[2]ストップReストック [2013/12/10(火)] |
午後も工場のお兄さん達が、ドスの利いた声でドライアイスの行き場であろう『ゴディバ』やら『サーティーワン』やらを連呼している。
そんな光景を見て、色々な人の見えない所での努力だったり涙だったりが、全く知らない所で人を笑顔にしていたり、感動を生み出しているんだなぁと思った。
そんな事をしみじみと考えていたら、再度工場長に、ドライアイスを袋から出すのが遅いと怒鳴られる。
これが天武の極に直撃する。
悔しさと悲しさのW上乗せだ。
そう、結果大した事はないのだ。
あまりの重労働に全身の筋肉が硬直する。
時刻はPM6:00。
無事に勤務が終了する。
ここで軍資金に6kが足され、現在の軍資金16k。
工場を出ると、辺りは真っ暗で非常に寒い。
しかしながら、この開放感がたまらない。
ざわざわし始める。。。
もしスロットに出会っていなかったら、普通に仕事をして、普通に生活をして、普通の幸せを手に入れられていたのかも知れない。 ざわざわ…
ただ、スロットに出会った事で、たくさんの窮地を経験し、たくさんの境地を乗り越え、たくさんの人生の糧を得て、何より強くなることが出来た。 ざわざわざわ…
苦労は若い内に買ってでもしとけ、という言葉を胸に、同じ境遇に居られる方…何も心配する事はないはずです。
共に頑張りましょう!
ざわざわざわざわ… 世界は僕らの手の中〜!
時刻はPM7:00。
希望のスロット店突入。
最初は、罪悪感と迷いで押しつぶされそうだったこの負の連鎖が、今では不思議なくらい平気になってしまった。
私には、昔から大好きなアーティストがいる。
それは、尾崎豊だ。
こういった窮地に立たされると、決まって心の中に流れるテーマソングがある。
そのテーマソングとは、知ってる方もたくさんいるとは思うが『僕が僕であるために』という曲だ。
そのサビの歌詞の中に、
『僕が僕であるために勝ち続けなければならない、正しいものは何なのか、それがこの胸に分かるまで』
というフレーズがある。
そのフレーズが大好きなのだ。
10年程前に、この歌をギターでコピーしてオーディション会場で歌った事がある。
何より問題だったのは、このオーディションはオリジナルソングのみで、コピーは禁止だったという事だ。
その時の審査員やオーディション会場内の人達の私を見る目が、哀れな人を見る目だった事を、昨日のことのように思い出すことができる。
そして、少しの沈黙の後に審査員が放った一言が、
『君は何をしに来たんだい?』
……。
時刻はPM7:10。
私はスロットをしに来たのだ。
この16kで勝ち続けなければならない。
正しい物が何なのか、それがこの胸に分かるまで…。
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