[3]2017年の各メーカーについて振り返る [2017/12/28(木)] |
■大都技研
こちらは対照的に番長3が大ヒット。
さらに政宗2もヒットと、連続で成功して、かなりメーカーとしての印象値はいい状況だろう。
実際は、直前までかなり厳しい機種ばかりだったが、一気に持ち直している。
番長3で個人的にすごいと感じるのが、ゲーム性を大きく変えたところにある。
番長など強力コンテンツの場合、どうしてもユーザーのイメージが強く残っているためゲーム性は変更しにくいものである。
しかし、新基準になりベースが高くなる=ベルの成立頻度が上がるという点に目をつけ、ゲーム性をベル主体のものに変更するなど大胆な変更を行なっている。
結果的に、変に前作に無理に寄せて劣化版を作ってしまうのではなく、仕様に合った無理のないゲーム性になっている。
失敗したら、それ見たことかと周りに言われる状況が容易に想像できるので、勇敢さに感服である。
■平和・オリンピア
大物コンテンツがまったく出てこなかったので、全機種台数的にも控えめで、市場であまり見かけなかった印象。
特に、看板コンテンツの猪木やゴルゴなども他社から出てしまい非常に寂しい状況である。
アサルトラッシュやりたい…
平和は、ある一定のゲーム性でいけると判断したら、コンテンツだけを乗せ換えてガンガン機種数を出していくイメージが強かったが、2017年においてはそんな傾向は全く見られない。
まぁ、どこのメーカーも定番になるようないいゲーム性を生み出せてはいないので、確かに乗せ換えて量産できるような状況ではないだろう。
■北電子
ジャグラーずるい…
■三洋
今年度一番の大躍進。
聖闘士星矢海皇の大ヒットに加え、笑うせぇるすまん3もヒット。
業界では2機種連続ヒットが出ると、かなり認められる傾向にあるので、来年以降にもつながる最高のフィニッシュであろう。
しかし、星矢の出玉性能は凶悪である。
出玉を調整する際に考えるのが、一撃の強さとハマリ期間の長さであり、星矢の場合あまりにもハマリ期間が長すぎて普通は尻込みして、初当たりを軽くして一撃を下げるなどの調整を行なってしまう。
一番うまいなと感じたのは、ゲーム性の見せ方で、ポイントはGBを3戦させている点である。
あれがもし1戦で終わりなら、10%強の勝率のGBでひたすら負け続けるので、とてもじゃないが心が持たないだろう。
しかし3戦にすることで、1戦あたりの継続率を50%にすることができ、ある程度GB中勝ちぬくことができ、突破できなくても「惜しい!」と感じさせてしまう。
これを感じさせられたのが星矢で、感じさせられなかったのが北斗、という感じだろうか…
とまぁ、大手メーカーの2017年をまとめてみたが、やはり総じて厳しい印象だ。
個人的には、「これぞ!」と打ち込んだ一台は出てこなかった。
2018年は5.9号機しか出てこない。
各社の適合ストック次第で変わってくるだろうが、何とか来年は夢中になれる台が世に出ることを期待したい。
また、詳しくはまだ言えないが、6号機にも多少光が見えてきそうな部分もあるので、その辺も詳細がはっきりしたらお伝えしていきたい。
というわけで、今年度のコラムはこれでおしまい。
それでは皆様、よいお年を!
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