[3]バグは天下の回り物 [2017/10/5(木)] |
質問への回答はこのくらいにして、今週のお題である「バグ」について話していこう。
入社前はよく雑誌などを読んで、「ぱちんこで全回転がはずれました。」などの投稿を読むたびに、私は「嘘つけ!そんなこと起こるわけがないだろ!」などと思っていた。
しかし開発の現場に出ると、そういうことも起こりうるものだと実感することになる。
その原因こそが「バグ」である。
人間が作っている以上、絶対はないのだ。
しかし、ユーザーに迷惑はかかるし、メーカーも下手をすれば回収騒ぎにまでなるので、極力出したくないし、出さない努力は行っている。
バグを取り除くためにテストを行うわけだが、これに関しては自社でテストを行いつつ、デバッグ会社に依頼してテストを行ってもらうという体制が一般的だ。
このようなテストで大量のバグを振り落とし、製品として市場に投入される。
しかし、それでも発見されずに生き残ってしまったバグが市場に出てしまっているというわけだ。
バグにももちろん程度が存在する。
主に3段階に分けることができるだろう。
■LV1 : 見た目でわからない系
演出の法則性が崩れているなど、せっかく作ったルールが崩壊してしまっているようなケース。
例えば、同系統演出が3連続したら確定などの法則性があるのだが、一部確定しない場面があるとか。
まぁ、こういった法則性はイレギュラーなルートを考慮するのが漏れていたりすると起こりがちだ。
他にも、信頼度の計算が間違っていて熱い演出が全然熱くないなんてものもある意味バグだ。
しかし、これらはユーザーにはもともとの信頼度などわかりようがないので、不満は出てもバグという認識にはならないだろう。
ちょっと恥ずかしいが、黙っておけばバレないのでセーフと言える。
■LV2 : 見た目でわかってしまう系
映像系でバグが出ると、ここに入ることが多い。
あきらかにバグだとユーザーがわかってしまうので目立つ。
4号機の北斗で「暗闇を歩くケンシロウ」などが有名な映像バグだろうか。
ギリギリ遊技には影響を与えていないからセーフと言えなくもない。(震え声)
■LV3 : 明らかに遊技に影響を与える系
プレミアが出たのに当たってない等のケースで、明らかに不快感を与えるバグになる。
これがさらに確定告知に飛んでおいて当たってないなどまで行くと、完全に血の気が引くレベルである。
まぁ、このレベルには細心の注意を払っているので、真っ先に発見されるものにはなるが、自分の担当した箇所でこんなことが起きたらと思うと考えただけでも胃が痛い。
さすがにアウトだろう。
実際私も、某大手メーカーのとある台でLV3のバグをくらったことがある。
その時は、ART突入画面が出て、ノリノリでレバーを叩いたら通常画面に戻り、一瞬何が起きたかわからず茫然としたものだ。
バグだと理解し、一瞬呼び出しボタンを押そうかと思ったが、ホールに責任はない上に、現在通常画面にいるから証拠もない。
涙目で諦めたのを憶えている。
こういう事態が起きた時に妙に諦めがいい人間がいたら、それはきっと開発者に違いない…
このように、バグは基本みんなに迷惑しかかけないので、極力無くしていかなくてはならない。
しかし、それでも出てしまうことはある。
そんな時は、ホールに文句を言うのではなく、静かに写真を撮ってネットに晒そう。
次の日には、メーカー関係者の中で犯人探しが始まり、バグを残した人間には天誅が下されることになるので、君の復讐は達成されるだろう。
以上で今週のコラムは終了となる。
それでは、また次回。
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