[4]忘れられないあの悲劇 [2014/3/10(月)] |
地震から10日程経った頃、多賀城・石巻に行く機会があった。
変わり果てた街並を見て息をのんだ。
車はおもちゃのようにあちこちに投げ出されひっくりかえり、建物は崩れていた。
海辺の近くには、建物はほとんど残っていない。
こんな遠くから海が見えるのかと言うぐらい、全てを根こそぎ持っていかれてしまったのだ。
あの風景を僕は忘れる事はないだろう。
自然に手を合わせて拝んでいた。
津波。
一言で簡単に書けるけど、あれは本当に恐ろしいものだ。
皆さんも、もしどこか海岸線の近くで大地震に襲われたら、一目散に高い所へ逃げた方が良い。
津波を見ようと思って波にのまれた人も大勢いるみたいだが、そんなバカな事は絶対にやめて欲しい。
そしてこの時ぐらいから、花火は仕事を続けられる自信がなくなってきていた。
自分は何をしているのだろう?
この業界は本当に意味のない産業なのではないか?
頭の中にこびりついて離れなかった。
そんな思いを振り切る事が出来ず、地震後1か月。
僕の担当のお店がオープンするとの事でお店へ行った。
するとそこには、グランドオープンさながらの大盛況のお店があったのだ。
びっくりした。
世間では電気の無駄使いだなんだと大バッシングされ、僕自身も迷いに迷っていたが、そこには本当に大勢のお客さんに来ていただいていたのだ。
ホールのスタッフ達の話を聞くと、オープンする3時間前ぐらいからどんどん人が集まってきたそうだ。
ぱちんこやスロットをやっていた方が気がまぎれるだとか、ここは憩の場だったんだとか、オープンするのをずっと待っていたと大勢の方から言われたそうだ。
その時、単純に思ったんです。
あぁ、必要としてくれる人はこんないにも大勢いるんだなぁと。
確かに、スロット・ぱちんこはどこまでいってもただのギャンブル。
大衆娯楽だなんだと言っても、結局は大勢の人が負けるギャンブルなんです。
それでも、ここまでの方が足を運んでくれる姿を見て、正直胸が熱くなりました。
少しぐらい意味はあるんじゃないか?
なくなったら嫌な人だって沢山いるんじゃないか?
そう思えたのです。
皆さんは、ぱちんこ屋に何を求めるのでしょう?
勝ちを求める人、スリルと興奮を求める人、はたまたただの暇つぶしの人。
まぁ理由なんてどうでも良いのかなと思ってます。
下手したら、ぱちんこ屋にいる時の大半は苦痛の方が多いのかもしれません。
それでもなお、こうやって遊技をしてくれる人がいる。
また昔と違い、今は低貸も増え、お客さんに選択肢が増えました。
なんだかんだ文句を言いながら、花火もせっせとぱちんこ屋に通う。
勿論今のままの業界で良いとは思ってません。
いつも言うように、新台のサイクルの早さ、機械代の高騰。
それに伴いホールでは低設定に渋釘が蔓延してしまい、遊技者離れを起こしている。
花火は何を出来るのか、それは今も模索中だが、内外で声を上げていきたいと思う。
よりよい業界の未来の為に、自分に出来る事は精一杯やっていきたいと思う。
このコラムを読んで頂いて何か感じて頂けたら何より幸いです。
いつも読んで頂いて応援してくれて本当にありがとうございます。
もしかしたら、花火と同じように被災地で地震を経験した方もいるかもしれません。
思い出させてしまい不快な気分にさせていたらごめんなさい。
あの時の出来事を忘れてはいけないという想いで、今回書かせて頂きました。
あれから三年。
全ての被災者の心の傷が少しでも癒されてる事を願いまして、本日は終わらせて頂きます。
それでは皆さん、良いスロライフをっ!
【 トリテン外れの向こう側 】 メニューへ