投稿日 |
2013/4/21 |
投稿者 |
ブチ さん |
年代 |
40代 |
性別 |
男性 |
職業/立場 |
サラリーマン |
パチスロレベル |
上級者 |
苦難の連続であった。
果て無く続く業務時間。
効率良くサボタージュし、効果的に仕事をしている風を装い、時にはトイレに篭り時には妄想と現実を入れ換える。
これがどれほどの艱難であるか、常人には理解の及ばぬところであろう。
しかし、努力は報われる。
ついに17時を迎えた。
誰よりも早くタイムカードを押し誰よりも早く職場を飛び出し、そしてホールへ向かう。
まさにスロ打ちの鑑である。
「スロを打つ」とは「クランキーコレクションを打つ」という意味に他ならない。
我がホールに3台設置されているクランキーコレクション。
5台くらいは欲しいところだが、設置されているだけでも幸せであろう。
しかし3台は少ない。
夕方にはまず空き台が無い。
仕方なく他機種を打って時間を潰す。
しばらくすると、やっと真ん中の台が空いた。
すぐさまこの台を確保する。
両隣りの2台のデータカウンタを見ると、ボーナス出現率はブッチギリで設定6以上の数値。
そして空いた真ん中の台もブッチギリ。
正確な設定はわからないが、恐らく設定−2ほどであろう。
この−2を打つ。
設定の良し悪しなどは打つ為の根拠になどなり得ない。
「筐体のパネルにコンドルの絵が描かれている」
それだけが打つ為の根拠になり得る。
そして、それだけで充分なのだ。
台に座った途端、視野の右端で何かが激しく動く。
見れば、右側に座っている彼のアグレッシブな貧乏ゆすりだ。
これがどうにも気になる。
彼の右足ならまだしも、左足なので俺のすぐ右側で激しく上下動を繰り返しているのだ。
俺も意味ありげに彼の方をチラチラと見るのだが、ユスリ君の貧乏ゆすりは勢いを増すばかりだ。
まぁ仕方がない。
ユスリ君に非がある訳でもない。
気を取り直して打ち始める。
もはや設定などどうでも良いのだ。
リーチ目さえ拝めれば幸せなのだ。
とは言え、設定−2ともなるとなかなかリーチ目も現れない。
気合いを入れてレバーを叩き続けるとクランキーチャレンジ発生。
するとここで、今度は俺の視野の左端で何かが動く。
見れば、左側に座っている彼のアグレッシブなガン見だ。
この後も俺の台でクランキーチャレンジが発生する度に彼のガン見の餌食になり続けた。
このクランキーチャレンジ時、中押しで青7を中段に押すようにしているのだが、やはり上段ハネ揃いは気になる。
しかし、同じく気になっていた左上段から右下がりのチェリー・ハネ・ハネは別に何とも無かった。
今日はボーナス非成立だった。
ただし、クランキーチャレンジで中段チェリーが成立している時は、中→右と押してハネを右下がりテンパイさせてから左にチェリーを狙うと角チェリーで停止するという事に気づいた。
角チェリーなら4枚の払い出しがある。この方がお得だ。
たかがコイン2枚の差である。
しかしこれを無視しては駄目なのだ。
フル攻略なら設定1でも機械割が100%を超える。
この「フル攻略」の「フル」とは何を意味するか。
攻略ポイントが「複数」存在するという事だ。
そしてそのポイントの中に、チェリーを4枚で獲得する、という事も含まれているのかもしれない。
複数存在するポイントの全てを攻略して初めて100%を超えるのだ。
何もせずに機械割が上がる訳ではない。
左側のガンちゃんのガン見に耐えかね、顔を背けて右側を見ればユスリ君の貧乏ゆすり。
「ガンちゃんでもユスリ君でもどっちでもいいから早くヤメてくれ」
祈りは儚い。
思うようにボーナスも引けず、クランキーチャレンジからのハズレ時にはガンちゃんの心中の嘲笑が聞こえてくるようだ。
ユスリ君の台は絶好調。
とどまる事を知らない彼の左足。
もうヤメようか。
そう思った時、不意にユスリ君が席を立った。
「ヤメたかっ!?」
見ると、さにはあらず。
ユスリ君は見るからに2確目っぽい出目を出し、中リールを空回しさせたままコーヒーを買いに行った様子。
「あ〜あ、やっちまったなぁ」
コーヒー片手に戻ったユスリ君は座るなり得意げにビシッとボタンを押し、綺麗にベルが揃った。
可哀想なので見て見ぬ振りをした。
ユスリ君よ、精進を怠ってはならぬのだ。
それからしばらくすると、今度はガンちゃんが席を立った。
本当にヤメたらしい。
すぐにその台に移動する。
これでガンちゃんのガン見から解放され、さらにユスリ君からも距離が離れた。
そしてガンちゃんが捨てたこの台はどう見ても高設定っぽい。
設定など不問ではあるが、低設定より高設定の方が良いに決まっている。
視野の右端で不意にユスリ君の貧乏ゆすりがパワーアップ。
どうやらBIGを引いたらしい。
しかしもう気にならない。
俺の台も高設定だ。
ここからは俺も絶好調の快進撃。
2000枚ほどの出玉を得る事ができた。
この時気づいた事があった。
オレ様専用リーチ目。
誰にも知られたくなかったのだが、ガンちゃんにはしっかり見られてしまったのだ。
しかしガンちゃんに見られたリーチ目。
第1停止の目押しがアバウトだとボーナス非成立時にも同じ出目が停止してしまう可能性があるという事に気づいたのだ。
俺の打ち方は第1停止の目押しが若干シビアだ。
ガンちゃんはこのリーチ目を見たが、目押しのタイミングまではわからなかった筈だ。
今後、もしかしたらガンちゃんはガセリーチ目に悩まされる事になるかもしれない。
ガンちゃんには悪いが“してやったり”だ。
ガンちゃんよ、精進を怠ってはならぬのだ。
目が疲れた。
本当ならばあんな目押しはしたくないのだが、それと引き換えにこんなに素晴らしいリーチ目に出会えるなら、視力が悪くなっても構わない。
たとえ失明しても、クランキーコレクションを打ち続けると心に決めたのだった。
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