投稿日 |
2014/10/18 |
投稿者 |
花緒 さん |
年代 |
30代 |
性別 |
女性 |
職業/立場 |
OL |
パチスロレベル |
初心者 |
久しぶりに遊戯場へ行ってみたんでございますの。
あたくしもここ最近はお仕事の方が忙しくて、なかなか遊戯場へ遊びに行く暇もございませんでした。
それでもお仕事もやっとひと段落ついたようでございまして、お仕事帰りに遊戯場へと赴いたのでございます。
ええ、もちろん二円相場の遊戯台でございます。
あたくしの財力では五円相場なぞはとうてい無理、ましてや二十円相場なぞはお大尽さまのご遊戯なさる特区とも言うべき場所でございます。
久しぶりなので少しわくわくしながら台を見て周りましたが、お客さんが多くてなかなか台を選べませんで、あたくしが選んだのはカエルさんでございました。
ええ、カエルさんなら財力の無いあたくしにも優しくしてくれるのでございます。
台の前に腰掛けて早速遊戯を始めますと、途端にぴかりと光りました。
ええ、隣のピエロさんでございます。
まぁ羨ましいと思いましたが、気にし始めるとあたくし胸の内がきりきりと痛みますもので、気にしないようにしていたのでございますが、そんなあたくしの事なぞお構いなしにピエロさんはぴかりぴかりとやり続けるではございませんか。
まぁ悔しい。
いったいどんな方がご遊戯になっているのかと思ってちらりと盗み見てみますと、まぁ何ともおでこの広いお兄さまがご遊戯になっておりまして、ええ、そのおでこの広さと言ったら何とも頭のてっぺんの方まで広々とおでこが広がっているではございませんか。
一方のカエルさんときたらなかなか頑張って頂けず、それでもレバーをかちんと叩いた途端にリールがぶるぶるっとなりまして、あらこれはきっと当たり目が出てくれるに違いないと期待してボタンを押してみたのでございますが、いつものようにぴゅるるるっと鳴っては頂けずじまいでございます。
まぁ悔しい。
それを知ってか知らずか、おでこのお兄さまときたら何度も何度もぴかりぴかりとやり続けておりまして、その光があたくしの胸の内にちくりちくりと突き刺さるのでございました。
あたくしもう悔しくって悔しくって、お兄さまを盗み見ながら貴方なぞは台のランプではなくその広いおでこをぴかりぴかりさせていらっしゃれば良いんでございますなぞと密かに呪ってみたのでございますが、何とも無駄な事でございました。
ただひとつ気になる事がございまして、おでこのお兄さまのもうひとつ向こうに腰掛けてご遊戯なさっている初老の殿方が何とも言えず素敵な風貌をお持ちでいらっしゃいまして、どこかの親分さんかしらと見紛うばかりの逞しい殿方なんでございますの。
遊戯台に対して斜に構えてご遊戯なさって、固そうな拳骨でレバーをがちんがちんと叩いていらっしゃるではございませんか。
しかも斜に構えていらっしゃるので、その殿方のお身体があたくしの方を向いているのでございます。
そして時々、その殿方がちらりとこちらを見てらっしゃるではございませんか。
まぁ、もしかして、もしかしてこのあたくしを、まぁ、嫌ですわあたくしったら、思い上がりも甚だしいですわね。
いえ、きっとあの殿方が見てらっしゃるのはあたくしではなく隣のおでこのお兄さまに違いありませんわね。
だってお兄さまときたら何度もぴかりぴかりとやってらっしゃって、あの殿方だって面白くないのに違いありません。
ああ、いっその事その固そうな拳骨でお兄さまを、まぁ、嫌ですわあたくしったら、何て野蛮な事を考えているのかしら、遊戯場の中でそんな乱暴な事、まぁ、だったらお兄さまをお店の外に連れ出して頂いて、あら、ほんとに嫌ですわ、あたくしったらいつからこんな性格になったのかしら、あの殿方にそんな事をさせてはいけませんわ、そんな事をさせるくらいならいっその事あの固そうな拳骨であたくしを、まぁ、もうやめにいたしましょう、きっとあの殿方の眼中にあたくしなんて無いに決まってますわね。
あたくしは遊戯場の外へと出ました。
ええ、もうお家に帰る時間です。
久しぶりに来たのだから少しは楽しませて頂けるかと期待していたのでございますが、期待に反する結果に終わり、いえ、こうなる事は最初からわかっていたのでございます。
このあたくしの事でございますもの、そうに決まってますわね。
ずいぶん日が短くなったわねなぞと感傷的な事を思ってみた所でそれがどうにも嘘臭く、吹いてくる冷たい風に虚しさだけが募り、ああ明日もお仕事ねなぞという現実的な思慮があたくしを夢の世界から現実の世界に引き戻し、隅っこの草むらでこおろぎが鳴いておりました。
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