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読者ライター【男爵】の記事12


[4]ジャミング・ウィズ・ジャグラー [ 2016/2/20 ]

私達は完全に行き詰っていた。

自分たちの力では特に発見も無く、ちょっと変なジャグラーを打つ二人の時間ばかりを重ねていった。

先日見つけた男以外にこの台を打つ人間も無く、誰かに聞くこともできない。
『ビッグヘブン』の休憩スペースでは浜岡もいよいよ諦めムードだ。

「結局わかんないッスね、小役ゲーム出玉カットバージョンってことでもういいんスかね」

店員ならばさすがに知っているとは思うが、どうだろう、難しいだろうな……

私がそう言うと浜岡は食いついてきた。

「あっ、それ盲点ッスね、ちょっと聞いてみます」

言うが早いか、浜岡は既に歩き始めていた。

私は無駄だろうとは思っていたが、それ以外の手段も思い浮かばなかったため彼の姿を静観する。

年の頃は30歳前後であろうか、浜岡は通路を巡回していた小柄な店員に件のジャグラーについて聞いていた。
何か特別な台ですか?と。

「ハイ! 当店全機種全台、ビッグヘブン設定で営業しております!」

いや、そうじゃなくて、他の店とは違うジャグラーがあるよね。

「ハイ! 他店とは一味違う、優秀機優秀台ばかりです!」

何を聞いても具体性の無い返答が、壊れたCDみたいに繰り返されるばかりだった。
無理もない、「違法改造された機械を無断設置しています」なんて言うはずが無いだろう。

この時私は、缶コーヒーの残りを飲み干して考えていた。
『単に2チェが出てハズシが効かないジャグラー、それがあの台の全てなのではないか』と。


その後、頻度は落としていたが、時間と資金に余裕ができた時には浜岡と二人で謎ジャグを打ちに行った。
相変わらずこれといった新しい発見は無かったが、いつか何か見つかるのでは、という期待を二人は持っていた。

先にペカらせた方に飲み代をおごるという勝負をした時には、二人そろってストレートに1万円のまれて、寂しく牛丼を食べて帰ったこともあった。


「男爵さん、またアレ打ちに行きましょうよ」

小雨が降る日の事、いつものように浜岡が誘ってきた。

ホントにあれ以上の何かがあるのかよ、口ではそういう私だったが、足取りは軽くいつものように二人でホールに向かう。

「あ……」

その日、ホール入口で並んだ二つの傘が入店することは無かった。
目の前には、先月末で閉店したという告知と、貯玉清算の案内が張り出されていたからだ。

あのジャグラーが原因で閉店したのだろうか。
いや、あの客付きだ、単純に流行っていないから閉店になったのだろう。


結局、605番と662番の謎は解けないままだった。
明確な答えも、笑えるようなオチもない、現実はこんなものだ。

浜岡と二人で無理矢理に出した結論としては、謎の『ジャグラーTM』2台は中古導入した際にどこかのローカルなハウスモノの改造筐体が紛れており、設置後に気付くも入れ替えする体力もなかった店がそのまま稼働させていたのではないだろうか、というものだった。

導入時の検査をどうかいくぐったのかは不明だが、そう思う事にした。

答えにたどり着くことなく闇へと消えた2台のジャグラー、それらは何処へ行ったのか。
気まぐれにシマに紛れ込んだその台は、今も浜岡との間では語り草となっている。





この話には続きがある。

あれから数年後、社会人となった私は東北の某県で仕事をしていた。
すっかり5号機に移行したホールでは、強力なART機の登場が話題をさらっていた時期でもあり、裏モノの話などすっかり聞かなくなっていた。

そんなある日、街を歩いていると偶然スロット専門ゲームセンターを発見した。

入ってみると、店内には3号機の『ワイルドキャッツ』から5号機『ツインエンジェル2』まで、バラエティ豊かなラインナップであった。
片隅に『ジャグラーTM』の設置があり、きたない字で「ジャグラーTM(裏モノ)」とPOPが貼ってあった。
懐かしい、あの時の台と同じ黒パネルだ。

当時、調べていく中で知ったジャグラーの裏モノ知識を思い出す。
実物は見たことがないけれど、リプ連ver.や32Gver.と言われるものが有名だったらしい。

あの時打った謎ジャグはわからずじまいだったけど、この台を調べながら打ってみようかな。

私はメダルを借りてレバーを叩き、あの時浜岡と打ったジャグラーに思いを馳せた。


ジャグ


驚いたことに、そのジャグラーはもう再び見られないと思った中段チェリーで応えた。

まさかそんなことは……


気になって打ち続ける。

チェリー連ver.かとも思ったが、ボーナスは成立しない。

その後200Gほど回したところで初ペカり、BIGが揃った。
ハズシ手順を忘れていたので慌てて携帯で検索、BIGを消化する。

小役ゲームでのブドウがあまり来ない、370枚程度獲得して終了。
その後そのまま200Gほど回すも何もなし。

この挙動はあの時の……

もう間違いない、浜岡と打ったあのジャグラーだった。

おお、数年ぶりにあの時の謎が解けるのか。
ここはホールではなくゲームセンター、店員ならば気兼ねなく疑問に答えてくれるだろう。

私はカウンターでつまらなそうにノートパソコンをいじっていた店員に声をかける。

あそこの『ジャグラーTM』の詳細について教えて欲しい、どんな特徴があるのか。

ひげづらの店員が面倒くさそうにカウンターから身を乗り出し、台を確認して言った。

「まとめて仕入れたからなー、わかりませんね、なんせ裏モノですから」

謎は解けなかった。
私は泣いた。





さらに余談がある。

自力で究明してやろうと後日、ゲームセンターを再訪した私が見たものは、入口に貼られた閉店の張り紙。

謎の『ジャグラーTM』を初めて打ったホール、再会したスロゲーセン、いずれも私が打った2ヶ月後に閉店している。

まるで逃げるように姿を隠してしまうジャグラー。
おそらく偶然に過ぎない、たまたま訪れた2店が閉店することだってあるだろう。

ただ、今もどこかで黒パネルの『ジャグラーTM』でピエロが笑っている。
私はそんな気がしてならないのだ。


今回の話の人名・店名は仮名であり、実際のものとは異なるが、『ビッグヘブン』は系列店が今も営業している。

『マイジャグラー』を打っていると、ごく稀に中段チェリーが止まりGOGOランプが点灯する。

その度に思い起こされる、紳士な私の思い出である。

SEE YOU SLOT GENTLEMAN…

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