ドラマ「孤独のグルメ」にハマったんですよ。
元々マンガ版は好きだったものの、ドラマ版は観ていませんでした。
しかし、我が家のテレビにNetflixという動画サービスを導入したことがきっかけで、孤独のグルメにドハマリしまして。
孤独のグルメをご存じない方のために、簡単に説明させていただきますと、、、
『主人公である井之頭五郎が、仕事で訪れた各地(主に東京都内)でビビビっと来た飲食店に一人で入り、誰に気兼ねなく好きに頼んで好きに食べる』
・・・という感じです。
マンガ版はすごく淡泊な内容なのですが、ドラマ版はある程度ストーリー性もあり、かつ、出てくる飲食店もテレビ製作スタッフが厳選した「一見小汚いけど、実は名店」みたいな店ばかりで、すごく面白いんですよ。
もう、食欲そそられまくりです。
ということで、ドラマ版の孤独のグルメにハマって以来、フラリと街の定食屋に一人で入りたくてうずうずし始めちゃいまして。
昼過ぎに少し時間ができると、嫁に「ちょっと五郎してくる」と告げ、一人昼飯へと出向く日が続きました。
「五郎」とは、もちろん主人公の「井之頭五郎」から拝借したものです。。。
しかし、五郎初日から大きな問題にぶつかりました。
あのですね。
そもそも、「一人で良さげな飲食店にフラリと入る」なんていうオシャレな高等技術、僕には一切備わっていないんですよ・・・
「人見知り」かつ「一人が嫌いな寂しがり屋」という相反する要素を併せ持つため、牛丼屋以外は一人で入ることがほぼないのです。
あとは、いろいろと悪い想像をしちゃうのもまずいですね。
店に入った瞬間、気風のいい大将とかに、
「お、一見さんかい!? よっしゃ、今日は珍しい魚が入ったから食べていきな! え? 魚の名前? そんなの知るけぇ!」
みたいな感じで、よくわからない魚定食をお勧めされてしまったりしたら、どうやってかわせばいいのかとか。
いや、わかりますよ?
「知らない魚の定食勧める大将なんていないだろ」という皆様のご意見も。
でも心配性な僕の妄想は、10代の性欲と同様、誰にも止めることができないのです。
ということで実は、嫁に「ちょっと五郎してくる」と告げて家を出ても、10割の可能性でコンビニやらモスやらで買って帰ってきて家で食べる、というパターンが続いていたんです。
嫁からは、「五郎って、テイクアウトメインの人だったっけ?」といじられながら。。。
そんな悔しい日々を過ごしていた中での、とある日。
いつものように嫁に、「天気もいいし、ちょっと五郎してくるから」と伝える僕。
「あっそう、頑張って」と生暖かく見送る嫁。
どうせ数十分後に何かを持ち帰ってくるのだろう、といった空気をビンビンに感じます。
この時、僕は思ったんです。
「今日こそ、勇気を出してどこかに入るんだ!」と。
「大人の階段、今こそ登ろう!」と。
(※注:管理人は39歳)
そんな高尚な覚悟(?)が良かったのか。
道すがら、ふと目に入った揚げ物屋の前で足を止める僕。
メニューは主に、とんかつ定食・メンチカツ定食・かつ丼・天丼など。
ほんと、今でもびっくりなんですけど、気付けばその店ののれんをくぐっていたんですよ。
ついに、ちゃんとした五郎が出来たんですよ!
牛丼屋以外は、まともに一人で入れない男が!
入ると、中はほぼカウンターしかない感じ。
2席ほど、テーブル席もありました。
客付は5割ほどでしたが、2席ともテーブル席が空いていたので「テーブル席いいですか?」と聞こうとするも、「テーブ・・・」のあたりで「お一人様ですね!カウンターへどうぞ!」とバッサリ。
いや、まあそうですよね。。。
だったら、今カウンターにいる人たちもテーブルの方がいいでしょうし。。。
そりゃ わかるけど・・・
こっちは初五郎なのに・・・・・・(←先方としては知ったこっちゃない)
こうして、至極当然な流れでカウンターに座る僕。
メニュー表をしばし眺め、これだ!を決めた品を注文。
その後は、なんとなく店の雰囲気などを観察します。
うん、いい。
まさに孤独のグルメ・・・いや、五郎的な店。
こういうところを求めていた!
そんな感じで一人盛り上がっていると、ほぼ同時に両隣りに食事が到着。
見ると、偶然にも二人とも「とんかつ定食」。
「まあ、揚げ物専門店だし、とんかつ定食がかぶることは普通だよね」なんて思いながら、我が飯を待ちます。
すると、、、
まずは左隣りの御仁。
もうね、親の仇のごとくめちゃくちゃソースかけるんですよ。
「それ、とんかつというかソースの味しかしないんじゃ・・・?」ってくらいに。
とんかつが、ソースの海におぼれてましたから。
まあ食べ方は人それぞれだし・・・と、なるべく気にしないようにしていると・・・・・・聞こえてきたのは、ソースだばだばとは逆サイドになる、右隣りからの「サクっ!」という音。
見ると、こちらは一切の調味料をかけず、とんかつそのままを召し上がっているじゃありませんか。。。
いやぁ、これには本当に困惑しました。
初めて五郎に成功した店にて、隣りで「テーマはプール?」と問いたくなるくらいにソースどばどば、と思いきや、逆隣りはノーソースでサックサク。
やんわりとしたドッキリ?なんて一瞬疑ってしまったくらい。
ほら、最近は一般人をドッキリに仕掛ける番組もあるじゃないですか。
ほんと、そんな可能性すらも一瞬疑ったくらいびっくりしたんです。
でも、やはりドッキリではない模様。
ただ単に、初五郎にして極端な二人に挟まれてしまうという事態に見舞われただけ、と。。。
左隣りはソースだばだば。
右隣りはノーソース。
東京03風に言うと、「ちょうどいい奴いねぇのか!」状態ですよ。
こうなったら、真ん中で挟まれている自分が頑張るしかない。
ちょうどいい奴になるしかない。
そう思ったものの、悲しいかな、僕が注文したのは「かつ丼」なんですよね。
ちょうどよさが見当たらない・・・
そのまま食べる以外の選択肢がどこに・・・
以上、そんなほろ苦い感情に包まれた僕の初五郎でした。
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