[6]韓国トラベル -後編- [2014/5/31(土)] |
俺は倍賭け法の恐ろしさを痛感していた。
4,300円だったリスクがたったの4球で65,000円のマイナスになり、さらに70,000円という賭けを強いられる。
とてつもなくハイリスクローリターンな賭け。
誰も手を出さないわけだ。
もはやゲームの域を越えている。
今までにないプレッシャーが俺に押し寄せてきた。
でも後戻りはできない。 したくてもできないのだ。
「賭けなければならない」のだ。
俺は手持ちのウォンと現金を全てチップに替えた。
そしてそれを全て黒に・・・
いや待て!
待て待て!
よく考えろ!
もし・・・
もし負けたらどうするんだ?
全部なくなるんだ。
金を借りるのか?
こんな所で・・・。
社長 「なに? 金を貸してくれだと? 今旅行中だぞ。 どうしたんだ!」
俺 「いや、実はルーレットで全部スッてしまいまして。。。」
・・・・・・。
言えない。
言えるわけがない。
旅行中にカジノで全財産負けるなんて、アホの極めもいいとこだ。
他のメンバーにも白い目で見らてしまう。
もし借りたとしても、帰国後には公開処刑が待っている。
事務員たち 「ほら、あの人よ。 旅行中にカジノで・・・ヒソヒソ…」
ダメだ・・・それだけは。
ムリだ。 この歳で生き恥を晒すのは!
完全にビビってしまった俺は作戦を変更。
「1万円ずつ地道に取り戻していこう」作戦に変更する。
渡れないのだ。 さすがに7万の橋は。
が、
「勝負を降りた途端あっさりと黒に入る」
というお約束を予想して、少し色をつけた10万ウォン(1万4千円)を静かに黒に置く。
―その5投目―
カラカラカラ…
コロン…
次のページへ
【 ギャンブルエクスペリエンス 】 メニューへ