[3]メーカー開発者の市場分析方法〜SISデータは見逃せない〜 [2017/10/19(木)] |
さて、今週のテーマだが、開発が市場での機械の動向をどうやって見ているかを紹介していこう。
いろいろあるのだが、まずは一番ベーシックに確認する方法としては、
ダイコク電気が出しているSISデータというものを参考にする。
ダイコク電気とは、ホールに設置してあるホールコンピューターの最大手で、
市場の約4割で設置されている。
そのホールコンから得られるデータがSISデータなので、市場サンプルが一番多く信憑性の高いものとなっている。
ここから得られる情報としては、
機種ごとの設置台数や平均稼働、平均粗利などとなっている。
例えば新台が出た時に、まず平均稼働をチェックしてみる。
平均稼働はメダルのIN枚数で表示されているので、回転数をざっくりイメージするなら3枚投入して1回転させるので、3で割ってやればいい。(実際はボーナス中のメダル投入とかも含むのでもう少し下がるがまぁそこは割愛)
最近の新台の初日の稼働の合格ラインは、IN枚数20,000枚を超えているかどうか、といった感じである。(20,000÷3で6670回転くらい)
逆にここを下回ってくると赤信号ラインなので、大物機種で20,000以下は各社戦慄が走る状況だ。
しかし、ひと昔前の新台初日は、24,000くらいまで稼働していたので、やはり市場の稼働低下は深刻と言える。
ちなみにここ最近でSISの初日データが一番よかったのがSANYOの聖闘士聖矢で、確か24,000を超えていた。
抜群の高稼働である。
対して、5.5号機ラストの9月の新台は軒並み20,000を下回っていた。
まぁ、新台が多すぎてユーザーが分散してしまったという要因もあるだろうが…厳しい結果である。
なお、平日新台を抜きにすると一番稼働しているのは…相変わらずバジリスク絆だ!強すぎィ!
続いて、粗利に関してだが、これは大体5,000円〜6000円くらいで収まっている。
10,000を超えると結構辛い台と感じる。
まぁ、普通に打っていると1万なんて余裕でなくなるので、納得いかないところはあるだろうが、みんなの幸せと不幸を平均するとこのくらいというわけだ。
ちなみに、近年まれにみる粗利を叩きだしていたのが、SANKYOのインフィニットストラトスであった。
粗利が1万どころの騒ぎではなく、6万近くまでいっていたので、数字を見るだけで触ってはいけないと肝に銘じたものだ。
おそらく、適合がらみで色々ゴニョゴニョあった結果だろうが…
逆に、ジャグラーや大物機種などは、初日の粗利が2,000円以下になっていたりと、期待の表れが設定に見て取れたりする。
ただ、どれだけ期待の新台で設定を使っていても、基本は粗利が取れているわけだが、ごくまれに粗利がマイナスの台が出てきたりする。
こういう時は、設定が入っているとかではなく、確実に激甘、ないしは設計ミスが起きている可能性があるので、大チャンスということになる。
すみやかに定時後は打ちに行くことになるだろう。
このような形で、SISデータをもとに機械の稼働状況をとらえているというのが、一番ベーシックな手法になる。
もっと詳しく機械の性能を見たい時は、機種ごとのデータ詳細などをさらに追っていくことになる。
ただ、本当の機械の面白さなどはやはり自分で打ってみてみないことにはなかなかわからない。
実際にホールで打つ習慣は無くさないように心掛けていきたい。
今回のコラムはここまで。
では、みなさんまた次回!
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