投稿日 |
2013/5/29 |
投稿者 |
ブチ さん |
年代 |
40代 |
性別 |
男性 |
職業/立場 |
サラリーマン |
パチスロレベル |
上級者 |
まだ俺が、本来ならパチ屋に入店してはいけないであろう年齢の頃、あまりよろしくない歳上の知り合いに連れられパチ屋に行った。
この時、生まれて初めて打ったパチンコが名機「ビッグシューター」。
しかし一度も大当たりを引けず、「くっだらねぇな、パチンコなんて」と思ったのを今でも覚えている。
そして一年後、今度は親戚の叔父さんと従兄弟に誘われ再びパチ屋へ。
この時打ったのが名機「道路工事」。
オトシに玉が入り、開いたハネが玉を広い、役物内に落ちた玉がVゾーンへと吸い込まれる。
この瞬間に、俺の人生が決まった。
ずっとパチンコ専門だった俺が、ある時パチスロという物に興味を覚え始めた。
ホールでパチンコを打っていると、どうもスロットのシマが気になるのだ。
そして、スロットへの転向を決意した。
転向を決意したその理由とは…
「スロットの方が若いお姉さんが多いなぁ」
という、健康な男児として健全極まりない理由だった。
しかし、俺は一度もスロットを打った事がない。
まず何が不安かと言えば、当然目押しができないという事だ。
それに、スロットのゲーム性や仕様も全く知らない。
そもそも、俺にはボーナスという概念が無かった。
どうすればコインがジャラジャラと出てくるのか、それさえも知らなかった。
時は4号機から5号機へと変わりゆく時期。
それほど遠い昔ではない。
となれば、誰かに教えてもらうしかない。
この当時、俺の周りにはスロ打ちがいなかった。
が、一人だけいた。
俺より10歳は歳下の妙齢の女子だ。
この彼女にご教示を願い出ると引き受けてくれた。
人生初のスロット。
その当日、その彼女と一緒にホールへ入る。
せっかく教えてくれるのだからと、彼女には授業料として5000円渡した。
まぁその分たっぷりと教えてもらおう。
この時のホール、4号機と5号機が混在しており、俺の人生初のスロットは、あの4号機「俺の空」だった。
ちなみに俺が4号機を打ったのはこの時くらいなものだ。
さて、おっかなびっくりコインを投入する。
レバーを叩けばリールが回転する事くらいは知っている。
ボタンを押せばリールが停止する事も知っている。
が、そこから先は未知の世界なのだ。
さっそく彼女に質問する。
「どうすりゃいいんだ?」
「テキトーに押してれば大丈夫」
「ふ、ふ〜ん…」
そう言われては、テキトーに打つしかない。
何もわからないのだ。
彼女は少し離れた台で打っている。
そしてこの時、彼女はそりゃあ短いスカートをお召しになっており、脚を組んで打っているのだ。
「やっぱスロットに転向するのは間違ってない! これからの時代、やっぱスロットだぜ!」
テキトーにレバーを叩き、テキトーにボタンを押す。
そんな単調な作業を繰り返していると、何やら画面が騒がしい。
「俺は男だ!男だぞ〜!」
「ちょ、ちょ、ちょっと…」
慌てて彼女を呼ぶ。
「なんか、ボーナスが出るらしいんですけど」
「ふ〜ん」的なテンションの彼女。
「目押しってどうやれば…」
ここはひとつ、目押しのコツを教えてもらおう。
すると彼女、台の脇に立ったまま俺の台のボタンをポンポンポンッと押し、あっさりと7が揃う。
「すげっ、この人すげぇ、プロだっ。 で、コツは?」
俺の心の訴えも届かず、彼女は自分の台へと戻る。
そしていざボーナスを消化する。
が、初のボーナスだ、何もわからない。
「あ、あの…」
「テキトーに右から押してれば大丈夫」
「ふ、ふ〜ん…」
「ここの数字が10になったら左から…」
だからそれって何のことなんですかね。
それをご教示賜わりたいのですが…。
よくわからない内にボーナス終了。
再び単調な作業を繰り返していると、またもや、
「俺は男だ! 男だぞ〜!」
「あ、あの…」
ミニスカートから大胆に露出した御御足を優雅に組み、彼女は知らん顔。
「ちょっと…」
ちなみに、この時の「俺の空」のシマには俺達以外の客は2,3人しかいない。
つまり、稼働している台も少なく、静かなのだ。
だから当然「男だぞ〜!」は彼女に聞こえている筈だし、俺が目押しできない事も知っている。
そして、優雅に御御足を組み知らん顔。
そもそも、どうしてそんな遠くに座って打っているのか。
隣で優しく手ほどきしてくれるのが筋ではないのか。
刺すような俺の視線を柳の枝の如くかわし、知らん顔を決め込む彼女の横顔。
「も、もしかして…ほんとは俺のこと嫌いなのかな…」
という疑念が頭をよぎる。
あの横顔を、俺はきっと忘れない。
「それとも、これも愛のスパルタ教育なんだろうか…」
仕方なく、自力でボーナスを揃える事に挑戦する。
よく考えていただきたい。
俺は生まれて初めてスロットを打っているのだ。
そして、目押しのコツなど全く知らないのだ。
目押しなど、それまでの俺の人生に於いて一度も経験が無いのだ。
さらには、授業料を払った相手が目の前にいるのに、初日から「今日は自習です」的な悪徳チックな授業形態なのだ。
そんな状況で目押しに挑むのだ。
そんな俺を褒めて欲しい。
というか、少しくらい憐れんで欲しい。
台と格闘すること数ゲーム。
ついに7が揃った!
もちろんマグレで!
結局この日の収支はマイナス。
そして高くついた授業料。
だが、あの5000円は授業料ではなく色っぽい御御足の鑑賞料という事に名目を変更した。
彼女の「テキトーに押してれば大丈夫」というスパルタンなご教示が、その後の俺のスロ人生に於いて如何ほどの役に立ったのか、いまだ不明ではあるが、帰宅後インターネットで「パチスロ入門」と検索してみると、「テキトーに押してれば大丈夫」という言葉を1000倍ほどわかりやすく解説してくれているサイトを見つけた。
そのサイトのおかげで基本的な事はほぼ理解できたのだった。
しかし、そんな事も今となっては良き思い出である。
と、初めてのパチンコや初めてのスロットを思い出したのだ。
何故思い出したかと言えば…
「そろそろ潮時かな…」
と思い始めたからだ。
だから逆に初めて打ったパチンコやスロットを思い出したのだろうと思う。
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