[3]生まれてくる時代が悪すぎた「5.9号機」 [2017/9/7(月)] |
それでは本題に入ろう。
前回、6号機について軽く語ったが、実際規則改正は来年2月以降になる。
直近で皆さんが相対するのは、11月以降に出てくると思われる5.9号機となる。
しかし、5.9号機というのも実に微妙な立ち位置だ。
順を追って説明しよう。
まず一つ目は、その適合期間の短さである。
5.9号機の申請はもう始まっているが、6号機規則が来年の2月に施行されるため、あと6ヶ月程度の期間しか申請されないこととなる。
こんな期間では、機械の数自体もあまり出てこないだろう。
次に、現行新基準機と比較しても明らかに魅力がない。
最も大きいところは、「有利区間1500G」の縛り。
これは、どんなに頑張っても約3000枚で打ち止めを意味している。
この「有利区間」とは、ARTの抽選を行っている区間のことなので、実際は1500Gフル消化できることは稀であろう。
純増が2枚に抑えられた新基準機でも、聖闘士星矢など一撃性の高い台で人気を博していたが、そのような機械ももう作れなくなる。
加えて、ARTの抽選にも大きな足枷が加えられている。
基本、ARTの抽選に設定差がつけられないことになる。
例えば、昨今の機械ならば強チェリーを引いた際、設定1なら20%、設定6なら40%などと設定差をつけるのが普通だが、これは5.9号機では禁止されている。
ART機なのに、ボーナスとコイン持ちで設定判別をすることになる。
この二点をまとめると、出玉性能もゲーム性も現行機よりかなり制限される。
単純に性能が落ちるということだ。
にもかかわらず、5.9号機が設置されている時期にライバルとなるのは、現行の新基準機の生き残りと、再認定を受けたAT機。
どう考えても勝ち目は薄いだろう。
おまけに6号機がもう見えているため、どのメーカーにも規則の裏をつくような新システムが用意されているとは考えにくい。
5.9号機ART機は、まさに二千円札の如く目立たず消えていく可能性が高いように思う。
では、メーカー側は何を作っておくのが賢明かといえば、ズバリノーマルタイプだ。
6号機規制の恐ろしいところは、今までの規制ではノーマルタイプだけは変わらない性能で出せる安定感があったのに対して、そこすら維持できないことにある。
一方、5.9号機はノーマルに規制が影響しないため、現行の性能の機械が出せるというわけだ。
6号機に移行してもしばらくは5.9号機が設置できるであろうことを考えると、中途半端なART機を作るよりは、ノーマルタイプを作っておいた方がホールに長く生き残れる可能性が高いと思われる。
しかし、こればっかりは蓋を開けてみないとわからないのも事実。
もしかしたら、5.9号機にとんでもない隠し玉を用意しているメーカーもあるかもしれない。
何かと存在感の薄い5.9号機だが、今後の各メーカーのラインナップから力の入れ具合なんかを推察してみるのも、ちょっと違った視点で面白いかもしれない。
それでは皆さん、また次回もよろしく。
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