[3]打ち手に不評でも、メーカーが映像の3D化に走る理由 [2018/2/8(木)] |
他にも、ゲーム性に合わせて3Dにした方がいいケースもある。
2Dは、パターン数を作るのには向いていない。
例えば、バトルの演出で味方が3人、敵が3人いて、それぞれ誰かが出てくるとなると3×3=9通りの2Dムービーを作らなければいけなくなる。
この程度のバリエーションならまだ何とかなるが、これが10 VS 10になった日には………10×10で100通りである。
もちろん、そんなに作れるわけはないのである…
要は、メインとなるゲーム性がバリエーションの豊富さで楽しませるようなものであれば、2Dでは数パターンしか作れず、特定のパターンしか出ないつまらないものになってしまうので、3Dを使っていく必要がある。
そうでなければ、しっかり原作のイメージを生かした2Dで作った方がユーザー受けはもちろんいいだろう。
ということで、バジリスクや一騎当千はバトルパターンが非常に豊富で、対戦の組合せで信頼度を楽しむような感じの台に仕上がっているに違いない。
まぁ、バジリスクは争忍の刻をやるなら、そりゃバリエーションは必要になるよなーと納得してしまう。
他にもバジリスクで言えば、「変な3Dを使うならスロットの映像を入れればよいのでは?」というような意見も出ていた。
しかし、考えてみてほしい。
スロでは好評だったミニキャラのバトルも、パチに移植した時にも受け入れられるかといえば、大いに疑問が残る。
そもそもスロットとパチンコの大きな違いは、演出を飛ばせないところにある。
そのため、パチンコはとにかく演出を最後まで注視されるわけだ。
さらに、パチンコは役物も含めて、とにかく演出が派手である。
その中で、あのミニキャラが互いにぶつかりあうバトル演出をパチンコの液晶でそのまま使おうという勇気は…自分だったら持てないかなと感じてしまう。
キャラごとに技の特性を出したり、攻防のやり取りをもっと詳しく表現したりしたくなるだろう。
倒した時のリアクションとかも欲しい。
そういった点からも、バジリスクは一から作らなければならなかったのだろう。
ということで、今回は映像関係の話について触れてみたが、今後は「なんで3D!?」と思う機械が出てきたら、ゲーム性等を確認してみて、「これがやりたいから3Dなわけね!」などと別の角度で想像してみてもらえば、もしかしたら3Dに対する印象も少しはいいものに変わるかもしれない。
………それは無理か。
以上で今週のコラムは終了。
それではまた次回。
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