[2]設定師時代のお話 [2015/5/6(水)] |
この仕事を始めた経緯は、第2回の連載で少し綴らせて貰いましたが、なぜ僕がこのホールで仕事をすることが出来たのかを少々。
この当時、このホールは特にパチスロの集客に関して悩んでおられました。
まあ、そういう悩みでもなければ新たに人材を入れる必要もありませんからね。
で、最初のやり取りの部分なのですが、「二見りょうという人間に設定を任せてはどうか?」という話を、主任さんからそのホールの社長さんに伝えて頂いたところ、最初はかなり怪訝な態度だったようです。
どこの馬の骨かも分からないヤツを、いきなり内部に入れても大丈夫なのかと考えるのは当然のことですもんね。
ですが、パチスロライターをしている人ですと伝えて貰ったところ、それなら話を聞いてみるかとなったらしいです。
この話を聞いた時は、ライターをしていたことが貴重な経験を積ませて貰うキッカケになったという事で、続けていて良かったなと嬉しく感じたことを覚えています。
この当時のメインどころ機種は、蒼天の拳や新鬼武者、エヴァシリーズでは魂の軌跡が一番新しかったかと。
まずこのホールの悪かったイメージを変える為に、一番手っ取り早く、一番当たり前の戦法として、
高設定を使ってアピールしていくことを提唱しました。
この頃はまだイベント規制も緩かったので、特定日を作ったり、メールの内容を意味のあるモノにしたりして、伝えていこうと試みました。
特に設定推測のし易いエヴァシリーズや、設定に対して比較的素直に反応するハナハナシリーズには高設定を集中的に使用。
まあ、高設定アピールをする時のセオリー的な戦法ですね。
何はともあれ、高設定を使うホールとの認識が徐々に伝わり、以前と比べて遥かに稼働数は上がりました。
この時は、やっぱりパチスロは高設定を使ってこそ楽しめるモノだなと、打ち手側としてもホール側としても強く思い直しましたね。
ちなみにですが、様々な戦略の甲斐もありお客さんは増えたのですが、世間一般的に見て大盛況かと言ったらそんなこともなく、閑古鳥が鳴いていた時と比べたらマシっていうレベルでした。
そんな光景を見てよく思っていたことが、
このキャパのホールで贅沢をしなければこれだけ設定が使えるのに、なんで他のホールはもっと頑張らないのだろう、ということでした。
勿論、客の多いホールにはそれなりの理由があるのは間違いないのだけれど、あれだけお客さんがいるのに低設定オンリーみたいな営業をしているホールを見ると、がめついなぁ等と思ったりしていました。
例えば、200台規模のパチスロコーナーで一日平均(平日・祝日含めて)8割以上稼働している様なホールなら、月に2回くらいオール設定4・5・6程度の配分をやったとしても、余裕で経営はしていけると思います。
当然、稼働の極端に少ないホールは厳しいところもありますが、それなりに稼働のあるホールは、世間が思っているほど厳しい状況じゃないということです。
この経験から、僕個人的な意見を言わせて貰うと、
ユーザーの減少に歯止めが掛からない一番の原因は、ホールにあるのではと思ってしまいますね。
ユーザー確保の為に、何やら薄利営業を各々のホールが心掛けていくように等の動きなんかも業界内であるような話も聞いたりしましたが、全国に何千と店舗がある現状を考えると、なかなか難しいでしょう。
それが実現できて、大多数のホールが頑張ってくれたら、ユーザー数は上昇していくと考えられるので、素晴らしい呼び掛けだとは思いますけどね。
少し話が脱線しかかってきたので戻しまして。
コンサル&設定師の仕事をしていて一番苦労したことは、第2回のコラムにも書かせて貰いましたが、
高設定の使用を打ち手に上手く伝えることでした。
これは、設置台数に対して稼働数が少なかったということもありますけどね。
具体的な設定配分を例に挙げてみますと、ハナハナシリーズ全20台の配分をオール4・5・6にしても、序盤の立ち上がりが悪いとサッとお客さんが引いてしまったとかですね。
月の予想稼働と当日の予想稼働、月の粗利状況や目標粗利状況等から、ここはビビらずオール5・6くらいでも良かったかなと後悔したりするケースも多々ありました。
当然、大前提にあるのは利益を上げることなので、お客さんとの駆け引きの上で配分は決めています。
予想はあくまで予想。
稼働数が予想と違うこともあれば、お客さんが思い通りに動いてくれるワケでもない。
今日という日をアピールする為には、ある程度お客さんに頑張って貰いたいと願っていることも多かったです。
カメラでお客さんの動きをみつつ、ヤキモキしていることが多かったですね。
あ〜その台高設定だからヤメないで〜とか、ようやくその6を掴んでくれたか〜といった具合です(笑)
ただ、お客さんを自分に置き換えた時、このホールで上手く立ち回れるか、確実に設定が入っていると見抜けるかといったら、簡単ではないなとも思っていました。
次に、この仕事をしていて一番辛かったこと。
それは、社長さんを含めた役職さんとのやり取り。
このホールでは、月の目標粗利額を前月の末に言われるのですが、まずここで一悶着あることも。
新台入替の状況やシーズンによって見込める稼働数、強化したい機種や特定日で叩きたい赤字の額などから計算して、それはちょいと厳しいですって時は、よく討論になりました。
ホール経営は慈善事業じゃないということは百も承知でしたが、お客さんが居てくれてナンボの商売。
稼働ありきってことを、常々提唱し続けてきました。
ただ、打ち手側の気持ちもホール側の気持ちも強く分かる立場となってきていただけに、こういった話し合いの時は胸が痛くなりましたね。
ガチで店長さんと喧嘩することもありました(笑)
この日だけは絶対にお客さんを裏切れないから、この配分をこれ以上は下げられない、じゃあ全台設定1にしますけどそれでお客さん居なくなっても良いんですね、等といった具合でドンパチしていましたね。
ですが、僕に甘っちょろい部分も多々あったと思いますし、お客さん想いの店長さんでもあったので、その後は店長さんの話も考慮して、色々と反省しきりでした。
恐らくですが、高設定をしっかり使われているホールの設定師さんは、どこも少なからず上の人とドンパチをされていると思います。
頑張っているホールを見ると、そういうお客さん想いの方が設定をしているんだろうなと、変に嬉しくなったりと、妄想したりしてしまいますね(笑)
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