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読者ライター【野菜】の記事13



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ブラックラグーン2と野菜〜決着編〜 [ 2016/3/8 ]

全国の敏腕スロッターの皆様ごきげんようでございます。
野菜思う故に野菜あり。
でおなじみ野菜です。


前回までのあらすじ。

まさに奇跡。
ブラクラ2で大事故をおこした野菜。
隣で打つ友人の応援と共に今まで全てのマイナス収支への反逆となるのか。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
※注 : 本編を読む前に
前回は「なんかくっさいしゃべり方」でお送りしたのですが、2回も続けるとさすがに胃もたれを起こしますので、普通に戻します。 あしからず。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

以下本編。

 


私は軽い頭痛に苛まれていた。

ARTを消化しはじめて随分と時間が経った気がする。
こんなに長い間ARTを消化するのは本当に久し振りだ。
激しい光と音で頭が痛くなってきている。

やはり長い時間強い光を見続けるのは良くない。
そう考えると、高純増のAT機もあながち悪くはなかったと思う。

現在、約1200Gを消化してやっとこさバレ満になった所だった。


ブラックラグーン2


『…野菜よ、別に口を挟みたくはないんだが…』

『みなまで言うな。 バレ満になるのが遅いと言いたいのだろう。』

確かにここまでの間、バレットは思っていたより貯まらなかった。
獲得枚数は、ボーナスをそこそこ引いたおかげでかなり伸びてきているが、この台の醍醐味であるバレ満状態になるまでおよそ1200Gもかかったのだ。

『こう言っちゃなんだが、野菜。 残りのG数だけでは万枚だなんて遥かに遠いぞ。 歩いて月をめざすようなものだ。』

隣の友人がどうしようもない履歴のマクロスを打ちながらそう忠告してくれた。

そうは言われても、自分ではその日の引きは本当に素晴らしいと思っていた。

スーパーヘブンズラッシュの後も絶え間なく上乗せを重ね、割りと軽くボーナスを引く。
こんなに楽しいことがあるだろうか。
これこそA+ART機の真骨頂の楽しさではないだろうか。

そう思っていたが、これでもまだ、万枚には及ばないというのだ。

『じゃあどうすればいいんだ、教えてくれ。 どうすれば万枚に手が届くんだい。』

『おーけー落ち着け。 いいかい。 お前さんはまだ何か忘れているぞ。 この台のもう1つの爆裂契機をな。』

自慢げに語る友人が何の事を言っているのかはすぐにわかった。

「ヘルズラッシュ」

ブラクラ2から登場した、毎Gフリーズする超上乗せ特化ゾーンだ。

そんなもん引けるわけが無い。
そもそもいまだかつて引いている人も見たことがない。

俺はもう十分にこの台の楽しいところは味わわせて貰っている。
これ以上を望むのは強欲というものだろう。
あとは自然の流れに身を任す。

その時の私はやけに落ち着いたそんな心境だった。

『まあなるようになるよ。 そんなことよりお前もそろそろ当てないと投資が酷いことになるぞ。』

その時の友人のマクロスへの投資は恐らく500枚程だろうが、ここからの投資のスピードは加速する一方だろう。

しかしこのブラクラ。
レア役が仕事するんだ。
なんというか、本当にもう滅茶苦茶に仕事をするんだ。
まるで壊れたオモチャのように騒ぎまくる。

徐々にG数を増やしていき、大して偉くない中段チェリーを引く。


ブラックラグーン2


そして気付けば、


ブラックラグーン2


また残り1000Gを越えていたのだった。

『…おい野菜よ。 別に文句って程でもないんだが…』

『なんでしょうか』

『なんていうかその、うるさいんだ君の台は。 とてもうるさいんだ。 隣でそこまでやられると、俺以外の人間ならすぐに席を離れちまうぞ。』

何を言い出すのかと思えばこのターキーは。
自分が打っているマクロスがどういう台なのか理解しているのだろうか。


その数分後。
まるで女性が変態を見たときのような甲高い声が聞こえた。

声の主は隣の友人だった。

『おい何だ今のは。 ここがステイツなら今頃店員に蜂の巣にされてるぞ。 不愉快だって』

『おい。 コイツをみてくれ。』


超時空ライブ


俺にはまったく必要のない奇跡を起こしたようだった。

友人の推理によると、宵宵々越しの天井だとかなんとか。

『はー! 俺が只の養分打ちをしていると思ってたかい!? おれはお前にスロットを教えた師匠でもあるんだ! このくらいの事造作もねえってわけだ! はっはー!!』

友人もマクロスも一瞬のうちにうるさくなった。

まあここは素直におめでとうと言っておいてやろう。
二人して勝つことができるならばそれに越したことはないと私は思う。


虹色の翼をバッサバッサと羽ばたかせて上乗せを繰り返す友人。
まじで耳が壊れるってば。

店のガラスが全て弾け飛ぶような轟音が止んだ頃、私の台のガイコツがチカチカと光りだしたのだった。

こいつは以前にも何度か経験がある。
まさしくヘルズラッシュの前兆なのだ。

演出もざわざわしておいて、結局は何も起きないのがお約束。
しかしながら期待せざるを得ない。
なんせここでヘルズラッシュに突入しようものなら本当に万枚が現実味を帯びてくる。

変な胸の高鳴りを押さえつつレバーを叩いていた。

その時。
世界が終わったかと思うような爆音が再び耳に突き刺さった。

隣のマクロスの画面に、

『+10』

と表示されている。

10て!!
もういいよ!
鼓膜への攻撃はもういいよ!

耳から血を流しながら自分の台に視線をやると、


ブラックラグーン2


んん。
これはそういうことなのだろうか。

初めてだから良くわからないがヘルズラッシュ確定ということなのだろうか。


結果としてはそうだった。


ブラックラグーン2


そして初めてのヘルズラッシュ。

いやまあ凄いですよ。
何が凄いってリール遊びが凄い。
ぐわんぐわんとリールがあっちこっち回ってもう何がなんやら。

『ちょっと野菜ー。 マジでうるさいわー。 歌姫達の声が聞こえないじゃんかー』

黙っとれ。
今真剣だから。


ここでまた四桁とか乗ったらいよいよ…


台 『きゅいきゅいぽいー +150G』

え、終わったんだけど。
意味わかんないんだけど。

『お師匠、こんなもんですか?』

『…さあ』

くそったれめ。


このあとは…

160Gはまりボーナス。
ちまちま上乗せ。

200Gはまりボーナス。
ちまちま上乗せ。

こんな具合をひたすら繰り返す。
ただただこれを繰り返していた。


気付けば夜の7時。
獲得枚数は8000枚を越えていた。

この時点で自身の最高獲得枚数を更新していた。

しかしこんな長時間スロットを打つことが無い私の体力は限界を迎えかけていた。

腰も痛いし肩も痛い。
そして何より辛いのは、友人のマクロスがずーっと爆裂し続けていることだった。

『…なあ。 今何枚出てるの。』

『4000枚くらいかな! マクロスでこんなに出たの初めてやわー! うひょー!』

うひょーじゃねぇよ。
上乗せする度に鼓膜を丸太でノックされるこっちの身になってくれ。

ていうかコイツは、耳栓もしてないのになぜ平気なのだろうか。

ああそうかわかったぞ。
きっとコイツの鼓膜は既に進化を遂げていてとても分厚くなっているのだろう。

とにかく…!

もうこれ以上の上乗せは本当に勘弁してくれ…!

その台の上乗せ音、いや、全体的な音全てが!

少なくとも私の体力と気力を剥ぎ取るんだ!

剥ぎ取っては私を苦しめるんだ!

これは冗談じゃない、本気で…


マクロス 『ななをねらえー!』


うっ…!!
やめろ!!
やめてくれ!!


友人 『なんだこれ、はじめてみた』


やーめーろー!!!


ビュルチチチチチチチポィポィポィピピピピー


マクロス


うわあああああああああ!!

ブシューっ(鼻血が止めどなく出る音)


その瞬間、私は自身の限界を越えたのだった。
精神的にも体力的にも限界を越えた。

まるで敵キャラに負けたRPGの主人公のように目の前は真っ黒になり、どんどん意識が遠くなっていく。

だから正直に言おう。
ここから先はあまり記憶がない上に写真もろくに撮っていないのだ。


そして、ただいま夜の9時。
気付けば外はとっぷりと夜になっていた。

知らない間に友人は帰り、隣のマクロスには知らないおじさんが座っている。

そんなことより、いつになったらこの台のARTは終わるのだろうか。

残り400G。
後乗せにまわった分も相当数あるだろう。

正直もう疲れた。
もう帰りたい。

でもここで止めたらお金を捨てるのと同じ。
さすがの私もスロッターの端くれ、そんな勿体無いことは出来ない。

そんなことをずっと考えているうちに何だか本当に気分が悪くなってきた。

なんだこれは。
風邪かな。

一旦トイレに行き、鏡で自分の顔を見る。

真っ白だ。
顔面蒼白とはまさにこのことか。
さらにひどく充血していて自ら見ていて気の毒だ。

『…よし、帰ろう。』

これ以上はマジでまずい。
このままだと大衆の面前で胃袋が逆転することも十分に考えられる。

いよいよ私も台を他人に譲る神になる日が来たのか。
しかも残り400G以上。
神の中でも最高位の神だろう。

隣のマクロスを打つおじさんに話しかける。

当たっていないし喜んで貰ってくれるに違いない。

『あの、もう帰るので、良かったらこの台打ちませんか?』

『えっ、いや。 別にいい。』

『えっ?』

『別にいらないから。』

えー。
もう意味わかんない。
なんか後味悪いわ。
別に悪くないのに、すいませんとか言っちゃったし。


このおじさんがなんで断ったのか本当にわからないが、ここで終了です。


そして流した枚数は…


レシート


本当によかった。


とはいえ、その時は特に感動はありませんでした。
そんなことより辛くて辛くて、早く家に帰りたくて仕方なかった。

次からは耳栓を絶対に装着しよう。
うん。
いい勉強になった。

ていうか、あのおじさんは一体なんで断ったのだろう。

いや、マクロス好きからしたら当たり前のことなのかもしれない。
そうだとしたら大変失礼なことをしたな。

そんなことを考えながら私は家路についたのでした。

 


後日談。

フラフラになりながら帰宅した私は、あまりの気分の悪さに一応熱を計ってみた。

38.4℃

そこそこの高熱を叩き出した私は、その日から3日間寝込んだのでした。


今回の件から私が得るべき教訓は、

「何かを得るにはそれ相応の代償が必要である」

ということ。

しかしね、世の中はこうも優しくはないんですね。
高熱だけが代償ならばどれだけいいことか。

この記事を書いている今現在、既に5000枚は偽物語とマジハロ5に貢いでいます。

別にブラクラの話とは関係無いし、万枚出したぜイエーイ!で終わっても良かったので書く必要も無いかなとは思うのですが、正直かなりショックで。
本当にショックで。
もう何といっていいやら。

こんなに勝ったのにさ、こんなに負けるなんてね、思ってもみなかったよ。
もうね、本当にね、わけがわからないよ。






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