[1]スロットウォーズ -episode1- [2014/7/2(水)] |
その日は、やけに目覚めのいい朝だった。
8時20分。
アラームが鳴る前に起きるなんて久しぶりだ。
しかし、俺に時間を無駄に過ごしているヒマはない。
トイレに行き、顔を洗い、髪を整えて歯を磨く。
与えられた時間でこれらのミッションを確実に遂行し、尚かつ余った時間でコーヒーを作る。
時間を合理的に使うことこそが俺にとって理想の生活であり、無駄のない人生を創造していく過程なのだ。
ホールまでは5分。
駐車場に車を停めて入場までに1分と計算すれば、8時54分に家を出ることが最も完成した行動となる。
シナリオはすでに完成している。
だが、本当のミッションはホールの中にあるのだろう。
戦いは始まったばかりなのだ・・・。
〜〜〜〜〜 脳内 〜〜〜〜〜
\ビーッ ビーッ ビーッ ビーッ/
【司令塔室】
司令官
「どうした。 なぜこんな時間に警報が鳴っている?」
右脳
「それが…ホストがホールに行く気のようです」
司令官
「ふっ、バカな。 今日は24日だぞ。 金などあるハズがない」
左脳
「確かに……どういうことでしょう?」
司令官
「はっ…! カレンダーを出せ!」
左脳
「え!? は、 はい!」
バサッ…
司令官
「く… やはり…」
右脳
「どうしま… こ!これは!」
司令官
「うかつだった… 25日は会社が休みだったとは…」
左脳
「と、ということはつまり…」
司令官
「ああ… 間違いない。 ヤツはすでに持っている」
右脳
「な…なんてことだ…」
司令官
「こうしてはおれん! すぐにメインコンピューターを起動させろ! ヤツを止めるんだ!」
右脳&左脳
「はっ!」
\パーフーパーフーパーフー/
《 脳内全域に告ぐ。 レベル10発生レベル10発生。 緊急体制を整えよ。 メソッドを対ホール用に切り替え、全力でホストを阻止せよ 》
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