[5]韓国トラベル -前編- [2014/5/30(金)] |
空港にもデカい看板のあった、「セブンラックカジノ」という所へ夜10時頃に全員で到着。
このカジノは系列店で、他にも数店舗あるらしい。
韓国のカジノは韓国人は利用できず、外国人しか入れない。
これは、国民がギャンブルにハマり、国が腐敗してしまわない為の政策なのだろう。
おそらく、メタルチギと同じ位置付けだと思われる。
メタルチギとは、2006年に廃止された韓国のゲーム機で、日本の中古パチンコ台を改造して作られた機械だ。
それがギャンブル機として都心部で広まり、大衆受けして大盛況となったのだ。
その店の数はざっと2万軒あったが、うち5千軒は無認可だといわれている。
のちにその高い射幸性は社会問題となり、さらには公的機関の汚職問題も絡んで、8年前に完全廃止となったのだ。
この廃止には様々な背景がある。
まず売上げに目をつけた暴力団からの搾取。
そして警察までもが公然と金銭の要求。
これらはメタルチギ(パチンコ)が日本の文化であるがゆえに、合法化が曖昧だったためだ。
さらには、メタルチギの払い戻し上限が変更され、200倍だったものが25,000倍まで認可されたこと。
この高いギャンブル性が国民の生活に悪影響を及ぼし始め、深刻な社会問題となる。
しかもこの認可は汚職によるもので、大統領の甥まで絡んでいたのだ。
不幸中の幸いか、そのおかげで早急に廃止と相成ったのである。
これは古いが有名な話なので、知っている人も多いだろう。
おそらくそのへんの文献にも書かれている。
よく「韓国にはパチンコがない」といわれているが、それは宗教的な思想や民度の高さからくるものではなく、腐敗を極めた末になくなったというのが実態なのである。
では、話を戻してカジノに入店しよう。
入口でパスポートを見せて入場すると、場内にはざっと100人以上の客がいた。
内観は結構モダンで、上品な賭博場という感じだ。
映画などで見るのと同じである。
意外だったのは、場内がとても静かなことだ。
人が集まり、少しざわついている程度の感じしかしない。
それもよく考えれば、トランプやルーレットがメインなので当然かもしれない。
日本の賭博場といえば、競輪、競馬、競艇、パチンコなど、どれをとっても騒がしいイメージしかないので、変な先入観を持ってしまっていた。
こんな静けさの中で熱い賭けが行われている。
個人的には大好きな雰囲気だ。
入場した後はみんなバラバラの行動になり、同僚の一人はトランプへ、他のメンバーは適当に徘徊し始めた。
俺はフリードリンクにあった珈琲を片手に、場内をしばらく静観していた。
場内の隅っこを見ると、ゲームセンターのスロットマシンみたいなのが30台ほど並べてある。
だが遊んでる客は一人もいない。
面白くないマシンなのだろうか。
さらに遠くの方に、場内より奥へと続くスロープがあった。
奥行きが深く、よく見えない。
後から知ったが、これはVIP用の通路らしく、奥には大金を賭ける上客用の部屋があるらしい。
ハイローラーと呼ばれる客だ。
一体どのくらいの金を賭けているのだろう。
と、ここで突然小さな事件が起きる。
同僚の奥さんがスマホのカメラで場内を撮り始めたのだが、突然黒服3人が走ってきてその奥さんを取り囲んだのだ。
そしてすぐにスマホを取り上げ、その場で写真を消去してしまったのである。
場内の撮影は禁止だったらしい。
知らなかったとはいえ、あんなに物々しく囲まれると見ているこっちも驚く。
その場は口頭注意だけで収まったようだが、そもそもなぜ撮影禁止なのだろう。
カジノは独自の文明でも技術でもないはずなのに、不思議なルールだ。
そんなことを思いながら珈琲を飲み終わると、俺はあるテーブルに近づいていった。
見つけたのだ。
俺の新しい未来を作ってくれる、ルーレットがあるテーブルを。
もはや現金量産マシンと言ってもいい。
しかも2つもあるではないか。
10人ほど座れるようだが、今は両方とも埋まっている。
ちょうどいい。
どんなものなのか、席が空くまで観察してみよう。
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