先日、幼稚園年少の娘の父親参観に行ってきたんですよ。
普段はママと接することが多い子供。
しかし、たまにはパパと娘が主役でもいいじゃない!をコンセプトに、幼稚園の教室にて1時間程度、パパと子供が一緒にいろいろと遊ぶ、それが父親参観。
なのですが・・・
我が子が通う幼稚園の父親参観には、一つ罠が仕掛けられています。
それは、「親子でミニゲームに参加し、勝ったら豪華賞品プレゼント」というイベント。
こう聞くと、「勝てば、ここでしか手に入らない子供絡みのレアアイテムとか貰えるのかも」とか勘違いしがちですよね。
実際、4年前の息子の時の父親参観でのパパたちの張り切りようはものすごく、皆、なんとしてでも勝つんだと鬼気迫る感じでしたから。
確かに僕も、何も知らなければ絶対勝ちにいっていたと思います。
子供絡みのレアアイテムなんて、絶対欲しいじゃないですか。
しかし、実際は違うんです。
待っているのは、実質罰ゲームなんです。
息子が年少の時の父親参観では、勝者となったパパにいきなりおもちゃのマイクが渡され、園児の両親たち約60〜70人を前に、「プロポーズの言葉」や「ママに向けて愛の一言」などという地獄のような要求が繰り返されるのです。
僕は、先輩パパたちからこの情報を事前に入手していたため、ミニゲームでは全力で負けに行きました。
嫁も嫁で「流れ弾は勘弁」と思ったのか、「負けの方向でお願いします」としっかり同意見。
言われなくてもそうするから安心してくれ、と、この時は妙に絆が深まったものです。
絆の深め方って様々ですよね。
そんなわけで、今回の娘の父親参観でも、当然負けにいくことは決まっています。
そして、4年前の経験があるため僕のシミュレーションは完璧。
ミニゲームについても、各クラスでどんなことをやったかも押さえておいたので、何が来ても大丈夫です。
あらゆるゲームに対して負ける準備が整っています。
こうして万全の態勢で臨んだわけですが・・・
提示されたミニゲームは、まさかのフルーツバスケット。
今までにないタイプのものが飛び出してきました。
ええ、焦りました。
ご存知かと思われますが、フルーツバスケットは運にも左右されるゲーム。
席移動が必要になった際に、近くに空いているイスがなければ必然的に負けてしまいます。
そしてどうやら、今回に関しては「席に座れず負けて鬼になると、あとで先生のお手伝い(という名の罰ゲーム)」というルールのようで・・・
この瞬間、本気で冷や汗が止まらなくなる僕。
いや、怖いですよ。
だって、なにやらされるかわからないんですから。
もしかしたら、「プロポーズの言葉」「ママに向けて愛の一言」なんかじゃ済まないかもしれない。
「アカペラでアンパンマンのマーチを熱唱」とか、ちょっとしたハラスメントを受ける可能性もあるのです。
ってか、この程度の事は全然普通にありえるんです。
軽くお腹が痛くなってくるくらい本気で気持ちがヤラれだす僕。
しかし、容赦なくフルーツバスケットの準備が進められます。
そして、いよいよ開戦。
周りを見ると、大半のパパたちは「たかがゲームだし」と余裕の表情ですが、数人ほど、僕と同じようにギラついているパパたちもいました。
多分、リピーターたちでしょう。
そう、僕と同じく、事前に情報を掴んでいるのです。
彼らと争ってはダメだ。
そう直感しました。
「賭博黙示録カイジ」におけるエスポワールでの限定ジャンケンで、リピーターと安易に闘ってはいけないのと同じ論理です。
緊張による腹痛を通り越して、やや吐き気まで登場してきたところでついに開始のゴング。
ちなみに、娘が頭にかぶっている紙の帽子には、「レモン」の絵が描かれています。
つまり、「レモン!」とコールされたら、僕ら親子は席を移動しないといけません。
すると・・・
先生 「レモン!」
いきなりのレモンコール炸裂です。。。
4つ用意されていたフルーツのうち、いきなりヒットしてしまいました。
慌てて席移動すると、なんとかセーフ。
まずはクリアです。
ホッと一安心していると、座れなかった親子がイスに囲まれている中央に。
いわゆる「鬼」です。
この鬼の子供の方が、次なるフルーツをコールします。
「バランスを考えれば、あと2回くらいは安泰かな」なんて呑気に構えていると・・・
鬼 「レモン!」
予想外の2連続レモンに、完全に出遅れました。
年少の園児にバランス感覚を求めた僕のミスが悔やまれます。
まあ、油断していたのは僕だけではなかったようで、おかげで今回もなんとか空き席に辿り着けました。
そして、先ほどの要領で鬼になった親子が中央へ。
するとすかさず・・・
鬼 「レモン!」
おいおいおい・・・・・・
いや、どうやら年少くらいの子供って、前の流れをそのまま踏襲する性質があるみたいなんですよ。
「前の子がレモンって言ってたし、レモンでいいや」みたいな。
ここへきてようやく気づきました。。。
そんな子供の無邪気さもかわいいよね、みたいな雰囲気で周囲では笑いが起こっているのですが、こちとらそんな余裕はありません。
ここぞという時のビタ押し並の真剣さで、空き席を探します。
しかし、今回はなかなか空き席が見つかりません。
そうこうしているうちに、座れていないのは僕ともう一組の親子だけに。
もう覚悟しました。
気持ちが焦りまくりで、冷静に空席を探す余裕が自分に残っていないことがはっきりわかったのです。
大いなる絶望の中、「ごめん、俺、負けるよ・・・」的な感じで、捨てられた子犬のような悲しい顔で嫁の方を見る僕。
「この幼稚園の罰ゲーム、嫁を巻き込む性質が強いけど、よろしくね・・・」みたいな。。。
すると嫁、何やら必死にジェスチャーしているじゃないですか。
どうやら、空き席の位置を教えてくれている模様。
嫁が指差す方向を見ると、やや見えにくい位置にポツンとイスが置いてあるのを発見!
駆けました。
娘を抱えながら、今年一番であろうダッシュを繰り出しました。
娘、完全に引きずってました。
しかしそのおかげで、なんとか無事にイスをゲット!
いやぁ、あの時のことは今思い出しても冷や汗が出ます・・・
「いくらなんでも大げさすぎない?」と思われるかもしれませんが、あの幼稚園の罰ゲームは本当に心的ダメージが大きいんですよ。
お金払ってでも回避したいくらいイヤなんです・・・
あくまで僕にとっては、ですが。。。
こうして、最大のピンチを乗り越えた僕。
しかし安心したのも束の間、次の鬼がコールしたのもやっぱり・・・
鬼 「レモン!」
まあ、さすがにわかります。
そりゃそうなりますよね。
しかし、ようやくここで先生から待ったがかかりました。
「レモンばっかりになってるから、他のフルーツも言おうね〜」みたいな感じで。
先生グッジョブ!
これにて、以降はレモンが登場することなく、無事に逃げ切り成功。
結果、鬼になったのは6人のパパたち。
この6人のパパたちは、先生たちによって別室へと連れていかれました。
エスポワールで敗北した人間が別室に連れていかれるがごとく・・・
約5分後、先生たちとともに戻ってくる6人のパパたち。
見ると、6人のパパ全員がフリフリな感じのかわいいエプロンを着せられています。
なんなら、先生たちよりも乙女チックでかわいい感じのエプロンです。
ということで今回の罰ゲームは、、、
「やりすぎなくらいかわいいエプロンを身にまとい、感情をこめて紙芝居を読む」
・・・でした。
別室で指導されたんでしょうね。
パパたちは、セリフ部分をすごく感情込めて読まされておりました・・・・・・
年中からは平穏無事な父親参観になるのが通例ですが、意表をついて不意に年少方式が採られるのではないかと今からビクビクしている僕がいます。。。
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