[5]読者投稿日記Vita‘s Cut [ 2020/5/12 ] |
掲載日 |
2014年6月19日(読者ライターとして掲載) |
タイトル |
出禁物語V〜ビタ、人生最大のピンチ〜 |
備考 |
私が読者ライターとしての2回目の日記 |
私がネグラとしているのは某地方チェーン店
パチスロ6.6枚交換
皆様、毎度ありがとうございます、ビタでございます。
皆様は『ワイルドキャッツ』と言う3号機のパチスロをご存じでしょうか。
後に注射バージョン(後のストック機の元となったと思われるモノ。
当時は違法=ウラ●ノ)で話題になった機種です。
この『ワイルドキャッツ』にも攻略法が存在しました。
今回も、その手順を紹介します。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【手順】
1.メダルを1枚投入
2.レバーオン
3.ストップボタン点灯後にメダルを2枚投入
4.左リールに角チェリーをヴィタ押し
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
以上です。
この攻略法のキモとなるのが1.の項目。
恐らくですが、1枚掛けだと3枚掛けのリール制御とは異なるのでしょう。
ヴィタ押しで角チェリーが容易に止まるのです。
ですが、1枚掛けだと有効ラインは中段の1ラインのみです。
即ち、角チェリーだと払い戻しはありません。
なのですが、3.の項目を行うコトで有効ラインは3枚掛けの“それ”(5ライン有効)と同じになります(2枚の投入メダルはノマれる)。
しかし、リール制御は1枚掛けの制御。
チェリーの払い出しは1ライン2枚。
角チェリーだと2ラインの当選で、計4枚の払い出し。
そして、この攻略法のスゴいトコロは、1枚掛けの低い確率ながら、小役ドコロかボーナスまでも抽選を行っているのです。
これってスゴいコトだと思いませんか?
ナゼなら、『純増1枚+αの“通常ゲーム”』なのですから。
4号機以降の高純増AT機なんかメじゃありません。
この攻略法は、『注射バージョン』のみ有効でした。
注射によるバグですね。
しかし、私が知った頃にはこの攻略法はすでに知れ渡っていました。
ですので、『ワイルドキャッツ』設置店では、対策として「1枚掛け等変則遊技禁止」等の告知がありました。
その告知があると言うコトは、店が『ワイルドキャッツ』はウラ●ノであると認めている様なモノ。
さすがに当時でも、店は堂々とウラ●ノの存在を認めるワケには行きません。
ですので、中には告知が無い店もありました。
だからと言って攻略法を黙認しているワケではありません。
告知の無いお店は店員の監視の目が厳しいお店でした。
ある日のコト。
私は自宅から少し離れた初めての店に行きました。
そこには『ワイルドキャッツ』が。
少し店内を回ってみるも、先述の告知はドコにも見あたりません。
「告知が無いダケでホントは禁止?」
「確かに店員がウロついている頻度が高い様な…」
「それとも対策済み?(ノーマル化)」
と思いましたが、取り敢えず『ワイルドキャッツ』のシマを観察。
すると、見た目いかにも香ばしい方一人のみが店員の目を盗んで攻略法を駆使しています。
コレにより、この店は告知が無いダケで攻略法の使用は禁止が確定。
同時に対策済み(ノーマル化)でも無いコトも確定(=ウラ●ノ)。
私も、香ばしい方同様、目立たない様に攻略法を使用しようと少し離れたトコロに着席。
ですが、私の見た目は至ってフツー。
さらに年齢も若い。
香ばしい方には店員も声を掛けづらいでしょうが、私が見つかれば即座に声を掛けられるでしょう。
よって目立たない様、攻略法は常に使用せずまずは普通にプレイ。
メダルが無くなりそうになれば攻略法を使用。
ある程度メダルが増えたトコロで、通常プレイに戻すと言う対策を施していました。
その後、順調にメダルを増やし1000枚程獲得した頃でしょうか。
私の肩をポンポンと誰かが叩きます。
振り向くとそこには店員が。
店員は「ちょっと来て下さい」と私に声を掛けます。
私は「マズイ!?」と思いましたが時すでに遅し。
ついて行くと、案の定事務所へ。
事務所へ入った私の目に、真っ先に飛び込んできたのはその汚さ。
応接セットらしきソファーには、店員が着替えたであろう服や毛布が無造作に置かれています。
さらに、テーブルには食べた後のカップラーメンの容器が転がっています。
その横には事務机。
事務机の上には、ポツンと1台のみ店内の様子を映し出しているモニターがありました。
その解像度はかなり低く、とても人物を特定できたり出来るとは思えません。
事務所の中には店長(♂)らしき人物一人のみ。
その店長らしき人物(もぉ、面倒なので店長にします)が、私を連れてきた店員に向かい言いました。
店長 「もぉえ〜ぞ、仕事に戻っとけ」
店員 「はい……」
と、事務所を出ていく店員。
後に、我が人生最大のピンチが訪れるとは、この時は全く思っていませんでした。
しかし、この店長。
これまでとは違い、見た目は至ってフツーの50歳代と思われる方。
見た目通り私を怒鳴ったり、ビビらせ様ともせず、至って穏やかな声で私に尋ねます。
店長 「ゴトやってへんか?」
私 「……やってません。」
店長 「道具とか使ってへんやろな?」
私 「……使ってないです。」
店長 「ホンマやな!?」
私 「……は、はい。」
店長 「ほな、ボディーチェックしてもえ〜な。」
この時、私はイヤな予感がしました。
予め用意していた道具を、ボディーチェックの際、紛れ込ませるかもと思ったからです。
そして難癖つけられ、「警察沙汰にでもなればどうしよう」と、ビクビクしていました。
ですが、断るとさらに難癖つけられそうでしたので渋々了承するコトに。
店長 「じゃぁまず、ポケットの中身全部出してんか。」
私は言われるままにポケットの中身を全て出しました。
全てと言っても、サイフと車のカギとタバコとライターのみです(当時、携帯電話は普及していませんでした)。
もちろん、アヤシイ物ではありませんので、店長も軽くチェックしたダケです。
店長 「じゃぁ、次はバンザイしてんか。」
私は言われるままにバンザイ。
店長は、私の腕、わき腹、背中、お腹、最後に胸のあたりをポンポン。
特に胸のあたりはポケットがありましたので重点的にポンポンしています。
もちろん何もありません。
店長 「ほんなら、軽くでい〜から足開いてんか。」
私はまたもや言われるままに。
店長はまず、右足首をチェック。
そのままヒザあたりまでチェック。
同様に反対側の足もチェックしました。
次いで、太ももまでポンポン。
この時、店長は下を向いていた為、表情は分かりませんでしたが、何やら息が乱れている様子。
その時私は、「何も出て来ないからイラついているのかな?」などと思っていました。
今度は、反対側の太ももをポンポンしてくる店長。
なにやら、内側を重点的に撫でてきます。
私は「まさかね?……」と違和感を覚えましたが、そのままされるがままに。
すると店長は私の背後に回り込み、ポケットとお尻をさらに入念に撫でてきます。
店長の息は乱れるドコロか、かなり荒くなっています。
先程の違和感が疑惑に変わり、「えっ!? ちょっとマジで?」と思ったその瞬間。
店長は私を後ろから抱きかかえる様に、前のポケットにスルッと手を滑り込ませてきました。
さらに、軽く股間を摩ってきます。
ココで、一気に疑惑のオーラが緑まで昇格。
私 「ちょっと! 何するんですか!!??」
と、振りほどくも間髪入れず私の股間をニギニギしてくる店長。
疑惑のオーラが赤まで昇格です(ゲキアツ)。
しかし、ここで店長から思わぬ言葉が。
店長 「よっしゃ! も〜戻ってそのまま打ってえ〜よ。」
と、少し火照った顔でそう言います。
私 「えっ!? い〜んですか?」
店長 「チェリー抜き(攻略法)やっとるやろ。」
私 「……はい。」
店長 「だから戻ってそのまま打ってえ〜よ。 その代わり閉店後、店の前でちょっと待っとけ。」
私 「えっ?なんか用ですか!?」
心の中では、「ヤバい!ヤバすぎる!!」と、汗ダラダラです。
店長 「ホテル行くぞ!!」
私 「はっ、はぃぃぃぃ???」&「(のぉぉぉぉぉぉ〜)」
……………
………
…
オーラがレインボーです(確定)。
この時はいっその事、暴れまくって警察沙汰になった方がマシとマヂで思いました。
私 「無理です、出たメダルも要りませんし、もぅ帰ります。」
店長 「まぁ、まぁ、コレでも飲んで落ち着いてや。」
と、缶コーヒーを薦めてきました。
私 「結構です! もぉ帰らして下さい。」
すると店長。
私の肩に手を回し、耳元でこう呟きます。
店長 「痛いのは最初ダケやから。 なっ!」
全身に鳥肌が立ちました。
私 「ゼッッッッタイにムリです!!」
店長を勢いよく振り切り、ポケットから出した私物をムリヤリ仕舞い込みました。
そして、最後の手段に出ようと息を深く吸い込みます。
そう。
最後の手段。
思いっきり暴れて警察沙汰にす………
………るなんてコトは出来るハズもなく、思いっきり“逃げる”です(笑)。
今は(笑)なんて書けますが、この時は必死で逃げるルートを考えていました。
なんせ、操が掛っているのですから。
その事を察したのか、店長はゆっくりと出口に向かいながら私にこう言います。
店長 「ホンマにムリなんか?」
私 「ホンマにカンベンして下さい。」
店長 「ど〜してもか?」
私 「ど〜〜〜してもですっ! 本っっっ当にカンベンして下さい。」
店長 「そうか……」
私 「…………」
店長 「……………」
よくみると店長の目は潤んでいて、今にも涙がこぼれ落ちそうです。
店長は私を見つめ沈黙したまま。
この沈黙は、永遠に続くのかとさえこの時は思えました。
しかし、その永遠に続くのかと思われた沈黙を破る様に店長が言葉を絞り出しました。
その言葉は、私が待ちに待った言葉だったのです。
店長 「しゃぁないな、もぉ帰ってえ〜ぞ。」
今度は私の目から涙がこぼれ落ちそうです。
私が事務所から出る際、「また来たってや」と店長が声を掛けてきました。
しかし私は返事をせず、軽く会釈したのみで事務所を後にしました。
私が打っていた『ワイルドキャッツ』のメダルは残ったままでした。
ですが、一刻も早く店を出たい一心でしたので一瞥したダケで店外へ。
車に乗り込み5分程走ったトコロで「……助かった」と心底胸をなで下ろしました。
そして、「あの店は近くにもゼッタイに近寄らない!!」と心に決めたのでした。
***********
あれから20年以上経ったのですが、このトキ程のピンチは記憶にありません。
ボディーチェックの際、内ももや股間を撫ででくるなんて、今ではセクハラとして訴えられてもおかしくは無いですよね。
つくづく思います。
「パチンコ屋って健全になったなぁ。」って(う〜ん、ムリヤリ感MAX)。
今回は『出禁になった』と言うよりも、『自らが出禁にした』と、言うコトで締めさせて頂きます。
【編集後記】
今回の『〜VSスジモノ?』と『ビタ、人生最大のピンチ』は、合作で橋本ライオン先生が『パチスロ純情物語〜前編〜(第7話)・〜後編〜(第8話)』としてマンガにして下さいました。
ですので、記憶に新しい方もいらっしゃるのではないかと思います。
特に『人生最大のピンチ』は今でもハッキリと覚えています。
アレはマヂでヤバかった。
そして、缶コーヒーの件。
本文には書いていませんでしたが、店長がしつこいぐらい何回も薦めてきたんです。
ですが、私が頑なに断るモノですから店長はこう言ったんです。
「缶やから注射器でヘンな薬とか入れられへんやろ?」
「だから安心して飲め!」
って。
イヤイヤ。
そ〜ゆ〜問題じゃない。
てか、注射器でヘンな薬を入れるなんて、フツーの人ならそんな考えに至らないですよね。
その考えに至るってコトは、これまでに缶以外では注射器を使ってヘンな薬とか入れたコトがあるってコトなのかな?
キャーーーーー
恐ろしい!!
このトキは、ある意味めちゃめちゃ運が良かったのでしょうねぇ〜。
思い出して鳥肌が立ちました。
いかがでしたでしょうか。
少しは時間潰しのお供になりましたでしょうか?
当たり前のコトが出来なくなって初めて気付く、当たり前に出来るコトのありがたさ。
とにかく、一日でも早く日常に戻れば良いですね。
今回は以上とさせて頂きます。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
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