投稿日 |
2010/7/16 |
投稿者 |
ごんだわら さん |
年代 |
20代 |
性別 |
男性 |
職業/立場 |
教員 |
パチスロレベル |
中級者 |
以前、ハイビスカスと呼ばれる4号機があったのをご存じだろうか。
機体上部に巨大なハイビスカスを搭載し、かかれば「ドガーン」という爽快な音で告知してくれる。
また、一度ボーナスを引けば70%の確率でループするという爆裂マシーンである。
そこまでメジャーな機種ではないが、私はこの機種が大好きだった。
そして当時学生だった私は、毎日のようにホールへ駆け付けては、回していたのだった。
店員からは「またこいつかよ!よくもまあこんな毎日演出もない台を打つよなあ」という心の声が、宇水(るろうに剣心)の心眼のごとく聞こえてきた。
それもそのはず、ハイビスカスを打つ者は私以外いなかったのである。あのひげ(仮名)をのぞいては。
そのひげは私と同じペース、いや、毎日私より早く着席していたので私よりハイペースで、ハイビスカスを回していた。
そして、毎回、死にそうな顔をして、ドル箱はおろか、下皿さえ使うこともなかった。 かからないのだ。
またやられたのかよ、と、可哀相な目で見ていると、次の日にはしっかりと着席している。
なんなんだ一体、こいつの執念と金はどっからわいているんだ、と疑問に思う毎日だった。
ある日、私はこのひげの隣に着席した。
相変わらずうんともすんとも言わない。
電源が切られているかを疑うくらいである。
しかし、事は突然起こった。 恐れていた事態が。。。
ついに堪忍袋の尾が切れたのか、このひげ、自らのひげをハイビスカスにこびりつけたのである。
すると、これまた恐れていたことに、数ゲーム後に、ハイビスカスがドガーン、と光ったではないか。
なんたることだ、と横目に見ると、ほうらね、と言わんばかりに私を見下している。
ひげ、このひげ野郎、と心の中で反芻しながら、私もこっそりと剃り残したひげをこびりつけてみた。
だめだった。
まったくの無意味だった。
家に帰ってお袋のみそ汁が飲みたくなった。
そして次の瞬間、違和感に気づいた。
奴が隣でボーナスを消化しながら、こちらを見てにやついている。
お前のひげじゃだめなんだよ、確かに奴の顔はそう言っていた。
俺のひげはハイビスカスを咲かせる肥料なのさ、お前のは、除草剤だ、と言わんばかりだった。
ボーナス消化後、奴の台がゾーン中、うんともすんとも言わなかったことはここでは特記しない。
そして二度と奴を見ることはなかったこと、私が自分の台を離れる時、私とひげのひげをきちんとふきとったことも。
さよならひげ、また会いましょう。
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