[4]韓国トラベル -後編- [2014/5/31(土)] |
黒、黒ッ。
黒に入れ!
スコアボードに赤が多く出ているのを見て、俺は少しイラついていた。
するとまた・・・
「ルーレットはね、同じ色が続き出したら、ずっと同じ色が続くんだよ。」
おじさんが話しかけてきた。
は?
なに言ってんだこの人w
逆だろ?
赤が多くなってるから黒に賭けるんだよ。
過去の統計だって1対1だろ? よく見ろじじい。
そもそもマーチンゲールやってんのも見りゃわかんだろ。
何連敗しようが関係ないんだよ! 俺には!
変な突っ込みに心で毒づいていた矢先、運命のボールが落ちる。
カラカラカラ……
コロン…
黒。
黒、黒だ!
ほらみろ。
よく見ろじじい!
なにが「続くんだよ」だ。
1/2なんてのはすぐに収束するんだよ。
こちとら確率論と必勝法の2段重ねでやってんだ。
遊びでやってんじゃねえんだよ。
勝負に水を指してきたじじいに心で説教。
ここで約24万ウォンが返ってくる。
何連敗していようが一回の勝ちでチャラになる。
やはりマーチンゲールは完璧な必勝法だ。
あれ・・・?
まてよ・・・?
24万ウォン??
ここで初めて根本的に勘違いしていたことに気づく。
俺は今まで、回を増すごとに勝ち金も倍に増えていってると思い込んでいたのだ。
相殺すると、この勝ちで浮いた金は3万ウォン。
つまり一番最初に賭けた金額だ。
実はこれは、旅行前からずっと勘違いしていたのである。
倍賭け法は、何連敗しても1勝すれば全て返ってくるが、プラスは常に最初の1単位。
つまり3万ウォンから始めると、何戦目に勝っても3万ウォンのプラスなのだ。
しかも今のレートで続けると、6戦目には賭け金は14万円にハネ上がり、負債の合計は27万を越えてパンクする。
仮に張れたとしても、プラスは4,300円。
マーチンゲールの恐ろしいところは、このハイリスクローリターンになっていくところなのだ。
しかもテーブルリミットに到達してしまうと、それ以上賭けられなくなる。
現実的には、リミット前にパンクするのが先だろう。
そして全財産を投じる勝負などできないとすれば、今日の俺は5連敗はできないことになる。
これに気づいた時は少しショックだったが、特にモチベーションは下がらなかった。
どっちにしろ勝率に変化はないからだ。
むしろ自分にムカついていた。
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