投稿日 |
2014/1/23 |
投稿者 |
花緒 さん |
年代 |
30代 |
性別 |
女性 |
職業/立場 |
OL |
パチスロレベル |
初心者 |
せっかく激闘乱舞になったのに、二回継続して獲得した硬貨が合わせてたったの五十七枚だなんて業腹でございましょう?
あたくしもう自棄になって、始動レバーをがちがちと叩き続けたんでございますの。
そしたらまあどうでしょう、桜桃が真ん中に止まったり西瓜が斜めに止まったりしたのに、まあケンシロウさんの弱いことと言ったら。
あんなので大事なユリアさんを救い出せるのかしらとあたくしの方が心配になるほどでございました。
おかげで今日はラオウさまのご勇姿を一度しか拝見できず、あたくしは再び遊技場内の通路をさまようことになってしまったのでございます。
どの台で遊戯しようかしらと思案しておりますと、目に止まったのは星矢さんでございました。
どうもあたくし星矢さん達とは相性がよろしくないようでございまして、いえ、こんなあたくしと相性の良い殿方なぞいらっしゃる筈もございませんで、相性の良い殿方がいらっしゃるくらいならあたくしだってこんな寒い日にわざわざ遊技場まで出向いてこようなんて考えずに殿方と肌寄せ合って暖め合って、まあ、あたくしったら何を言っているのでしょう、嫌ですわ、あたくしいつもいつもそんな事を頭に思い描いているわけではございませんのよ、ほんとたまにでございますのよ、それに実際にはそんな殿方なぞいらっしゃる筈もございません、もちろん星矢さん達とも相性がよろしくないのでございます。
それでも一輝さま、一輝さまのご勇姿をひと目拝見したいと思いまして、この遊技台の前に腰かけたのでございます。
早速遊技を始めてみますと、やっぱり相性がよろしくないようでございまして、星矢さん達はちっともご活躍になりませんし、一輝さまは出てらっしゃってもいつも自分がどこへ行こうが俺の勝手だなぞと言い捨ててどこかへ姿を消してしまわれるのでございます。
あんな風にあたくしの事を見捨ててしまわれると、あたくし余計に一輝さまにすがりつきたくなってしまうのでございますが、一輝さまには一輝さまのお考えがあるのでございましょう、あたくしはただじっと待っているほかはありません。
胸の奥がきゅっとなるのでございますが、こんな心持ちでずっと待ち続けるのもまたひとつの幸せかしらと感じるのでございます。
それでもしばらくすると画面に火時計が出てまいりまして、始動レバーを叩く度にボタンを押しなさい押しなさいと画面に出るものですから、あたくしも素直にぱちりぱちりとボタンを押しておりますと、まあずいぶんあっさりと大当たりになったのでございました。
するとどうでしょう、今までの相性の悪さが嘘のように星矢さん達が活躍し始めまして、次から次へと金色の闘士さん達をやっつけてゆくではございませんか。
かつんと始動レバーを叩きますと、真っ赤に燃え盛る炎の中に現れたのは、まあ一輝さまのお姿でございます。
紅蓮の炎の中を悠々とお歩きになられ、他を圧倒する威を放ちながら金色の闘士さん達をなぎ倒してゆくのでございます。
そんなお姿を拝見するだけであたくし胸の奥がじんと痺れてしまうのでございまして、一輝さまの為ならあたくしあの炎で焼かれても本望でございます。
一輝さまのそんなお姿を何度も拝見し、時には一輝さまは第六感ならぬ第七感にお目覚めになられ、その度に金色の闘士さん達が敗れ去ってゆくのでございました。
夢心地だったあたくしもふと我に返りますと、いつの間にやら四千枚より多い硬貨が出ておりまして、なんとも久しぶりにお財布の中身が増えたのでございました。
夢心地で何やら上気した心持ちだったあたくしでございますが、お店から一歩外に出ますと途端に冷たい空気があたくしの目を覚ましてしまいまして、行き交う人たちや自動車が目に入りますと、ああここは現実の世界なのだと思い知らされまして、そしてあたくしには相性の良い殿方なぞ一人もいないのだという現実を思い知らされたのでございました。
そんな現実をあたくしも自分で気づかぬうちに気にしているのでございましょう、だからこそあたくしは遊技場へ逃げ込んでくるのに違いないのでございます。
遊技場の中ではいつも一喜一憂、いえ、憂える事の方が多ございますが、それでもそこはこんなあたくしが現実から逃れる事ができ、ほんのひと時夢を見る事のできるただひとつの空間なのだと感じた次第でございます。
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