ボサ男登場(今後登場しないんですけど) ---2011/2/10の日記--- |
夕方、ブラリとコンビニへ買い出しへ。
買い物終了後、さぁ家に帰ろうと我がマンションへ向かいます。
無事到着し、エレベーターに乗ります。
自分の家の階数にて降りると、そこには、各部屋の郵便受けにビラを配っているお兄さんがいました。
配っていたのは、頭がボサボサの30歳前後の男性。
「ああ、ビラ配りか」と思いつつ通り過ぎようとすると、向こうが僕の姿を発見し、声をかけてきました。
「あ、すいません、許可を取ってチラシの方をお配りしてるんですよ!」
なるほど。
無断でやってると勘違いされて文句を言われたらかなわないと思ったのか、自分は許可を取ってやっていますよということをアピールしてきました。
「ああ、そうなんですか。 御苦労さまです。」
軽く愛想笑いをしながら、普通に受け答えする僕。
するとこのボサボサの男性、なぜか立ち止まり、こんなことを言い出しました。
「いえいえ! 今度そこに出前の寿司屋がオープンするんですよ!
その告知のためにお配りしていまして。」
今ここで口頭で伝えなくても、後でチラシを読めばわかることなのになぁ・・・とちょっと違和感を感じるも、チラシ+口頭の方が効果があると考えたのかなぁ、と思いつつ返答します。
「ああ、なるほど。 寿司は好きなんでありがたいです。
今度頼んでみますね!」
こういう時に交わす薄っぺらい会話が苦手なのですが、僕も社会人の端くれ。
一応、調子を合わせてにこやかに答えました。
するとこれが良くなかったのか、その頭ボサボサの・・・もう面倒なんで「ボサ男」にしますが、そのボサ男が、あろうことか踵を返して僕の方に近寄ってくるではないですか。
順番からいくと、次にポスティングするのは逆方向のはずなのに。
そして近寄ってきたボサ男は、笑顔を振りまきながらさらにしゃべりかけてきます。
「いやぁ、僕ね、この寿司屋さんが大好きなんですよぉ! 凄いおいしくて!
で、好きすぎて思わずバイトまでしちゃってるんですよぉ〜!」
「あ、ああ・・・ そうなんですか。」
これはマズいタイプだ。
僕はそう直感しました。
なぜ初対面の僕に、自分が寿司屋でバイトを始めた経緯を語り始めるのか。
思考回路についていけません。
軽く戸惑った態度を出すも、ボサ男の勢いは止まらず。
「あ、寿司ネタで何か好きなのあります?」
「へっ・・・?」
「寿司好きなんですよね? 何か好きなのあります?」
おいおい・・・ マジか・・・?
なにが悲しくて、見知らぬボサ男と好きな寿司ネタ談義をしないといけないんだ・・・
こいつは何を求めているんだ・・・?
「好きな寿司ネタ? そりゃウニでしょ!」とか答えて、「え、僕もなんですよ! イェーイ♪」みたいなハイタッチとか?
無理だ・・・・・・
仮に、仕事として「見知らぬ人に調子を合わせてハイタッチする」という案件が舞い込んでも、自分にはできない。
謹んで辞退させていただく。
昔、居酒屋の「庄や」でバイトした時に、注文を受けた後に必ず言わないといけない「はい喜んで♪」が言えずに一日でバイトをクビになった苦い記憶が蘇ります。
ここで臆面もなく好きな寿司ネタを答えられる能力のない僕は、「いや、まあ・・・ 特にはないですけど・・・」とお茶を濁しつつ逃げます。
するとここで一旦会話が途切れたので、すかさず会釈をして立ち去ろうとする僕。
しかし、彼のキープ力はなかなかのもので、まだ解放してはくれません。
さらにボサ男は続けます。
「そうそう、そういえば、この寿司屋のオープンの日って、僕の誕生日なんですよ♪
凄くないですか?」
世の中、どうでもいいことって腐るほどあると思います。
でもね、今伝えられた「目の前にいる見知らぬボサ男の誕生日」くらいに不要な情報ってなかなかないんじゃないかと。
微塵も興味のない身の上話を聞かされたことにより、今までなんとか愛想笑いを保っていた僕も、ついに真顔になってしまいました。
いや、真顔というか、若干呆れ顔になってたかも・・・
まずいと思い、なんとか必死で愛想笑いを作ろうと頑張ってみるものの、えらいもんで顔の筋肉が笑うことを拒否してるかのように笑えません。。
するとここで、ようやく何かを感じ取ったのか、「あ・・・・・・ それじゃよろしくお願いします。」とだけ呟いて去っていくボサ男。
ようやく解放されたようです。
あのまま調子を合わせて喋ってたら、一体どれだけ長話になったのか。
ゴールはどこにあったのか。
今となっては、ちょっと興味あったりします。
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