投稿日 |
2010/9/5 |
投稿者 |
どらごん さん |
年代 |
30代 |
性別 |
男性 |
職業/立場 |
会社員 |
パチスロレベル |
中級者 |
遂にAとの対面を果たしたどらごん。
物語はどんな結末を迎えるのか…。
永遠にも似た沈黙が流れ、最初に口を開いたのはAでした。
A 『よ、よう。 久しぶり…。』
どらごん 『久しぶりじゃねーよ! 急に消えやがって。 お前何やってんだよ!?』
A 『何って……。』
どらごん 『お前、今の店でゴトやってただろ? 全部見てたぞ。』
A 『………。』
どらごん 『何も言えないのか? 認めるんだな?』
A 『……ああ、お前の言う通り、ゴトだ。』
どらごん 『何やってんだよ。 そんな人間だったのか? お前。』
再び沈黙が流れました。
どらごん 『お前、これから時間あるか? ちょっと付き合えよ。』
A 『え!?うん………。』
私は近くの喫茶店にAを誘導し、事情聴取をすることにしたのです。
無二の親友と信じていたAが、なぜゴトに手を染めたのか?
真実が知りたかったのです。
喫茶店に入り、しばしの沈黙のあと、ゆっくりとAにゴトに手を染めた訳を尋ねました。
Aは涙混じりの声で話始めました。
Aの話はこうでした。
『今まで適当に生きてきた自分の人生をずっと悔やみ、なんとかして現状を打破したかった。
愛想をつかされた嫁、そして子供とやり直すために、定職につき、部屋を借りる必要があった。
そのためには、まとまった金が要る。
人生をやり直すために、悪いとは重々承知の上で、他に手が無く、ゴトに走ってしまった。
目標の金額が貯まれば、スッパリと足を洗うつもりでいる。』
という内容でした。
私はなぜ相談してくれなかったのかを問い詰めました。
Aは静かに答えました。
『お前に相談すれば迷惑をかけることになる。
お前のことだから、きっと自分の有り金全てを差し出しただろう?
お前にこれ以上迷惑をかけることだけはしたくなかったんだ。』
確かにその当時、私には数百万円の貯金がありました。
もちろんAはその事実を知っていました。
Aが立ち直る為に必要ならば、貯金全てを差し出すことぐらい、私にとっては当たり前のことでした。
私も静かにAに語りました。
『馬鹿野郎…。 ゴトなんぞに手を染めるくらいなら、オレの金を使え。
ゴトは今日限り引退するんだ。
ゴトなんかで手に入れた汚い金で、家族を幸せにできるわけねーだろ? 違うか?』
A 『でも…。』
どらごん 『でも…。じゃねーだろ?』
私に迷惑をかけまいと、拒否するAをなんとか納得させ、その場でAにゴトの仕事を紹介したAの知人に電話をさせました。
組織から簡単には抜け出せるはずもなく、私とAと、Aの知人で話をすることに…。
数十分後、店に現れたAの知人との話し合いが始まりました。
相手の話を聞いてみれば、なんとその人物は私のスロ仲間の知人であることが判明。
しかも彼は組織の中枢的人物で、今までAが打ち子として得た金を全額返済することを条件に、組織から抜け、組織も今後一切Aに関わらない事を約束してくれたのです。
私はAとAの知人を喫茶店に残し、ATMでAの今まで得た金の総額90万円強を下ろし、Aの知人に渡しました。
Aはゴト組織から抜け出すことができたのです。
その後Aはしばらくまた私の家に居候をし、困難を極めた就職活動を経て、仕事に就くことが出来ました。
早く家族とやり直してほしかった私は、有り金全てを、拒むAに無理矢理渡し、家族を迎えに行かせたのでした。
就職活動同様、嫁との復縁も困難を極めたようですが、なんとか無事に修復できたようです。
あれから数年、私も仕事を持ち、家族を得ましたが、当然と言えば当然ですが、律儀なAは毎月あの時の金を返済しています。
なかなか会う機会はなくなりましたが、今でもAとは無二の親友だと思っています。
お互い色々と変わってしまった部分はあるけど、たまにはあのダメ人間時代を思い出して、また一緒に打ちに行こう!
そして飲み明かそうぜ!
これからもよろしく!A!
……完……
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