ここでダイキチは、自分がパチスロ専門サイトのライターに選ばれた事を打ち明けた。ダイキチは得意満面である。
「ライター?」
「そう、ライター。この100円ライターじゃないよ」
「すげぇな、マジかよ。つーか、何でお前みたいな…」
「何だよ」
「ダイキチお前、大丈夫かよ。できるのか?ライターなんて。お前みたいなさ、じぇじぇじぇのヘタ郎に」
「何だよヘタ郎って」
「おいっ、ヘタ郎!」
「だから何だよヘタ郎って!」
「ヘタレ野郎を短縮してヘタ郎だろ。だってお前ヘタレ野郎だろ?」
「誰が…」
「そうだろ?」
「う〜ん…」
正面きって否定する自信は無いようだ。しかし阿呆ながらに、何やら記事として書きたい事があるらしい。
右手の肘をテーブルの上に乗せ、人差し指と中指で煙草を挟んだまま親指の上に顎を乗せると、ダイキチは窓の外を見た。
店の前の道路には車がひっきりなしに走り、遠くの高速道路の向こうに太陽が隠れようとしている。
「お前に記事なんて書けるのかよ」
「う〜ん…わかんない」
「だろ?下手な記事書いて恥かくのはダイキチだぜ?な、悪い事は言わないからよ、ごめんなさいって謝るなら今のうちじゃないのか?辞退した方が…」
「書きたい事はある」
「…え?ま、そうだろうけどさ。書きたい事はあっても、お前頭ん中に脳ミソの代わりにネギミソが詰まって…」
「パチスロの楽しさを書きたい」
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