| [2]出禁物語外伝 〜攻略軍団現る〜 [ 2014/10/1 ] |
『春一番』には強力な攻略法が存在しました。
以下に手順を紹介しますが、難易度があまりにも高く私は早々と諦めていた為、あまり記憶に残っていませんので多少の違いはご了承下さい。
１．普通に大当たりさせる。
２．大当たり中天国モードを狙う。
３．アタッカーフルオープン。
以上です。
皆様は２．の項目で「？」だと思います。
しかし、ここがこの攻略法の『キモ』になっていまして、簡単に説明致しますと、大当たりのラウンド中に天国モードのタイミングを示唆（全ラウンド）しているのですが、それを狙うというもの。
狙う方法ですが、体感機を使った方法と、上部ランプと大当たり中に流れる音楽とが同調していて、それを目安にする方法（八木節打法or安来節打法と紹介されていた記憶が…）の２種類存在しました。
もちろん、後者の方がより難易度が高く、私が目にした軍団も後者の「それ」を使用して攻略している様子でした。
すると場内アナウンスが…。
「本日のご来店、誠にありがとうございます。 本日出玉絶好調につきドル箱の数が不足してまいりました。 お手数ではございますが、２箱以上お持ちのお客様は全て景品と交換下さい。」
D店は駅前ということもあり、それほど規模は大きく無い店だったのですが、ドル箱が足りなくなるなんて想定外だったのでしょう。
その時私は「ドル箱交換？こんな事もあるんや？」と驚き、自分が打つのも忘れ、その技術に見とれていました。
すると、私の横に店長がやってきました。
すかさず私は質問します。
私 「あれって八木節打法ですよね？」
店長 「……さぁ？」
私 「えっ？ もしかして体感機使ってるんですか？」
店長 「いや、そんな感じには見えへんな？」
私 「じゃあ八木節打法ですよね？」
店長 「お前、（八木節打法）出来るんか？」
私 「あんなの難しすぎて無理です。 だから、一度生で見てみたいとは思っていたんですよ。」
店長 「…そうか。」
私 「えぇ。」
店長 「…実はな。」
私 「はい？」
店長 「俺もや……。」
この会話の後、店長は事務所に入って行き、この日は出てくる事はありませんでした。
それから１時間程経った２１時３０分頃です。
突然攻略軍団は打つのをヤメ、全員店を出て行きました。
おそらく店との話し合いの結果、その時間までは認めると言う事になったのでしょう。
その後、『春一番』のシマは封鎖されてしまいました。
その翌日、私は真相を確かめようとD店に行ったのですが、店長の姿は見当たりません。
店員に聞いてみた所「今日は休みや。」と言われました。
しかし、その翌日も、翌々日も店長の姿を見掛ける事はありませんでした。
シマ封鎖から１週間が経った日、私はしびれを切らし店員に問い詰めました。
私 「最近店長見掛けへんけど、事務所に居てんの？」
店員 「………。」
私 「なんか病気でもした？」
店員 「いや、詳しい事は分かれへんな…。」
私 「もしかして、店長ってこの店辞めた？」
店員 「………。」
私 「この前のシマ封鎖が原因？」
店員 「………。」
店員は「もうそれ以上聞かないでくれ」と言う様な顔をしていました。
私もこれ以上は問い詰める事はしませんでした。
はたして店長は責任を取って「辞めた」のか、それとも「辞めさせられた」のか？
今となってはそれを確かめる術はありません。
私は店長が「異動」であった事を強く祈る事しか出来ませんでした。
あれから２０年以上経った今では、すでにその店はありません。
当時パチンコ店には強烈なローカルルールが設けてあり、その内容も後からとって付けた様な物がほとんど。
中には暴力をチラつかせる店もあったと噂で聞きます。
その為の防衛手段として、前述の攻略人たちはグループを組んで抵抗したのでしょう。
つくづく思います。
「パチンコ屋って、健全になったなあ」って。
今回は「私」では無く「店長」が出禁になったお話でした。
※※※ ご注意 ※※※
今回紹介しました『攻略法』ですが、当時の攻略誌で紹介されていた手順です。
以前にも触れさせて頂きましたが、最近では『ガセ攻略法』が当たり前の様に販売されています。
こちらのサイトをご覧の皆様は購入されたりする事は無いと思います。
しつこい様ですが、皆様の周りに、もし興味を持っておられる方がいらっしゃれば、正しくご指導して頂けますようお願いいたします。
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