスキップ機能だからね、良い時代だったわ。」
母 「ほんとよね〜。 でも、あの台ってスキップって言っても、よくわからないわよね」
三七 「? いや、結構はっきりスキップ感出てなかった? 『ポン』て。」
母 「え〜? そんなことないわよ〜。 普通に変動早くなるだけじゃない?」
お気づきでしょうか?
ここで、なんとなくスキップに対して、話がかみ合わなくなってきます。
というわけで、母にどうやってスキップしていたのか確認してみることとしました。
母 「なんか、ほら。 台の左下のところでしょ? そこに『ここで、スキップ!』みたいなのがあったじゃない? そこ『押していたわよ』」
ん?
『ここでスキップ?』
しかも、『押す?』
どういうことだろう・・・。
と、ふと思い起こしてみると・・・
当時、スキップ機能のあるぱちんこ機なんて珍しいものですから、ポップで案内がついていたんですな。
なんて言うんですかね?
イメージ的にはこんな感じです。
こんな感じのポップが台についていたのです。
センサーの斜め上あたりに、「ここを押してね」ってな感じで。
まぁ、「おすすめ品」ではなく、「触ってね」とか、「手をかざしてね」とかだったと思いますが。
で、母はそのポップの紙がセンサーなのかと思ってそれを「押していた」ってことなんですな。
もう、相変わらずの天然ぷりに笑っちまったわけなんですが、こうして書いてみて思うのは、そんなポップを押していても「スキップ」できていたってことは、それだけ変動が早かったってことで、結局は回る台に座れていたってことなんだなぁと思うと大したものでしだと、今更ながら思うわけです。
でも、しかし・・・。
このCR笑点のスキップって、台の持つ機能のキモなわけですよ。
しょうもない、いわゆる信頼度「★☆☆☆☆」みたいなリーチ演出見せられることもなく、どうせハズレだ、と思ってキャンセルすると、通常画面に戻って「あっ。当たっている!」みたいなことがあったわけですよ。
要は、打ち手がキャンセルするであろうことを見越して台を設計されていたということですな。
そのキモの部分が本来できる形でできていなかったわけですからね。
気になるわけですよ。
息子としては。
三七 「で、面白かったわけ? できてなかったわけだけど。 結構キモの部分だよ?」
母 「ウン。 スキップがよくわからないなぁとは思っていたけど。 面白かったわよ。 でも、わたしとしては別に当時できてないと思ってないからいいのよ。 面白かったから。 ただ、押した、『つもり』なだけだけどね。」
といったところでお時間です。
お目汚し・・・
え?
そんな勝手に身内の話書いちゃっていいのかって?
まぁ、大丈夫じゃないですかね?
書いている私は、母から許可をとった、つもりですから。
お時間です。
お目汚し失礼いたしやした。
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