[4]過去と未来とそれからトマト [ 2016/2/7 ] |
ていうか、全然捲れてない!
こんなんじゃ納得いかない!
次で勝負を決める。
最後の勝負にあたって、私は今までの事を思い出す。
ほとんどの場合、最後に打つ台でいつもいつも負債を重ねている。
だが今日は違う。
全然違う。
私がシュタゲで何を学んだか。
それは、
『私たちは過去をやり直す事はできない。 だから大事なことは過去から何を学んでゆくか』
ということ。
自分でも驚くほど適当な事を書いてしまったが、とりあえず勝てそうな台を探す。
徹底的に探す。
しかし、お店の稼働がさほど多くないため良さそうな台が見つからない。
そこで、とりあえず『クレアの秘宝伝』に座る。
ここまでくるとノーマルタイプしか選択肢は無いだろう。
開始3G目のチャンス目でビッグボーナス。
ドンキホーテ野菜 「オ、オスイチだー」
いやしかし、クレアさんはいつ見てもかわいい。
本当にかわいい。
この後全部飲まれたけども。
もう諦めて帰ろうかと思ったその時、1台のパチスロが視界に飛び込んできた。
野菜 「……。」
色々と話題の台である。
我が親愛なる山佐の最新台。
どういう訳か、導入されてすぐだというのに一人も打っていない。
台の上に刺さる『準新台!』のプラカードが哀愁を誘う。
どんなシステムの台だとか、細かいところはこちら様のサイトのページを見ていただければ良いかと思います。
そんな細かい事より、この台で特筆すべき点は…
『時速3000枚』
ということ。
嘘臭いが、これはマジである。
真の山佐の開発力がここに詰まっているのだ。
僭越ながら、この台においてどのようにすれば楽しめるかを簡単に説明させていただく。
通常時は、とりあえず約1/300のトマトが揃うのを待つ。
ひたすら待つ。
そういう台。
飽きてきたら雑誌を読むのも良いだろう。
なんだったら別にスマホでYouTubeを見ても良い。
しかし。
ひとたびトマトが揃えば、そこからはリノとの命のやり取りが始まる。
読んでいた雑誌を即座に後方へ投げ捨て、レバーに全神経を集中する。
約1/30の転落を引くより先に1/8のボーナスを引くことだけに集中する。
そして現れるリーチ目に笑みを浮かべつつ無事ボーナスが入賞すれば、岡山県の方角を向き、天を仰ぎ胸に十字を切り、祈りながら次のように感謝の気持ちを言の葉に乗せる。
「"山佐の本気" をありがとう」と。
あとは、これを沢山繰り返せば時速3000枚となるわけです。
私の大好きな山佐。
負け込んだ時、私をいつも助けてくれた山佐。
お願いします。
どうかこの惨めな私を助けてください。
56Gスタート。
台 「じゃきーん」
来た!!
来たぞトマトだ!!
トマトが揃った!!
開始30Gでトマト!!
→スルー
大丈夫。
焦ってない。
先に転落を引くことなんて当たり前だから。
よくあることだから。
もう一度トマトが揃うのを祈る。
それしかすることはない。
高確だのなんだのと余計なことを考えなくて良いからなのか、一体どういう事なのだろう。
負けているのに気持ちが穏やかだ。
どんどん持ちメダルが吸い込まれてゆくというのに、何だろうこの気持ちは。
そういえば、今までこうやって負け込んでいる時ってのはほとんど捲れたことって無かったな−。
いっつも傷口を自分で広げて泣きながら家に帰るんだよな−。
そういや、初めてスロットで大負けした時もこんな感じだったなー。
無理に捲ろうとして目も当てられない程の事態に陥ったな−。
なんの台だったかなー。
ん、あれ?
なんだこれ。
頭がボーッとするし、やけに昔の事ばかり思い出してしまうな。
ああそうか。
わかったぞ。
これはあれだ。
死ぬ前に見るって言うあれだ。
走馬灯だ。
→1080Gはまり
こうして彼は、スロットで一切の楽しいことを経験することなく死んでゆきましたとさ。
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